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【五階層七区画】夏だ! プールだ!

今回は水着回です

【五階層七区画】夏だ! プールだ!


 時は流れて梅雨も明けた7月。


 本日はプールの授業であるが、一般クラスとも合同で行われる。それというのも、授業内容が、ダンジョン誕生前と大きく異なる教育現場に求められる内容となっており、加えて一級非限定探検者であった、大島左近が受け持つことにも起因する。通常は大島が一般クラスと関わることはないが本日のようなケースであれば一般クラスの生徒も授業を受けることができることと、特化クラスの面々が他クラスとの交流を持つことも、ユニークスキルホルダー育成計画の一端でもある事の運びとなった。


 ざわ……ざわ……


 そんなプールサイドが騒めき立つ。


「ふっ、我が視線を集めてしまっているな。我の肉体美が完璧すぎてすまないな」


 確かに城一の体は引き締まっており、筋肉のバランスがよく、身長も既に170cmを超えているのでモデルとしても映えるであろう。


「ケケケ、ワイはそこまで筋肉はねぇからなぁ。源治はか・な・り鍛えているよな」


「あぁ…鍛えているからな……」


 光太郎はひょろりと高く、クラスでも一番身長が高い。やや猫背気味であることと少しばかり強面なので近寄りがたい印象ではあるが、実は一般クラスからも人気が高い。対して源治はがっしりとしたマッチョという言葉がよく似合う体格ではあるがその見事な筋肉美に、一般クラス男子は全員が密かに「腹筋頑張ろう」と心に誓うのであった。


「はぁ~みんないいよな。なんでこう自信満々にいけるかねぇ…オレなんて微妙だよ? いや、それなりに自信はあったけどさぁ…あれはないよなぁ」


「まぁまぁ、オレッちという心友がいるんだから気にしないほうがいいッスよ。それに崇高っちもいるし」


「いや、あいつ確かに前からみると普通よりはあるかなぁ? くらいだけどよ。広背筋やばいぞ。なんかこう、うんマジヤバイ」


「自分は弓をやっていますからね。当然ですよ」


「崇高っちて自分のこと自分て呼ぶの隠さなくなったすね」


「城一や光太郎見てたら…隠す意味があるのかと……ちなみに、源治はたまに某とか拙者とかいうことがあるなと自分は思ったんだよ」


「それは、時代劇見た後とか、時代劇モノの小説読んだ後、そうなるぽいよ」


「あぁ、そうなんすね。そういえば錬治っちと時代劇とかの話で盛り上がってるスよね」


「渋いよな。けど、アクション映画も好きで話が盛り上がるぜ。半世紀くらい前の香港のアクション映画も好きていってたし」


「渋いな」


「渋いっすね」


 崇高、調、次郎は標準的な体型ともいえるが、ダンジョン誕生後は肥満などは激減したために10年ほど前の学生と体格を比べれば鍛えこまれた体といわれていただろう。


「あっ、けど、錬治てあんまりマッチョじゃないよな。身長もそこそこだし」


「まだ、成長期じゃないんだよ…わりと身長低いの気にしてんだぜ? 俺」


「なんなら、自分の《ライブラ》で計ろうか?」


「止めろ。それで伸びないとか言われたら流石に立ち直れなくなりそうだからな」


 錬治の場合は、必要以上に筋肉をつけていない。ただ、剣術に必要な純粋なまでの肉体造りに重きを置いているというのが本人の談である。


 しかし、ながらも特化クラスの面々が揃い踏み並ぶだけでもどこか威圧感が生まれるが、単純に絵になるともいえる面々である。がんばれ一般クラス男子。ちょっと相手がなんか異常なだけだから


 ちょっとした騒ぎも更なる驚きにより静かになった。


「全員注目して聞けよ。今日やるのは魔力制御の訓練法だ。体内にある魔力と呼ばれているもの…まぁ、場合によっては色々な呼び方があるが今回は魔力に統一するからな。こいつは魔法を使うときに消費されるが、意識してコントロールすると魔法と同じような効果を発揮する。もちろん魔法と全く同じということはないし、難易度も格段に上だが、しっかりとできると魔法をスムーズに発動できたりするし、身に着けると《魔力制御》というスキルが発現するし近接職なら《魔力撃》というスキルが使えるようになる」


 ()()に立ちながらそう説明する。


「この《水面歩行》もその応用みたいなものだな。《魔力撃》は凄く便利で切札になるスキルにもなるから身に着けて損はないぞ。なにせ注ぎ込む魔力が多いほど威力が上がるからな筋力に自信がないやつでも獣系のモンスターに抑え込まれたときとか役立つぞ。俺も何度も助けられたし」


 一般クラスの面々は頬を引くつかせるが、錬治たちは楽しそうに話を聞いている。


 さて、授業のほうだが…まず<ウォーロード>で普段から同じことをしている錬治はあっさりとなれた。それとほぼ同じくらいに次郎もできるようなり、それをみて悔しそうなにしながらも城一もできるようになると、崇高もコツを掴んで形にできたときに大島は膝から崩れ落ち「俺…これ身に着けるのに半年かかったのに…」とこぼしていた。ちなみに源治と光太郎は悪戦苦闘しており安定せず派手な水柱を何度もあげた。ちなみに調は、一般クラスに普通に溶け込み一緒になって練習してはいたが、一般クラスでは一人もできずにはいたが何人かは手ごたえを掴み、何となくお互いに名前を覚える程度の仲にはなれた調ではあった。


ご意見・ご感想があればお聞かせください。



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