【二階層四区画】入寮
本日から1月3日まで12時に連日投稿を行います
【二階層四区画】入寮
精神に多大なダメージを受けた大島は何とか職務を全うし最後に寮まで案内をしてきた。
一級探検者・大島右近。34歳(独身)責任感と職務に対しては忠実な男である。
案内された場所は小さめの小綺麗なホテルのような場所であった。
「わぁ、意外と豪華だね」
出迎えてくれたのは初老の女性。
「いらっしゃい。みなさん。私が寮母の牧場静香です」
優雅に頭をさげる。
「この寮には、私の他にも数名のスタッフがおります。寮での食事は平日は朝と夜。昼食用にお弁当が用意されます。土日祝日は朝と夜のみとなります」
案内されながら周りを見回す一同。
「一階はエントランスとロビーとなっており奥が浴場となっています。建物は西館が男性と東館に女性とに分かれてます。一人一部屋で各自の部屋の間取りは同じです。カギは探索者証明書がカギとなります」
そう説明され各自部屋で夕食までの時間を過ごすことになった。
「すごいな。結構いいホテルみたいだ…説明によれば完全防音に小さいけどキッチンの設備はしっかりとある。浴槽はないけどシャワールームもありか」
広さとしては、十分すぎるほどに広いなにせ十畳はあるリビングとは別に6畳の寝室まである。
ちなみに寝室に用意された机には教科書などの一式が用意されていた。まさに至れり尽くせりそれが特級スキル持ちのみを集めた特化クラスへの待遇である。
とりあえず素振りを始める錬治であった。
食堂にて―
夕食時、本日のメニューは豚の軟骨の煮物。圧力なべで、じっくり煮込まれ骨がトロリと溶けて口の中でほどける。また同じように煮込まれた大根も煮崩れせずに味がよく染みて美味い。普通の家庭料理ではあるが仕事ぶりに手抜かりはない。
「おぉ、美味いなやぐっち」
「だな。骨とか思ったけどめちゃくちゃ柔らかいな」
何となく馬が合うのか調と次郎は仲良く食事している。
「もぐもぐもぐ」
「美穂っちすごくに気に入ったんやね…」
一心不乱に食を進める秋葉美穂はその小柄な体とは思えない速度で食べ続けている。
食事のレベルは高いようだ
大浴場―
「ほう、なかなか見事だな」
「よう、大将も風呂かい?」
大浴場にやってきて隠すことなく仁王立ちする新藤城一。
それを出迎え湯船で手足を伸ばしてのんびりとする藤堂光太郎。
「我よりも先客がいるとはな」
「くっくっくっ、なにせここは温泉らしいからな。ワイは温泉大好きなんだよ」
「なるほど。奇遇だな。我も温泉は好きだぞ」
体を流して湯船につかる。
「で、大将どうだったよ?」
「面白い奴ばかりではあるな。友人というのを初めてもてそうな気がする」
「へー、大将ってもしかしてボッチ?」
「ふむ、そうかもな。対等という形での友人などは、いなかったな。我はそれなりに優秀だからな皆から頼られることはあるが友人とは少し違うな」
「だろうな、強い奴てのは怖がられるかおこぼれにあずかろうとされるかまぁそんなとこだし」
「なるほどな。まぁ、少なくとも矢車調、赤城次郎、如月源治そして尾張錬治あいつらは強いな」
「確かに確かに…楽しみだ。本当に楽しみだ」
「ところで岬が調べたのだが…鹿児島県には銭湯というものがないらしい」
「そうなのか?」
「あぁ、なんでも公衆浴場はあるが全て温泉だそうだ」
「そいつも楽しみだな。模擬戦も楽しみだけど」
俺様気質ではあるが何となく気が合う二人であった。
ご意見・ご感想があればお聞かせください。
豚軟骨の煮物は結構簡単に作れます。作り方は
1.豚軟骨を両面をフライパンで焼く
2.焼きいろが付いたら水にさらして脂を抜く
3.圧力なべで浸るくらいの水で1時間ほど煮込む
4.大根は皮をむき厚切りにして軽く茹でて粗熱をとる、ゆで卵をつくる。
5.圧力なべにゆで卵と大根を入れてショウガ・醤油・みりん・酒・砂糖で味を調える(味見をして薄味くらいがいいかも)好みで味噌を加えても美味しいです(その時は醤油を少なめに)
6.30分ほど煮込んで完成。トッピングで針ショウガや白髪ねぎを上に添えると豪華になります。




