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【二階層十区画】模擬戦を終えて…

毎週水曜日の12時更新ががんばってまいります。


【二階層十区画】模擬戦を終えて…


 寮の談話室にて14人全員がぐったりとしていた。


「一級探検者の実力てすごかったね…」


 ぼたんの一言に全員が模擬戦後に行われた大島との戦いを思い返す。


 事の起こりは大島からの提案だった。内容は『全員対本気の大島』との戦い。


 全員が快諾した。

 

 思惑は、それぞれだったが、一級探検者相手でも勝てるつもりで全員が挑んだ。ユニークスキルを得てからの負け知らずの自信はそれは傲りだったと今ならわかるが少なくとも負けを考えるものは一人もいなかった。


「俺っちなにもできなずに吹っ飛ばされたっす」


「私も解析する間も召喚準備の時間がなかったな」


 何となくの反省会が始まる。


「うーん、僕も法則の無効化が、うまくできなかったんだよね」


「私も防御と攻撃の切り替えができなかったな」


 ユニークスキルといっても欠点がないわけではない。


 次郎の《デッドコピー》は、何でもできるが特化した能力がなく、純粋な能力勝負に持ち込まれると汎用スキルに過ぎない。


 ぼたんの【サモン・ドッペル・サーバント】は探検者のスキルを構築するのに、時間がかかってしまう。


 充希の《アンチェイン》は瞬間的な無効化は可能だが、実は断続的な現象には非常に相性が悪く。大きく燃費を削られる。


 美千代の《ボックス》もあくまでも箱を操り構築する為に、どうしても攻守の切り替えに時間差が生まれてしまう。


「……純粋な技術の面でも負けていたとオレは思う…」


「あぁ~確かにそうだよね」


「……すごく闘い難かった……」


 接近戦を挑んだ源治、一芽、美穂は思い返す。接近戦に持ち込んだにも関わらず『人形師』という後衛クラス相手に接近戦で後れをとったというのが現実である。


「やはりレベル差というのは否定できませんね。わたくし達の平均レベルは15前後ですが」


「自分が計ったところ大島先生のレベルは43だったな」


「それだけでなくこちらへの対抗策も的確でしたね」


「まぁ、模擬戦で手の内出し過ぎたから。ある意味オレ達全員いいように操られていたのかな」


 崇高と佐江は数字化しながら客観的に分析していく。


 岬は自身の《アテンション》について思考する。なにせ《アテンション》は相手の意識を別のなにかに向けるというものであり、それだけ聞けば強そうと思える。ただし、あくまでも意識を他に向けるだけなので、無差別の広域攻撃だと回避が困難なのである。


 また、調の《マスカレイド》の最大の利点は仮面の付け替えによる戦闘パターンの変更だが、逆にいえば仮面を付け替えられなければその真価を発揮できないという欠点でもある。


「くくくく、まさかアレほどとは」


「だな。しかし、あれくらい強くても一級ダンジョンの31階は攻略できないんだよな」


「ふっ、それでこそ我の偉業が輝くというものだ」


 光太郎、錬治、城一は負けはしたが楽しそうに話していた。


「あの~参考までに教えて欲しいんですけど…あの時三人とも何したんですか?」


「ふむ、我は領域内の律を決めれるからな。バフとデバフを操作して光太郎は防御の強化、錬治には攻撃の強化、先生には防御の弱体化を同時に行ったまでだ」


「ケケケ、俺はアーツ【立往生】で攻撃を全部受け止めたのよ。不利な状況で動けない代わりにどんな攻撃も受け止められる。まぁ死ぬほど痛いけどな」


「で、先生の『とっておき』の人形の腕を斬ったのは純粋な技術だな」


「それは否定しませんけど…よく腕を斬ろうなんておもいましたね」


 この三名を除く全員が「とりあえずこいつらいろいろとおかしい」と、いう認識で一致した。だが、一つの敗北は全員の仲を深めるのには、大きな意味を持つことになった。


 もっとも、この場にいる十四人はユニークスキルがなくとも全員が異常性をもつ希有な十四人互いに共感するには十分な要素はすでにある。


 とりあえず全員がワイワイとこれからの話をする若人たちだった。

 


 ――修蓮館高校職員室


 大島右近は今日の模擬戦を振り返りいろいろとレポートを纏めていた。


「まさか…俺の『センジュ』の腕を一つとはいえ切り落とされるとはな…」


 レポートの手が止まる


「はぁ…修理代経費で落ちるのかな…落ちなかったらどうするんだよ…かっこつけて使うんじゃなかった…」


 本気で落ち込んでいた。ちなみに、修理費用は軽く計算したら中古で普通車が買えるくらいの金額である。


「大島先生、お仕事はいかがですか?」


「菊池先生どうも」


 話しかけてきたのは菊池麻美。年は二十五歳と教師一年目のまだ新米の教師ではある。


「特化クラスはいかがですか?」


「ははは、見ますか? 一応、他の先生にも意見をききたいと思っていましたので」


 録画しておいた模擬戦の一部をみせる。


「あの…この子たちってついこないだまで中学生だったんですよね?」


「えぇ間違いないんですけど…どうかされましたか?」


「いえ、一般クラスの子たちとも交流戦でもと思ったんですけど…」


「止めたほうがいいですね。下手に戦ったら心折られます」


「あぁそうですね……すみません」


「そうだ。いろいろと相談したいのですが」


「えぇいいですよ」


 なんとか同僚に相談しつつこれからの方針を考える大島だった。

ご意見・ご感想があればお聞かせください。


週二回更新くらいにできたらと思いますが…

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