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【二十一階層四区画】ヴァルキリーガーデンの戦い

 二階堂鈴蘭率いる、ヴァルキリーガーデンが突入した宮は、湖に蓮の葉が浮かぶ、その場にいたのは、幼さがありながらもどこから大人のような妖艶さをもつ少女だった。


「愚かとは思いましたが、礼儀知らずもいいところですね。私の部屋に土足で踏み入るなんて……ここはお兄様とわたくしの聖域。何人も立ち入ることを許されない場所なのに……いいでしょう。この『王冠』のヘイナーが神罰を与えましょう」


 そういって、自身の身長よりも細長い棍を取り出すと、振るうたびに不気味な音を奏で始める。


「でませぇ。『ロータスドラゴン』」


 その声に反応するかのように蓮の花が閉じると細長いドラゴンへと変わると、真白へと向かうと大きく口を開くと、


「ンゴ!?」


 パクリと飲み込まれた。


「真白さん!?」

「まず一人」


 そこまで口にして、ポトりとヘイナーの頭が落ちた。


「えっ? 何が」


 そうして、周りをみると無数のナイフが刺さると、ダメ押しといわんばかりに腹部に衝撃をうけた。


「……この程度では死なないか……」

「くっ……なんなのよ! ロータスドラゴン、私を喰らいなさい!」


 首だけで叫ぶとヘイナーの首と体を丸のみにする。


「自らを食べさせた?」

「なるほど、そうきますか、では、こちらも【バンプードラゴン・蓬莱】」


 輝美が作り出したのは竹の龍。その頭に乗ると腕組をして見つめる。やがてロータスドラゴンの頭部にヘイナーの上半身が浮き上がり奇しくも似たような形になる。


「なめるんじゃないわよ!」


 ロータスドラゴンが突進をバンプードラゴンは絡め取るように巻き付く。


「たかが人間の」

「あなたは……人間を舐めすぎ……」


 脳天に深々とクナイが突き刺さる。


「また……おまえはなんなのだ。神識で認識できないなどありえるはずが……」


 目を凝らし幸の正体を見つめようとするが白い霧のヴェールに包まれその姿を見ることもできないし、意識を少しでも話した瞬間に記憶すらからも霞のように消えてしまう。


「私のスキルは……【穏神・メジェド】」

「なっ……んですって……その名は……」


 メジェド。その名は白いベールを身に纏った、死者の眠りを妨げるものを、その眼で捉え打倒す者としてエジプト神話に登場する神の名。


「……そろそろかな……」

「なにを…うぐっ……」


 激しい嘔吐感に見舞われると


「ンゴッ!」


 という大きな掛け声と共にロータスドラゴンの頭部が吹き飛び、その姿を現す。


「お前は、ぐっ…おげぇ」

「体液でベトベトするンゴ」


 食われたと思った真白が、飛び出してきた。


「これで全力が出せます」


 その声に反応するかのようにバンプードラゴン・蓬莱は締め付けると同時に、全身から竹槍をはやし、突き刺すと、ロータスドラゴンから青い血が噴き出す。


「ぐぎゃぁぁぁぁ……」

「【セイクリッド・セイバー・クラッシュ】」


 鈴蘭が剣をロータスドラゴンに突き立てると爆発し、そのダメージはヘイナーへと共有され、首を抑える。


「おのれ……」

「【百列猛牛拳】ンゴ」


 怒り狂うヘイナーの頭部を真白が殴り続ける。そして、気が付けば、全身の関節にナイフが突き刺る。さらに真白に殴られたところは爆ぜるが再生するのも顔がみるみると爛れ、美しかった顔は歪んだ造形になっていく。


「【セイクリッド・グランド・クロス・オーバーレインボー】」

「【竹籠・鋼鉄処女】」


 鈴蘭の放った七つの斬撃が重なり合いロータスドラゴンを斬り刻み、輝美はさらに拘束を強くしていく。


「そろそろ決めるンゴ」

「いいですわよ」

「えぇ、構いません」

「了承……」

「やめろ……なぜ……人間ごときが……こんなことに……」


 全員が決め技の構えをとる。


「【猛牛金牛破】」


 金色に輝く猛牛が真白から放たれ、


「【ヴァリキリー・ロンド】」


 鈴蘭から金色の戦乙女が七体現れると光の刃でロータスドラゴンを切り裂き


「【必滅の一撃】」


 幸がクナイでヘイナーの心臓を突き刺しに、何かで首を切り落とす。


「これにてお終いです【竹棺・昇竹】」


 トドメといわんばかりに、バンプードラゴンを更に巨大化させロータスドラゴンもヘイナーも締め付けながら包み込み、そのまま天高く伸び、そして、天井を突き破るのであった。

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