【一階層三区画】探検者カード授与式を終えてからの日常
日常パートとなります。
【一階層三区画】探検者カード授与式を終えてからの日常
さて、授与式を終えてから学校は大変だった…
主に先生方が、何せ迷宮大臣が直接くるわ、教育委員会やマスコミ対応と大変。ついで、生徒会面々は有名高からの勧誘と大忙しだ。
まぁ、ここら辺は、やはり一校に集中させるわけには、行かないとなりプロ野球のドラフト会議の何十倍とも言われる大会議が行われる。この会議はただですら長期間行われるのに今年は間違いなく大荒れである。指名されれば、様々な優遇措置を受けられるし断って別の学校からの指名も受けられる等恩恵ある大イベントだ。発表は夏休み開け、それが終われば指名されなかった一般人は受験に突入である。
ちなみに、有名進学塾などではダンジョン付きが当たり前の昨今。
優秀な《教導》スキルをもちをアピールするなどして生徒獲得に励んでいる。レベルが上がればステータスも上がり勉強効率もあがる。しかし、いくら頭が良くてもやはり勉強をしないことには、知識は身につかない。福沢諭吉先生も言っていた。たまに勘違いしている人いるがあの全文は要約すると「みんな平等というけれど貧富も体格も性別も健康もありとあらゆる差別があるけれど学問だけは自分で学ばないと身につかないぞ」という教えだ。
あと、スポーツ推薦。ダンジョンができたころは、まだいろいろと整備ができてなくアンチダンジョンのナチュラリストが「公平性をかく!」と騒いだが、その当時のスポーツ庁から「それも努力だ!」と報道され物議をかもしたが、世論はスポーツ庁支持が過半数以上だったそうだ。なので、現在は超人的な能力とアクロバティックな試合運びでショースポーツも人気だ。特に一時期低迷していたプロレスなどは過激なデスマッチもポーションなどの回復薬のおかけで気軽に興行している。
「よう、錬の字」
「なんだ…坂田か」
「なんだはないだろ?」
話しかけてきたのは坂田銀之助、古臭い名前の俺の悪友というか幼馴染。
「疲れてるな」
「まぁな、レベルアップのせいで体の感覚に違和感がそれで爺さんにしごかれた」
「なんだ、お前もか、俺もばあちゃんに薙刀でボコボコにされた」
俺も銀も祖父母が道場をしている。
二人とも隠居したが、孫は自分が教える。というので、その関係での幼馴染といえる。しかし、上級者からの直接の指導という意味では恵まれているとも言える。というのもダンジョンだと銃火器の類の効果が弱い。弓などはいいのだが銃は表層以外では効果がない。これは魔力と呼ばれるエネルギーの伝導率が悪いという研究がでているらしい、なんでも銃弾に魔力が伝わらないのが原因で魔力は精神エネルギーに関係するなどの考察の結果そういう結論になったらしい。なのでダンジョンは近接武器が好まれる弓も悪くないが、正直矢を大量に消費して乱戦になりやすいダンジョンでは不人気である。まれにある森や平原タイプのダンジョンでは重宝されている。
なので現在の日本では武術、それも古武術などの流派がこのまれてその手の道場は繁盛している。海外だとそういう道場が少ないために我流の探検者が7割を超えると言われている。
「後はスキルの検証もいろいろしてたからな」
ユニークスキル全般は謎が多い。
効果は探検者カードに表示されるが、それが全容とは限らない。隠し効果や制限などがあったりする。《チェンジリング》も俺以外の生き物を無機物とは場所を入れ替えられなかったり、そもそも対象に一度触れてないと入れ替えられなかったり、触れても24時間経過すると効果を発揮しない。握った程度に固定されても移動できない。対象の移動先に物があったりすると発動しない対象を目視などの認識ができないと移動できない。流動体は対象にできない(液体や気体は対象にできない)などの制限があった。可能なのは、俺自身が対象なら物とも場所を入れ替えられる。移動させた物体の運動エネルギーも一緒に移動する。これは上に投げたコインと机の上に置いたコインを入れ替えたときに机の上のコインも跳ねたことからわかった。制限なども多いがかなり便利な能力ではある。
「あぁ、俺もSRの《金剛力》だったから苦労したぜ。このスキル、単純に力と耐久あがるんだけど加減が難しくてうっかりドアノブ握りつぶしたり石畳踏み抜いたり、道場の床踏み抜いたりして最後にはきれたばあちゃんに薙刀でぼっこぼっこ…しかも鉄芯いりので、それじゃないとこのスキルで効果がないとか…がんばってたおかげで《手加減》のスキルが生えたけどな」
「あんまスキルに頼るなよ」
「おう、それよりも武器とか防具どうするよ?」
武器関連に対しては、補助金が出ることになっている。探検者協会が具体的には最大で9割を負担してくれる。むろんあまり高価なものだと申請が下りないが…
「野太刀は爺さんの知り合いの鍛冶師の新弟子さんを紹介してもらって、鎧は田上さんとこの工房でレザーコート仕立ての防具かな。銀は?」
モンスターの革を使用した防具は比較的安価でありながらも三級でなら十分に役目を果たすのでわりと人気が高い防具てある。
「俺は長巻だけど。まぁ似た感じ。鎧はやはり田上さんとこだな家は流派的に日本甲冑造りが一番しっくりくるし…モンスターの革でも作ってくれるところていったらここらへんじゃ田上さんとこだけだしな」
「ガキの頃に見せてもらったやつでも一千万だったな。まぁ、あれクラスのが作れるくらいにはなりたいけどな」
俺個人としては軽めの防具がイイしまぁ、男二人コレからの装備について話していればやはりというか何人か話に加わってくる。ある奴は有名メーカーで揃えたいとか、有名探検者のモデルが欲しい等や俺や銀には武器選びのコツ等も聞いてくる。後は通える道場についても訪ねられる。
そこから話は膨らみ欲しい魔法の話などとエスカレートしていく。
他愛なく、くそ下らない会話の日常から中学最後のは年は本格的に始まった。
1000万円で販売されている甲冑は実在します。
アナコンダの革で作らたものとの事…なんで作ったんだろう…
普通(?〉の甲冑なら30万くらいで売っているそうです