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【十九階層十区画】祝勝会

「このたびの御前料理対決は、フソウの勝ちとする」


 宰相・ガラハッドが高らかに宣言される。


「では、ジョウイチよ。約定通りにフソウで作った塩は自由に売買するがよい」

「感謝する。それと、宣言するが、塩の生産を学びたいなら正面から学びに来い。いちいち、密偵を送らても困る」


 その宣言に会場中がざわつく。


「それについての説明会及び資料は後日配布する予定だ」

「……胃が……頼むからこまめに相談と報告を……ヒルデももう少し連絡をだな……」


 国王・アレクサンダーは頭を抱えるのであったが……あとは式典が予定通りに進行していった。


「ねーねー錬治ッチ。なんで金色の船の模型に塩が山盛りで王様のとなりに置かれているの?」

「ありゃネフだな。ヨーロッパとかの貴族パーティーで味付けだけじゃなくて富の象徴として山盛りの塩を載せて位の高い人のそばに置かれるもんなんだよ」

「ほへー」


 立食形式のパーティーで行われる中、正装にみを包んだ錬治たちは一際目立ってはいた。


「……とっても楽しそうね錬治……」

「幸……その首にナイフが当たっているだけど」

「……あててるのよ……」


 世界一うれしくない当ててるのよである。


「くっくっくっ、流石の錬治も幼馴染の前では形無しだな」

「城一……お前ぇ。随分派手にやってたんだな。北の辺境まで轟いてたぞ?」

「であろうな。その為に派手に振る舞ったのだ」


 錬治と幸の間に空気を読んでなお踏み込んだ城一だが、かなりのお冠の幸からは黒いオーラが発せられる。


「……邪魔……殺す…」

「そうはさせませんよ。幸さん」


 そんな幸の一口のケーキを放り込んで岬が止めに入る。


「けどぉ、なにしたら派手に噂になるんだ?」

「なーに、ちょっと盗賊団を壊滅させたり、塩と紙の売買とソロバンの普及をしただけだよ」

「他にも絶対なにかやってるだろ?」

「あとは些事だな。で、何柱倒した?」


 話題をそらすように城一が話を変えた。


「一柱だけ。あとはヴェリテとかいうやつの同格と戦ったが決着がつけられなかった」

「なるほどな。ちなみに調たちは二柱倒したそうだ。崇高も一柱仕留めたといってたな」

「ケケケケ、ワイも一柱しとめたで?」

「流石だな。さてこれからだが……この世界の最大宗教の総本山に向かおうと思っている。なんでもそこにいる巫女姫は《オラクル》のスキルをもっている」

「うん? それって……大丈夫なのか?」


 錬治の疑問に答えたのは佐江であった。


「否定はできませんが、本来は天啓を授かるスキルなのです。ソレを利用されて……」


 苦い記憶で思わず奥歯を噛み締める。


「なら、次に進むはそっちだな」


 どうやら次へと進む道は決まったようであった。

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