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【五階層十二区画】吹上浜ダンジョン その3

【五階層十二区画】吹上浜ダンジョン その3


 ジャイアント・サンド・ワームを倒して抜けた先に広がっていたのは砂の町だった。


「すごいですね。うん、凄く興味深いです」

「にしし、ぼたんちゃん的にはこういうの好きなの?」

「わたしは、好奇心強いですからね。けど、ダンジョンだけにここからは町の迷宮になっているという話ですよ」

「アハハ、迷宮楽しそうだね。僕としては退屈に縛られないのならなんでもいいかな」


 目の前の情景に関心していると


「チョリ☆チリョース☆」


 軽薄そうな男たちが楽しく会話しているぼたんたちに近づき声をかけてきた。


「HEY! 彼女たちどこからきたのぉ?」

「マジでカワイイね。いやマジマジ、マジぶっちぎりで美少女ジャンジャン」

「オレ的に、合格だよ。君たち。いやぁ、運がいいねぇオレのお眼鏡にかなうなんて」

「ふっ、この出会いは、まさにデスティニー。フルバーストしちゃうね」


 かなり面倒くさいというか、かなりチャラい。脳みその代わりに、ヘリウムガスが頭に入ってるんじゃないかなというくらいの軽さである。


「オレはレツ。イケテルナイスガイ♪」

「フッ、オレはゼン。人はオレを轟く雷鳴てよぶ」

「ハッ、俺様はエイジさまだ。オレ様に出会えたことを感謝しろ、そして俺様に声をかけてもらったことを一生の宝にするんだな」

「オレは、ジャスティス☆タ☆モ☆リ」

『おれたちデンジャラス()クアットロ()ナルシス()だぜ』


 スタスタ…


「ちょっと待って、ちょっと待ってお嬢さんたちどこ行くの」


 見なかったことにして歩き始めた。


「おいおい、オレ達を無視しなくてもいいだろ?」

「そうそう、レベル上げだろ? オレ達レベル19だぜ? すごくねぇ?」

「オレの右手が疼いてるぜ」

「だから☆オレ達とレベル上げするのが☆君たちのジャスティス☆」


 面倒ではあるが、付きまとわられるのも面倒なので足を止め全員で処理をすることにした。


「お断りします」


 ぼたんは、キッパリと断ったが、それで引き下がるはずもない。


「そうですわね。<テンプテーション>の魔法をかけてナンパするのような下劣な方は否定いたします」

「まぁ、僕たちには、効いてないけどね」

「そーそー、その時点で自分たちが格下と気付けし~」

「……頭わるそ…」

「姿勢がわるい、頭髪の乱れ、個性という勘違いだらけの取り合わせ最悪ですね」


 容赦も手加減もなく馬騰にたじろいでしまう。


「なっ…なめんじゃねぇぞ」

「そうだ! 容姿が悪いのは毒キノコだけだ」

「その通り、雑魚い小者で~♪ 小心者の小者のもり…~♪ キノコだけだぞ~♪」

「えっ…ちょっとまって、キノコてもしかして、このジャスティス☆タ☆モ☆リのこと!?」

「うるせー! そのジャスティがくそダサいんだよ。このベニテングダケが!」

「そうだ! このカエンダケ!」

「そのマッシュルームカットをカットするぞ~♪ このゾンビアリ菌♪」

「ひ、ひどくねぇ? 大体エイジなんていつも浮気してバレて振られるし、レツなんてサークルに行っても、『あれ? 新しい人?』て言われるし、ゼンはビビリがばれて振られてるくせに」

「「「あぁん、てめぇ、やんのかコラ」」」


 互いに、取っ組み合いの喧嘩を始めた。4人組を尻目にぼたんたちは、すたすたと奥へと進んでいった。


「ところでなんで、急に喧嘩始めたんだろ? 私たちのことも眼中になくなってたし」

「クス、岬さん、種明かししてあげてはいかがですか?」

「流石は、佐江さん気づかれてしまいましたか…私の《アテンション》で怒りを誘導したんですよ」

「そんなことできたの?」

「えぇ、盾役の人が良く使う《ヘイトコントロール》というスキルに近いですが私の《アテンション》は一時的な感情であれば自由に方向性を変えれますので…むろん恒久的にはできませんけどね」


 スキル《アテンション》は意識の方向性の操作の幅は広く、また応用もきくためかなり強力なスキルといえる。


 さてと、道中を襲ってくるのは『サンド・ソルジャー』と呼ばれる砂の兵士たちである。魔法生物系のモンスターの為にコアを破壊しないと、かなり厄介な敵ではあるが、弱点として水にぬれると簡単に倒せるということで、水系統の魔法が使える人にとっては美味しい敵なのである。なにせ、<クリエート・ウォーター>といった本来は、攻撃魔法ではない魔法でも、水にぬれると動きが、鈍り徐々に自壊していくので簡単に倒すことができるので、攻略法が、確立していることもあり吹上浜ダンジョンの6~9階層は狩場として割と人気があるのであった。


 そんな道中は、美穂が無双していた。美穂は、水系統の魔法との相性がよくスキル≪水魔法≫《水魔法強化》《水魔法制御》を習得しており、真理の断片を使用せずに独自で水系統の魔法を作成できるようになっていたが、それに対しては特に自身では評価していなかったが世間的に見れば非常に希有な天才ではあるがその事実に気が付くのはしばらく先のことであった。


 途中一泊の休憩を得て苦戦することもなく、十階層ボスエリアに到着する美穂たちであった。

評価や感想、ご意見など時間がありましたらどうかお願いいたします。


DQNのその後は……知らね! (このネタがやりたかっだけ)

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