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【二十階層十二区画】美穂の本気

 美穂と一芽に襲われたサディスは中庭へと落とされていた。


『少し衣服が汚れてしまった。下等生物のくせに許されないな』


 サディスが手をかざすと、黒い霧が漂い、霧に手を差し込むと、その手には骨でできた大鎌が握られいた。


『狂骨・鳴冥という神器だこれで相手をしてやろう』


 クルクルと回しながら構える。


「じゃー始める……えっ美穂ッチ」


 一芽が前に出ようとした瞬間に、美穂が杖を前にだして止める。


「わたしがやる……一芽ちゃんは下がってて」

『舐められたモノだな。一人で相手をするとは』

「レミールちゃんを悲しませた罪は、おねえちゃんのわたしが償わせる」

「げっ……美穂ッチが流暢にしゃべってる……ヤバイしー」


 美穂の手には既に赤黒い大鎌が握られており、そして爆発音と共にその姿は掻き消え。


 ガキーン


 と硬いものがぶつかり合う音が響く。


 緩急おりまぜた連撃。それは舞いの如く縦横無尽に繰り出される美穂の斬撃を鎌を振り回し防戦に徹するサディスには余裕がある。


『そろそろいいだろう。人と神の差を味わうがいい』


 後方に飛んで距離をとると大きく鎌を振り回すと周囲に大量の魔法陣が展開される。


『魔法の同時展開。神の演算能力が可能にする神業をくらうがいい』


 360°全方位からの魔法攻撃。並のものならこれでお終いだろう。並ならば……


「想定内。対処は……可能なんだよ! 【血欠片ノ刃】」


 そもそも、美穂の大鎌は美穂の作り出した血の刃。ぶつかり合った時に砕けてもすぐに修復する為に気づきにくいが周囲にはその破片が散乱しており、それらも美穂の支配下にある。当然、それらも操る事は可能であり、正確に魔法陣を破壊していく。


『バカな!』

「それが切り札とか、笑わせる。そんなのぼたんも佐江もやってのけるんだよ!」


 そういって胸倉を掴むと投げ飛ばし地面に叩きつける。叩きつける。叩きつける。鈍い音と肉が軋む音がするが構わず何度も何度も何度も叩きつける。


『この!』


 がむしゃらに大鎌を振りまして何とか距離をとるも、こんどは槍が飛んできて壁へと縫い付けられる。


「まだまだいくぜ」


 滅多打ち。壁ごと打ち砕くかのような連撃で神の肉体といってもたまったものではない。


『ガハッ……』


 霊血を吐きながら口を開いた瞬間に大量の水を送り込む。


「爆ぜな」


 サディスの体が大量の水とともに四散する。だが、その体は見えない力で一塊になると再び人の形へと変わる。


「はぁはぁ……侮り過ぎたか……まさかここまで神力を消耗させられるとは……」

「あなたたちは確かに人よりも身体的や魔法は優れている……けど、戦闘技術や戦術という点では劣っている」

「貴様……神を愚弄するとは……」

「だってそれは弱い人間が強者に立ち向かうために編み出したものだなもの、最初から強さが決まっている神さまに負けるわけないじゃない。そして、貴方はもう積んでる。わたしのスキルは《ブラッド》。【血呪・爆ゼ狂エ断罪ノ血刃】」


 サディスの体の血管が爆ぜ赤黒い刃が斬り刻んでいく。再生と破壊を繰り返す。


「神様でも人の呪いは効くんだね」

「はぁ……こんかいあーし出番はなして酷くない?」


 美穂の圧勝にてサディスとの決着はつくのであった。


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