【二十階層九区画】語られる神秘
「さてと、話をしましょうか?」
圧倒的な力。存在感。格の違いがひしひしと感じる。
「あれ? まだ神威が強い? はぁ……これでも抑えてるのよ?」
「一つ問いたい……貴殿は、そのアマテラ……」
城一がそういいかった瞬間、人差し指を口に当てられていた。距離としてはそれなりにあったはずが、瞬き一つの時間もなく、城一の前に立っていた。
「その認識で間違いはないのだけど、名前を出されると困るのよ。そしたらこっちでも余計に力が出ちゃうの。そういうものなのよ神様ってのはね」
かわいらしくウィンクをする。
「あの、アマテラスさま、こんなの困りますよ」
ギギギギと首をゆっくりと動かし
「シーフィリアちゃん? 後でちょっとお話しましょうね? はぁ……」
「えっ……シーフィリアさま!?」
爆発的な圧に、ルイズやジョルジュは立つことすらままならなくなっていたが、たいしてイレギュラーズは圧を受けていないようであった。
「あぁもう、名前削って力抑えていたのに、この世界の子たちには私の神威は強すぎるから名前を知られたら影響受けちゃうでしょ!」
「ご、ごめんなさい」
「さてと、私の正体は解ってもらえたけど……なにから話そうかしら?」
かわいらしく小首をかしげる仕草は愛らしい。
「そうね。最初からにしましょう。まずは神というのはね。世界の創造と管理によって力を得ているのよ。で、この世界を創ったのがこのシーフィリアちゃん」
「どうもシーフィリアです。この度は、いろいろとご迷惑をかけております」
丁寧に頭をさげる儚げ系美人のシーフィリアである
「で、この世界をシーフィリアと今回の邪神の頭目のえっとフィロンと創るはずだったのだけど……さぼりまくってシーフィリアちゃんの班だけで創ったの。そして、できたときに力ずくで奪おうとしたのがフィロンの班ここまではいいかしら?」
「なんやそれ……まるで……」
「大学の卒論をパリピ大学生が強奪しようしたような話は」
「……間違ってはいないわね」
「頑張って、抑えたんですよ。けど……最終手段に出られて……」
「何があったのですか?」
その問いにアマテラは頭を押さえる。
「次元融合。神の中の今では禁忌の一つよ」
「今では?」
「昔はよくあったのよ。いろんな世界が混じって一つになること、ただこれだと文明の発展を阻害したり、不要な戦争がおきて安定しないということから禁止されるようになったの」
「もしかして……世界中の宗教とかは……?」
「そのとおり、今のあなた達の世界は次元融合の果てに形成された世界よ。まぁ人類の認識が広がったことで世界は固定化されて安定した姿といえるわね」
さらりととんでもない秘密をしることになり、佐江とぼたんは頭がいたくなった。
「私たちも協力して融合を止めようとしたのよ。といっても下手したら被害が大きくなりそうだったからフィロンたちのうち十柱を封印することにしたの」
「十……もしかして、世界十大ダンジョンは!?」
「そっ、封印して神力を搾り取る為にしてたの。そもそも、邪神の影響で魔物が世界にあふれ出したりしないように封印するためにダンジョンを作ったり、それに世界のバランスを保つためのシステムを構築したのよ。最終的にはコチラの世界にきて邪神を打倒すて計画ではあったけど……50年くらいかけて達成する計画だったの」
「それが、イレギュラーが起きたと?」
「そう! あの雑魚神のくせにとんでもない事してくれやがりましたよ!」
アマテラは、イラッとして怒りの波動が溢れる。
「あのーなんで日本はダンジョンが多いんですか?」
「今、それ聞く?」
「いいわよ。この際だから質問に答えらるわ。日本にダンジョンが多いのはそれは簡単よ。日本人の思想ね。なんにでも神が宿るその思いがダンジョンになるの」
「えっ?」
「神の名前、伝承、権能。神に関する知識、それらが神の力になるの。日本はありとあらゆるものに神が宿るて伝承の影響で人の思いが集まった場所にダンジョンができやすい環境だったのよ」
「あー、だから学校や病院、お墓や観光名所にダンジョンができたんですねー」
「そうそう。おまけに日本てマイナー神とかの知識とかもあるからみんな集まってくるのよね」
「へっ?」
「日本はね。神にとっては住みやすいのよ」
次から次へと質問が始まるのでった。
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