【六階層二区画】池田湖ダンジョン その1
【六階層二区画】 池田湖ダンジョン その1
池田湖――鹿児島県指宿市にある九州最大の湖であり、ほぼ円形のカルデラ湖である。かつては巨大生物が生息していると噂され、ネス湖のネッシーにあやかりイッシーと呼ばれていた。一説には、湖に生息するオオウナギの誤認という説などがあるが、その真相はわからずじまいである。
そんな池田湖ダンジョンは、ウナギがドロップするダンジョンとして有名である。というのも鹿児島県のウナギの水揚げ量は、日本一。その為か鹿児島県は、指宿市『池田湖ダンジョン』、志布志市『うなぎ駅ダンジョン』、薩摩川内市『川内川ダンジョン』の3か所は、ウナギが入手できるダンジョンとして現在は有名となっている。
そんな池田湖ダンジョンの7階層に、既に城一たちは到達していた。
「だぁぁぁ、鬱陶しい! くそっ、闘いずれぇぇえ」
「……調、落ち着け」
「そうっスよ。心友。水面歩行が乱れてるっスよ」
池田湖ダンジョンは、ところどころが、水に通路が沈んでいるダンジョンである。そして、この階層からは、フライング・サンダー・イールというモンスターで、空中にとんでおり、雷撃を飛ばしてくる非常にやっかいなモンスターである。
「ケケケ、まぁ、飛んでるなんて《アンフェア》だよな」
空中を蹴り、あっさりとフライング・サンダー・イールの首を切り落とす光太郎と
「我が道をふさぐなど、不敬だな。あぁぁん」
剣を自由自在に操り、切り倒していく城一を筆頭に快進撃は止まらない。5階層ボスのギガント・サンダー・イールもあっさりと背開きにしており、ここに来るまで半日もかかっていない。
「……【ショックボム】……」
源治が水に衝撃波を発生させるアーツを叩き込むと、潜んでいたエンタングル・イールという、細長く5mはあるウナギが飛び出してくるも、その頭にはきっちりと矢が突き刺さり、もはや戦闘というよりは漁業である。
「もう少ししたら休憩をとることを自分は提案するが」
「そうだな。休憩をとるとしよう。この手の特殊フィールドのダンジョンは、こまめな休息が大事だからな」
「ここって錬治がいたら、楽だっただろうな」
「ソウッスね。心友」
「自分もそう思うぞ」
足場の影響を受けない<ウォーロード>を使える錬治は、このような特殊な地形でも十二分に力を発揮できるので全員が、同意する。しかし、足場が悪くても理不尽な平等をしいる光太郎や、領域を支配する城一など、とんでもスキルのオンパレードの為、この階層レベルなら、全員が苦戦はしない。ただ、少しばかり面倒なだけというのが現状である。
そんなこんで、十分に休める場所を確保して、小休止をしていると…
「だ、誰かた、たすけて」
女性らしき叫び声と複数の足音が、城一たちへと近づいてくるのであった。
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