【六階層八区画】池田湖ダンジョン その7
【六階層八区画】池田湖ダンジョン その7
地上に叩き落されたインフェルノ・グレート・モスは、何とか飛んでいるがそれでも、あまり高く飛べなくなっており、3mくらいの高さが精いっぱいというのが崇高の意見である。
「新田流弓術射法・遡行」
スキルでもアーツでもなく、それは崇高の純粋な、修練から弓術によって放たれた矢は、確実に敵を捕らえて射抜く、もっとも、対象が大きい為に、効果は薄いがそれでも、確実に当てていく。
『こちらも、やるかな。狐がコーンと一鳴きするたびに、氷の花が一つ、二つ、三つと咲きぐるい。生まれるは氷華の花束、死でへの送り花。まとめて貴方へとおくりましょ。雹華繚乱・氷岸花』
調の、奇妙な詩が響くと雹が吹き荒れインフェルノ・グレート・モスへと触れると雹は、一つの氷の芽となりそれは、二葉に、三つの茎が伸びる四つの氷の彼岸花を咲かせた。
「おいらも、たまには、本気でいくっスよ【シャドー・コピー】」
シャドー・コピー、それは自分の分身を作り出すアーツである。このアーツ自分の使用できるスキル・アーツが可能な分身を作れるというものだが、もう一つ異常性という特性をもつ。それは…
「「もう一回いくっすよ」」
コピーの上限が、存在しないのである。つまり、それは次郎が止めない限り何度でも使用できるという事である。
「「「「もういっちょいくっすよ」」」」
2が4人、4人が8人、8人が16人、16人が32人と乗算で増えていき100人を超えたあたりでアーツを止めると…
「「「「「「「<ウォーター・ショット>」」」」」」」
全員で水の弾丸を浴びせかける、それはまるで地上から空へと降る豪雨のような様相であるが、次郎は止めることない
「「「「「「「<リフレイン>」」」」」」」
リフレインは、自身が使用した魔法を再度使用する魔法である。消費量が少ないので上位の魔法を使用した場合に、連続して使用した場合に用いられるが、次郎が今の状況で使用した場合だと…分身全てが次郎であり、それが使用した魔法が再度発動すると、どうなるかといえば、ナイアガラの滝すべてが逆流でもしたかのような水量が、一気に、インフェルノ・グレート・モスへとを襲う。その光景はチートどころかバグである。ありえないでたらめな水量で炎の鱗粉が消え去っていく。
「流石というか、呆れるというか、これは我も派手な技を披露するとしようではないか。<リフレクト・ミラー>この魔法は、光だけでなくあらゆるものを一度だけ、倍速で反射させる鏡を作る魔法だ。そして、これを《ドミニオン》と組み合わせると…」
無数の鏡が、城一の領域に顕現する。
「では、いくぞ【光神極】」
城一の放った一条の光が、鏡を経由してどんどんと威力を増しながら太くなっていく。直径が5mはあるレーザーがインフェルノ・グレート・モスを襲い、方翅を消滅させ地面へと激突した。
「ケケケ、さてと、止めだけどよ。ワイだけ、大技を披露をしないのはアンフェアだよな。だからいかせてもらうぜ<アクセル・1>」
<アクセル・1>は自身を加速させる魔法。その魔法を使用しその場でハンマー投げ準備動作のように回転を始める。
「さらに、いくぜ! <アクセル・2>」
回転速度はさらに増し、それは、もう小さな竜巻と化しながらも更に回転する。
「くらいな!! 【デッドリー・トルネード】」
回転した勢いそのままに、インフェルノ・グレート・モスに向かって、跳躍すると、遠心力がそのまま推進力にも変換され、空飛ぶ巨大回転ノゴギリといっていい光太郎が、インフェルノ・グレート・モスの頭部にぶつかり、停止することなく回転を続け、胴体までも真っ二つに横断した。
「ウゲェェェ…はぁ、この技目が回るのが欠点だよな。ケケケ」
この一撃をもって全員は、勝利したのであった。
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