【六階層四区画】池田湖ダンジョン その3
【六階層四区画】池田湖ダンジョン その3
調のスキル《マスカレイド》の仮面は、現在は5つ。
その中で、最凶の面は、間違いなく【フェイスレス】の面。この面はただの平面、目も鼻も口も一切ない無貌の面である。能力は、全身を黒い靄が、調の体を包み靄は絶えず、形を変えあたかも複数の腕のような形をとり、腕を振るうだけで無数の腕は、歪に禍々しく追随しながら、全てを貪り喰らい続け、満足するまで面は外れることなく、また、調も恐ろしいまでの飢餓感に苛まれ、辺り一帯を喰らいつくすまで止まらなくなってしまう。
まさに、最凶にして最悪の面である。
その面を、発動させ。十階層ボスの『ギガント・イール』を捕食していた。
なぜ、この面を使ったかといえば、次郎のイタズラによる傷心を癒すための憂さ晴らしというよりも、もはや単なる八つ当たりともいえる、やけ食いである。
普通であれば、たとえイライラしても使用することはなかったが、運が悪いことにギガント・イールは全長が30m、太さも大木の幹のように太い。超大型モンスター。捕食量は十分であったために調は、躊躇なく発動させ、一対一の戦いを始めてしまった。いや、訂正しよう。それは、闘いではなく蹂躙劇というよりも、もはや晩餐会だった。巨体のはずのギガント・イールが刻々と削り喰われていく。
「で、次郎。あれをみてどう思う?」
「マジ、心友ごめんなさい」
次郎は、見事に土下座しながら、晩餐会の様子を見ていた。
「……さすがにアレは無理だな」
「あぁ、計り知れないからな」
「ケケケ、ありゃーアンフェアすぎるだろ。アレに対抗できるのって充希と佐江だけだろ」
「対抗できるというか逃げ切ることができるだけと二人は言っていたな」
「ぼたんちゃんに聞いたっスけど、アレは要はブラックホールみたいなモノらしいすよ」
そう話しているうちにギガント・イールだったものの残骸というにも無残なモノだけが残り、満足したのか調は仮面を外しあるいてきた。
「はぁ~スッキリしたぁ」
「心友、マジでごめんなさいッス」
「つぎやったら、ソッチ系の店に売り飛ばすだけで、許してやるから安心しろ。心友」
「ま、まだ怒ってるスよね?」
「ハハハ、ダレガ ユルスモノカ」
さらに深い階層にへと進む面々だが、道中の敵ももはや敵にならない。ちなみにドロップするのは、ウナギの開き、うなぎの肝、水の魔石とシンプルなものだが十階層以降はうなぎの開き(上)か特大うなぎの開き(並)のどちらかがドロップするようになるのであった。
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無貌の面…その正体に気が付いた人は……




