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【八階層一区画】お届け物

【八階層一区画】】お届け物


 甲子園も終わり数日。朝食を食べようと、食堂へ錬治が訪れた。


 その場にいたのは、佐江が朝のニュースを見ながら、お茶を飲んでいた。


「おはようございます。錬治さん」

「あれ? 佐江だけか?」

「はい、今日から城一さん、源治さん、美千代さんは、単車の免許を取るために合宿に参加だそうですよ。次郎さんと調さんは何か「たこ焼きバトルに巻き込まれたからちょっと行ってくる」となんでもゴールデンウイークのラーメンバトルのリベンジマッチとか言われてましたね。岬さんは一芽さんと美穂さんと一緒に図書館だそうですよ」

「おう、説明ありがとう。ところで何見てるんだ?」

「昨日の国会の様子ですね。ダンジョン関連の制限緩和がメインですね。もっともわたくしとしては、対テロ関連の法案のニュースが気になっていたのですが…報道がネットニュースだけですね」

「ふーん、制限解除ねぇ…今でも随分緩いのになんでだ?」

「さぁ? 推進派の中心の山中議員は以前『探索者なんて、生き物殺したい異常者なんだからとっとダンジョンに送って死ねばいい』と過激発言しすまてねからね…後先考えないで暴論が多い人物ですね。まー見た目もそこそこと演出はそれなりにできるので悪目立ちする議員です」

「よく、そんな人が議員続けられるな…」

「アンチ探検者、ダンジョン封鎖運動家、アンチ司民党などの支持がありますから」

「ふーん。まぁいいや」


 ニュースでは、地域ニュースに切り替わり、昨日通り魔が発生したという物騒なニュースを聞きながら、納豆定食魚のカマ(エラ下から胸鰭までの切り身)焼き付き長芋とオクラの和え物を添えてを堪能しつつ


「斬り合ってみてぇな」


 ぼそりと物騒なことを呟きながら、締めにお茶漬け(丼ぶり飯二杯目)まで平らげお茶をすすり始めた頃。


「ケケケ、ここにいたのか錬治。お前さんに客だぜ」

「客?」

「ケケケ、ワイが応接室まで案内して、カルカンとお茶をだしてもてなしてやったから、とっと行ってきな」

「光太郎…お前、口調あれだけどそういうとこは抜かりないよな」

「あぁん? お客さんをもてなすのは常識だろうが、ちなみに名前は、前田平治て聞いたぜ」

「平治さんが?」

「あら? お知合いですか?」

「俺の刀を依頼している刀匠だけど」

「ケケケ、なぁワイも一緒に聞いていいか?」

「わたくしも興味あります」

「いいぜ」


 食器を片付けてから、佐江と光太郎を伴い応接室へと向かった。


「やぁ、錬治君できたよ」

「えっ?」


 目の下にクマを作り、少し痩せた平治が挨拶を済ませると早速と要件を繰り出した。


「君の刀だよ」

「本当ですか!?」

「あぁ、あの素材を目にしていたら創作意欲が止まらなくてね。つい頑張り過ぎてしまったYO」


 テンションが若干おかしくもなっていた。


「こいつがそうだ」


 テーブルの上に置かれた刀を鞘から抜きその見事な刀身に全員が息をのむ


「実はそいつにはまだ名がいれてねぇ。あと、オレの《鑑定≫で見てみたんだが…まったくわからなかった。オレが打ったのは間違いないが、こう何かが下りてきて意識が戻った時にはできていたというモノでな。同じものは、材料があってもできないとおもう」


 作りや重心は、以前のものと変わらないが、刀身は仄かに黄金色に輝きを放ち刃文がまるで金色の海を揺蕩う波のようにも見えた。


「白波……」


 その刃文を見ながら錬治は呟いた。


「この刀の名は白波でどうですか?」

「白波か…うん、いい名だな。なんかこれ以上ねぇて感じだ」

「ケケケ、ワイは刀のこととかわからねぇがいいものてのだけは解るぜ。なぁ佐江…あれ? あいつどこいった?」


 いつの間にか姿を消していた佐江を探してキョロキョロと部屋を見回し始めると部屋の扉が開く、


「どうも~」

「必要だと思ってぼたんさんを呼んできましたよ」

「これ凄そうだね。《ホワイト・ブック》【解析】」


  アイテム名:白波

  分類:刀

  等級:名品

  攻撃力+54

  効果:攻撃力増加2倍

     魔力伝達率200% 

     自動補修

     自己進化

     ????

     ????

     ????


「これ…おかしい!?」

「ケケケそっか? ワイがこないだ手に入れた巨人の手斧もこんな感じだったぜ?」

「あのねぇ…人の手で名品級装備は、滅多にないのよ。しかもこれクラスなら、伝説級の装備と遜色ないレベルなのにまだ名品レベルてのがおかしいのよ!」

「あぁ、そういえばワイのは伝説級やったな。攻撃増加が3倍で重量変化て効果もあったな」

「多分自己進化で今後成長することで等級があがるのは否定できませんね」

 

 全員が口々に語るように白波の性能は、天下五剣や小烏丸といった歴史ある名刀に匹敵するできであったのだが、この場にその事実を知る者はいないであった。


 しばらく、全員で武器やアイテムの談義に花を咲かせていると扉をノックする音が響き続けて


「大島だ。渡瀬はいるか?」

「先生? 居ますけど」

「入っても問題ないか?」


 ぼたんは、錬治や平治は目くばせすると、うなずくと扉をあけ右近とそれとともにいた、崇高も応接室へと迎え入れた。


 右近は平治に挨拶もそこそこに、本題を切り出した。


「実は、探検者協会らかの緊急依頼があってな実習も兼ねて請け負う事になったんだ。藤堂、尾張、琴吹もよければ参加してくれると助かる。報酬もでるしな」


 こうして、錬治たちは、とある事件に巻き込まれることになるのであった。

評価や感想、ご意見など時間がありましたらどうかお願いいたします。


アイテムの等級は


劣化<一般<上質<名品<伝説<神話<創成


となります。


比較対象として


国宝・童子切安綱(鬼切丸)

  分類:刀

  等級:伝説

  攻撃力+126

  効果:攻撃力増加2.5倍

     魔力伝達率200%

     妖魔特効(鬼系モンスターに対して、防御無効・ダメージ増加・再生不可)

     退魔(アンデッドに対してダメージ増加)


日本国内に存在する最強の刀の一つです。世界各国の国宝などもアイテム化しており、伝承の力をもっているアーティファクトとなっておりそれらの多くは各政府が管理しています。


 100話まで後2話

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[一言] 「大島だ。渡瀬はいるか?」 「先生? 今すけど」 「入っても問題ないか?」 居ますけど  ですよね?
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