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【三階層一区画】春の遠足

何とかストックができたので2月は毎週日・水曜日の12時に投稿をいたします。


今回はダンジョンへの準備回

【三階層一区画】春の遠足


 入学より2週間。鹿児島の春は短く、桜もちり、新緑が生い茂る時期になっていた。


「というわけで、今週末3日間は遠足になるから準備をわすれるな」


 月曜の朝一番のホームルームにて大島よりそう告げられる。


「場所は近くの藺牟田(いむた)池ダンジョン。というか、お前らがこの高校に集められたのも二級ダンジョンに近いてのがあるから、知っているとは、おもうが一応説明するぞ」


 藺牟田池は、鹿児島県に存在するカルデラ湖であり、温暖な地域に泥炭が存在する希有な事例として天然記念物にも指定されている。また、絶滅危惧種のベッコウトンボの生息地ともされている。


「というわけで、とりあえずトンボを見つけても捕まえるなよ。それで、ダンジョン内に遭遇するモンスターは虫系と植物系、ダンジョンもオープンフィールドタイプの森林ダンジョンとなっている。アンチドートポーションとかは忘れるなよ。まぁ現地でも売ってるが…あとはレジストポイズンタブレットこいつの服用もな。それで班分けだが…」


 バランスを考慮した結果は

 

 第一班(4名)

 班長 新藤城一

 補佐 志藤岬

 前衛 藤堂光太郎

 後衛 小鳥遊充希  


 第二班(5名)

 班長 新田崇高

 補佐 琴吹佐江

 前衛 諏訪一芽

 前衛 秋葉美穂

 前衛 如月源治


 第三班(5名)

 班長 渡瀬ぼたん

 補佐 赤城次郎 

 前衛 矢車調

 前衛 尾張錬治

 後衛 六角美千代


 となった。


「とりあえず、お前らで話し合って事前準備しろ。わからないことは後で答えてやるから」


 そういって話し合いが始まった


「さてと、では学級委員長である我が司会をしよう。まず、必要な確認だが我々が目指すのは15階層ボスを目指したいと思う。渡瀬15階までについて説明を頼む」


「はい、藺牟田池ダンジョンは28階層までのダンジョンとなっています。5階層ボスはアイアンピルバグ。鋼鉄の2mほどの大きさのあるダンゴムシ。10階層は、マダーマンティス。大きなカマキリですね。そして、15階層はダブルヘッドセンチピード。二つの頭をもっている大ムカデになります。これは探索者協会のホームページで確認できますけど一応、資料としてまとめてあります」


「こちらがその資料です。雑魚として登場するモンスターの傾向はかなり特殊で攻撃に特化した個体や特殊攻撃主体のモンスターなどが多いようです。反面、魔法を使用するモンスターは皆無だそうです」


そういい岬が全員に資料を配布する。


「うむ、二人ともありがとう。では、次に装備についてだが尾張報告を頼めるか」


「応よ。砥ぎ師に予約はとってある。腕は間違いないが、数があるから水曜日までには預けて欲しいとのことだ。場所は、加治木研ぎ店と寮からも遠くないが火曜日の放課後にもっていこうと思っている」


 特化クラスの異常性ともいえるのか、こういった話し合いが異常にスムーズなのである。もちろん既に遠足については、聞いてはいるがそれでも準備に滞ることはない。班分けは、されていても役割分担をきめると今度は、その役割についたもの同士で情報共有をするという柔軟性にとんだ連携をみせる。


 それというのも新藤城一の采配能力にある。俺様気質の自信家ではあるが、能力がともなわないどころか、事、人を使うという点でいえば同世代よりも頭の一つ二つ抜けている。他人を誘導し導く、生まれながらにしての支配者の資質こそが新藤城一の真骨頂なのである。


「調達班の赤城っす。今回の調理用具には、ホットサンドメーカーを入れておいたっす。こいつはすげぇ便利で簡易オーブン的な使い方もできるし張り付かないタイプのものだからお手入れも簡単の優れものなんで使ってください」


「同じく調達班の六角です。まとめ買いしたのを小分けしたので各班長は確認をお願いします。あとまとめ買いしたので予算は2割抑えられました」


 下調べに資材調達と恐ろしいほど順調にこなしていく様に若干引き気味な大島である。なにせまるでベテランの探検者クラウンのようなありようだったのだから。

ご意見・ご感想があればお聞かせください。


簡単なダンジョンの設定基準ですが…


一級ダンジョン…日本全国で有名な観光地


二級ダンジョン…その地域の人が大体知っているような観光地。心霊スポットや廃墟


三級ダンジョン…すごく狭い地域にある噂話になる場所や古い建物


特級ダンジョン…????


としております。なので錬治たちがこれから挑むことになるダンジョンはローカル観光地などを参考にしていきます。

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