【二十一階層七区画】巨人の戦い! 源治と美千代の戦い
二体の巨人が向き合い拳を構えていた。一体は、源治と美千代が操る鋼の巨人ドラガルド。もう一体は……
『まさか、人が、巨人を操るとはこれも運命なのか? この基礎のスティヒフと同じような能力とは……運命を感じるよ』
スティヒフの巨人は上半身が甲冑をまとった騎士であり下半身は馬。まるでケンタウロスのような姿をしており大盾とランスを装備している。
『だが、武装なしでどうやって戦う? そこまでが人の限界だろう』
距離をとると空を翔け高速で突進してくるスティヒフ。
だが、源治は慌てない。
「……美千代頼めるか?」
「まかしとき! 【キューブマイン】」
美千代が作り出した、小さな箱にスティヒフは意に介さず突撃するが、触れた瞬間に爆発を起こす。
『ふっ、この程度!』
更に加速し一直線にドラガルドへと突進をする。だが、源治は狙いすましたかのように拳を構えると。
「【ドリル・ロケット・ブロークンパンチ】」
射出された回転する拳が迫り、スティヒフは度肝を抜かれる。
まさか拳を射出するなど予想しておらず咄嗟に大盾で受け止めたが、突進は止められる。
『まさか、こんな手で来るとは!』
跳ね除けんと盾を持つ方に力を集中するために動きが少し止まる。そのタイミングこそ源治が狙っていたタイミングである。
「【メテオ・ハンマーショット】」
追撃と真上に素早く移動したドラガルドが巨大化させた左拳を射出する。無防備な上からの攻撃にスティヒフは、反応できずに直撃して、ランスと盾を手放し地面へと叩きつけられる。
『オノレ!』
地面に埋まった体を起こして上を見上げると
「いくでぇ【キューブメテオ・シャワーレイン】」
キューブが流星となってスティヒフを打ち付ける。
「ガハッ……だがこんなものでぇぇぇ」
「【ミサイル・シャワー】」
ダメ押しと源治はミサイルの雨を降らすが、スティヒフにとっては怒りを滾らせる材料にしかならない。
「ふッざけるなぁぁぁぁ」
「ふざけてなどいない……【ガトリング・パイルバンカー】」
極太の杭を連続で打ち込み続ける。
「ぐがぁ……だが、こんなことで!」
「……終わるとは思っていない【ヘパイストス】」
それは、巨大なハンマーだった。周囲の物質全てを、取り込み容赦なく全てを叩き潰すという目的のために作り出されたシンプルでありながらゼ隊的な力の顕現化。それが源治のスキルであり、そのハンマーの素材になったのはスティヒフの落とした盾であり、ランスを釘でも打ち込むかのようにスティヒフの巨人に何度も何度も叩きつけ。やがて巨人が砕け中のスティヒフは自らのランスにくし刺しにされ姿を現すのであった。
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