【二十一階層一区画】突入! フィーセロト城
アマテラによって託された金の天船は、巨大な飛行船となるアイテムだった。それがわかったのは、ぼたんの《ホワイトブック》に取扱説明書としてデータが転送されてきたことで判明した。
それに伴い、イレギュラーズを中心に準備を進めた。
といっても、食糧関係は美千代が。メンバー選考は、城一、錬治、光太郎の三人が担当した結果。
イレギュラーズ 14人
ヴァルキリーガーデン 4人
勇者チーム 5人
あっさりと決定し敵拠点へと向かう為に、天船に乗り込み出発し邪神たちの居城へと向かったのはほんの数時間前の出来事。
天船は時空を飛び越え、次元のはざまを悠々と航行する中、蝙蝠のような翼をもち浅黒く体毛のない不気味な邪神たちの先兵に襲撃されていた。その数は万をゆうに超えている。
「ケケケケ。熱烈歓迎てやつだなこりゃ」
「そうだなぁ」
そういいながら錬治の手には化けもの首が二つ握られていた。
「いやいや、なにあっさり狩ってるんスか!?」
「錬治だからしかたがない」
「うん、錬治ッチだしー」
「……錬治だもの」
「それで片付けていいんすかね?」
そんな話をする錬治の仲間たち。そういいながら襲い掛かってきていた化け物を次々に雑談しながら屠っている。
「幸さん、あなたの幼馴染て化け物かなにか?」
二階堂鈴蘭の問いに対して大隅幸はといえば……
「カッコイイ……」
「あっ、目がハートになってますわね」
鈴蘭はあきれながら周囲に寄ってきた化け物を切り払う。
「なってない……」
そういいつつ投げたクナイが鈴蘭の背後に迫った化け物の眉間に突き刺さる。
「助かりましたわ。ところで真白さんと輝美さんは?」
「あっち……」
そういって指さした先では……
「爆ぜなさい」
輝美は化け物の体内で竹を育成し、中から貫き、さらにその竹を利用し高く飛翔しながら、まるでモズの早贄のように化け物の墓標を量産していく。
「ンゴ! ンゴ! ンゴ!」
別の場所では真白が殴り飛ばされた化け物たちは、皮膚が爛れ腐れ落ちる。
「大丈夫そうですわね」
一方、勇者チームこと、小田勇雄、羽柴真誠、三河聖、榊原舞そして、坂田銀之助の方といえば。
「せりゃせりゃせりゃ」
少しかわいらしい発音ではあるが、聖の拳が当たるたびに閃光が炸裂し化け物たちを斬り刻んでいく。
「マルチロック完了。救急如律令【式紙貫殺ミサイル】」
紙札をばら撒くと、杭の形に変わり化け物たちに錐揉みしながら飛来し貫通していく。
「銀之助くんいくよ」
「応」
「【呑楼天崩】」
勇雄が頭上でハルバードを回転させると魔物が吸い寄せられる。
「【炎刃天火・霧島連斬・高千鉾】」
吸い寄せられた魔物を、爆炎で一気に消し炭にする。
「いっちょ上がりと、勇雄もう一発いけるか?」
「余裕だよ。それにしても錬治君は派手にやってるね」
「まるで雷だなアレは」
空を見上げると青色に軌跡を描かれると、その軌跡にふれた化け物たちが血煙へとなり果てる。
「いいねぇ。いいぞ! 盛り上がってきた! 【刃雷剛閃・四式】刀雷」
納刀の際に衝撃波に雷を乗せる刀雷そして更にもう一歩を錬治は踏み出す。
「【刃雷剛閃・終の四番】除刃」
雷が108の刃に代わると一瞬きの間に500ほどの化け物の首が消し飛んだ。
「よし、体もなれてきて反動を感じなくなってきたな」
雲霞の如く迫る万の化け物の、錬治たちにとってはもはや敵にすらならないのであった。
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