【五階層六区画】著:J・Pレポート日本という国 日本の探索者編
【五階層六区画】著:J・Pレポート日本という国 日本の探索者編
ジャン・ポール・ロベールです。日本の探検者について思うのは、全員がブジュツの稽古を受けているという処だろう。
日本には多くの道場がある。この道場とジムを混同する人は少なくないが、ジムは練習場所として借りる場所であり個人でトレーナーを伴い練習をする場所に対して、道場は師匠が門下生を集めて、門下生は決まった時間に集まり修行をする場所だね。
そんな道場での修行だけど、まずは、道場の掃除から始めるそうだよ。日本人は綺麗好きていうのは、こういう所にも表れるんだね。アメリカのジムに取材に行ったときには、清掃員が週に3回程度清掃にくるだけていう所だって珍しくなかったのに。けど、この掃除もちゃんと修行になるんだって、掃除をすることで細かいところに埃がたまっていないかと注意力を鍛えたり、雑巾がけは四つん這いになりながら床を磨くんだけど、体験してみたらわかるけど、かなりきつかったよ。けど、そうすることで、板が割れてたりしないかとか道場のコンディションをチェックしたりもしているんだって、今度オフィスに帰ったらちょっと自分のデスクの片づけをしようとは思うよ。
さて、まず最初にするのは、ストレッチから始めるそうなんだよ。準備運動を怠るとケガをするからね。余談だけど、スモーレスラーの道場にもお邪魔して練習を見せてもらったけど、彼らは凄いよ。なんと体操選手やバレリーナのように関節が柔らかいんだよ。
次に受け身の稽古。これは投げ飛ばされたりしたときの為に首を痛めたりしないためや、落下のダメージを軽減する技術だそうだよ。実は、大型のモンスターの突進で吹き飛ばされて頭から落ちて死亡するというのは珍しくないそうなんだけどそういう時に役立つのかも。それが終わったら腕立て伏せや、腹筋と筋トレをしっかりしたら、今度は防御の技術から身に着けるんだって。見た目は凄く地味だけど、これがしっかりできないと、次の攻撃の練習に移れないそうなんだ。これは攻撃の練習の時にお互いに技をかけあうからしっかりと防げないと大けがをしてしまうからと教えてもらったよ。
私は最初、こう東洋の神秘の技を教えているのかとおもったけど、やっていることは凄く地味でがっかりしたけど、師匠の戦い方をみたら、凄いという感想しかでなかったね。特別なことを、やっているわけでもないのに、凄いと思わされてしまったんだ。悔しいけど、これはどう表見していいかわからないけど、凄くきれいなんだ。こう、自然な流れでまるでダンスの決まったステップを踏むようにそれが正しいと思える動きだったんだよ。
ヨーロッパには、こういう道場は少ないのが本当に悔しいね。日本の武術は、戦う技術だけど、ヨーロッパのは競技としての技術て感じかな? 確かに日本も近代スポーツとしての格闘技の技術もあるけど古い戦争のなかで使う技術もかなり残っているというのは凄いと思うよ。なにせダンジョンならその技術が重要だからね。文献や口伝はあるけど、日本みたいにちゃんと指導できる人が少ないというのは、大きな課題だと思う。
日本の探検者の戦闘技術もだけど、それ以外のことも充実していると感じたね。なにせ、探検者用の保存食が豊富だし、探検者も個人個人でミックススパイスを携帯してたりするんだ。それに、料理教室に通っている探検者も結構いたね。ボディビルダーみたいな男の人たちが調理しているさまは、ちょっとシュールだったよ。
日本は深度でアメリカに一歩負けているけど、その代わりに安定はしているのは、こういう所にもあるのかもしれないね。
次のレポートでは、日本の探検者の魔法の傾向と装備についてのレポートをお送りさせてもらうよ。
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