【二十一階層八区画】知略の戦い! ぼたんと崇高の戦い
ぼたんと崇高が突入したのは無数の本が並ぶ大大大図書館。高層ビルのような本棚が並んでいた。
「ようこそ。人間。しかし礼儀を知らないのかね?」
「どうも初めまして。では死んでくださいであります」
崇高は問答無用と矢を放つ。
「おっと、自己紹介くらいはさせてくれたまえよ『知識』のサヴァドリアだ」
ゆったりめの黒いローブを身に纏った中性的な神はそう名乗りながら飛んできた矢を本の中へと吸い込んでみせた。
「返すよ」
本から今度は先ほど吸い込まれた矢が打ち返された。だが、崇高は冷静に、その矢に矢を放ち軌道をそらした。
「やるじゃないか。これはどうだろう? 【火炎甲虫】」
サヴァドリアが本を開くと、その本から飛び出した炎に包まれたカブト虫が5匹迫る。
「陣法【大海溝】」
空間に文字を刻むと、海水の壁を作り出すと飛び込んだ炎のカブト虫が圧死した。
「やるじゃないか。では、これならどうかな【百鬼夜行】」
夥しい異形の化け物が本から飛び出してくる。
「【軍団召喚・ナポレオン】横一列!」
大砲を構えた兵団が現れると化け物の群れに砲撃を開始する。
「随分、荒い攻撃をする」
「さっきから隙だらけでありますよ」
崇高が矢を放つ。それを払い落とすサヴァドリア。
「助けに行かなくていいのか? あの少女では百鬼夜行は倒せまい」
「何言ってるでありますか? ぼたん殿全力はまだまだこれからでありますよ?」
サヴァドリアの視線をぼたんに向けると信じられない光景が広がっていた。
「【疑神・オロチ】召喚」
ホワイトブックから飛び出したのは、見たこともない水のように青い大蛇が軽く体を動かすだけで、魔物を蹴散らしている。
「な、なんだアレは?」
「八岐大蛇の分体でありますな。サンプルがあればデータとして収集して再現できるといってたでありますし、あれは切り札でありますよ」
動揺した一瞬、その一瞬があれば崇高に十分。正射された矢はサヴァドリアの右目を射ぬく。一度の崩れればあとは詰将棋。正確無比の射撃はサヴァドリアの急所を的確に射抜き破壊する。
「向こうも終わりそうでありますし、自分も決めさせていただくであります【アヌビス】」
崇高が放った矢が黒い腕に代わるとサヴァドリアを掴み虚空へと消えていく
「なんだこれは!?」
気が付けば、金色の秤に載せられ、反対側には白い羽が一枚おかれていた。
「ま、まさか」
見上げると黒い狼の金色の目が見つめていた。
「ば、馬鹿なたかが人間の子供が……この方を召喚したというのか!?」
『判決を下す……』
その一言でサヴァドリアの秤が下がり始める。
「お、おまちください。どうかご慈悲を」
その言葉は黒狼は動じない。
『有罪……刑執行』
金色の目が輝きサヴァドリアを照らすと、影が浮かび上がり大口を開けた鰐が丸のみにし、その場には何一つ残らずに消えるのであった。
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