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【二十階層十区画】一問一答

「この際、いろいろと質問に答えましょう」


 アマテラが手をパンと叩くと椅子と茶菓子が現す。


「さぁ、腰を落ち着けて話しましょうか?」


 こうして、質問が開始された。


「あの、なんでゲームみたいなシステムにしたんですか?」

「そのほうが都合がよかったのよ。管理フォーマットも作りやすいというのもあったし、なにより時間がなかったからね」

「時間がなかった?」

「次元融合を回避できても影響はあるけど、それに対して人類側に対応できるだけの猶予がなかったから同時並行で意識改変をしたりして大変だったのよ」

「意識改変?」

「そっ。だってそうでもしないとダンジョンなんてすぐに受け入れられるわけないでしょ? 100年はかかるのを10年に圧縮したのは大変だったわ」


 あっけらかんととんでもないことを口にするが、罪悪感などは感じられない。


「まぁ、めちゃくちゃにはしてないわよ。技術の点は除いて、だいたい価値観を少しづつ合わせただけだから。それに、早くしないとモンスターが溢れて人類滅亡とかなったら大問題だし、余力あるうちに、対応したの」

「なるほど、それでダンジョン関係の法案や企業参入までの決断が早かったんですね」

「確かに、ニュースでも異例の速さで進む国会と騒がれてた記憶が……」

「まぁ、急ごしらえだったから違和感は完全に消せなかったけど」


 かわいらしく舌だして茶目っ気たっぷりに笑う。


「あぁ、俺からもいいかぁ?」


 錬治が軽く手を挙げて質問する。


「何かしら?」

「ダンジョンのモンスターなんだけどよぉ。なんでどれも同じ動きなんだ?」

「はぁ? マジで? それに気が付いてたの?」


 心底驚いたように問いかけると、錬治と銀之助、光太郎に源治は全員盾に首を振る。


「そりゃね。程度が低いダンジョンの管理は下級の神に任せられるけど、流石に一からモンスターのデーターを用意となると力を超えちゃうから、魔物開発局が開発したモンスターのデータを販売して、担当の神が配置するて仕組みになってるのよ。流石に個体データの微調整まではムリだからモーションは共通させてるのよね」

「なんだか凄いこと聞いてる気が……」

「他にも、資材調達局やアイテム作成局、罠開発局、スキル開発局とかもあるのよ」

「まるで、ダンジョン運営モノの物語にあるようなシステムですね」

「うん、だってそういうの参考にしてるもの」


 気さくに明るく春の日差しのように穏やかな笑みを浮かべ語らうアマテラにシーフィリアはうっとりとした眼差しを向けていたが……


 ドゴーン


 激しい轟音が会話を中断し、慌ただしい足音が響き始める。


「無粋ね。せっかく楽しい語らいだったのに……どうやら、焦って送ってきたみたいじゃない」

「城一」

「うむ、全員いくぞ!」


 イレギュラーズを始め、全員が臨戦態勢で物音がした方向へと駆け出すのであった。

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