【二十階層七区画】入港
邪神の軍勢の襲撃をうけたイレギュラーズ一行だが。一蹴で蹴散らし無事に聖都『シーフィリア』へと到着した。
港にシーフィリア聖騎士団がずらりと並び出迎えられていた。
「いつもこんな感じの出迎えであるか?」
「いや、こんなのは初めてだねぇ。神殿を守っているはずの聖騎士団をあれだけ迎えをよこすとはねぇ」
下船の準備が進められる中、豪華な鎧に身を包んだ男が、城一へと話しかけてきた。
「初めまして、私はシーフィリア聖騎士団騎士団長ジョルジュ・ド・ディエンテと申します。我が主、巫女姫ルイズ・ラビーズ様の命によりお迎えにあがりました」
「随分と仰々しい迎えだな」
「もう少し人数を少なくとも思ったのですが……イサオの同郷の方々に興味がありましてね。それに、あのギンノスケがライバルという人物を一目みようとこの人数になってしまった次第でして」
「であるか」
そういって錬治に城一が視線を向ける。木刀を肩にポンポンと当てながら、軽く伸びをしている。
「なら、相手になってくれよぉ」
「私でよければ」
そういって、ジョルジュも木刀を構える。
「クックック、あんた最初からそのつもりだっだろ?」
「さぁどうでしょうねッ?」
そういながら鋭い突きを繰り出すが、後ろに半歩下がって躱すと強く一歩踏み込む。だが、ジョルジュの攻撃はそれも見越して横薙ぎに木刀を振るう。
「悪くはないけど……甘ぇな」
体を地面ギリギリまで沈めると更に一歩踏み込む。
カンッ――
と乾いた木がぶつかり合う音と、ジョルジュの首には錬治の木刀が突き付けられていた。
「まさか、これほどとは……」
「ふむ、その見解は間違いであるな。今のは錬治の実力の半分にも満たない力である」
その言葉に絶句しながらも気持ちを持ち直してジョルジュは一礼をする。
「悪くはなかったぜ。けど、ちぃとばかし綺麗すぎる」
「では、貴方ならどうしてますか?」
純粋な質問に対して
「まぁ、いろいろあるけど取り合えず素手でぶん殴るて選択肢はあるな。突きで距離詰めてるんだ、木刀だけが攻撃じゃないんだぜ?」
当たり前のようにいいきるがジョルジュの中にはない解答に思わず笑ってしまった。
「間違いなくギンノスケさんのライバルですね」
そういって右手を差し出すと錬治は自然と軽く握るとジョルジュも軽く握り返し、そうこうしている内に神殿へと向かう準備が整うであった。
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