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【十九階層九区画】偽り

 『偽り』のヴェリテと名乗った神は錬治が胴を真っ二つに切り裂いた。切り裂いたはずだが……


『うわぁぁぁぁぁ、ヴェリテ死なないでくれぇぇ。君が死ぬなんてありえないよ』


 真っ二つにされたヴェリテを抱き上げるヴェリテがそこにはいた。


「てめぇ……なにものだ」


 錬治が刀を向ける。


『ふぅ……ハハハハハハ、きみやるじゃないか。まさか、こんなあっさりと斬られるとは思わなかったよ』


 真っ二つにされたヴェリテはサラサラと崩れ始めた。


「ケケケケ、ならこいつはどうだ? 【アブソリュート・ブレイカー】」


 光太郎の拳が間違いなくヴェリテに突き刺さり、爆ぜる。


「どうよ?」

『ふむ、凄いな。まさか体を爆発させるとは思わなかったぞ』

「これならどうです。【サモン・ドッペル・サーバント】ウォリア!」


 ぼたんが、大剣を構えた甲冑の戦士を二体召喚する。


『おいおい、そんな児戯にもならないものでどうするんだい?』


 甲冑の戦士が振り下ろした大剣を簡単に受け止めてみせる。


「くたばりなぁ」

「【ゴリラアームズ】だしー」


 美穂が大鎌を振るい、一芽が頭上から拳を振り下ろしどちらもとらえる。だが、砂のように消えると再びヴェリテが別の場所にたっていた。


『無駄だよ。君たちに儂をとらえることなどできやしない。儂の権能の前では全ては虚構にすぎん』


 イレギュラーズのメインアタッカー全員の攻撃を受けてなお平然としている。


「いえ、そうでもありませんわよ」


 佐江が鉄扇を振るい顔面を殴り飛ばすとヴェリテは吹き飛び、顔にくっきりと打撃の跡が刻まれた。


 更に追撃にと躍り出たのは充希だった。


「僕にだって新技があるんだよ♪ 【ワルブルギス・サーカス】」


 銀色のカードが周りを飛び交い、光の刃で切り裂く。


『ぐっ……だが、儂が傷つくなど嘘だ』


 そう言い放つも、今度はヴェリテの体は砂のようにもならず、傷も消えなかった。


『バカなこんなことが……』


 何が起きたのか理解できずに困惑するヴェリテ。


「やはりそうでしたか『偽り』と名乗られましたが……あなたの能力は、全てを『嘘に変える』ですわね」

「ケケケケ、けどよ俺の攻撃は不可逆の破壊なんだぜ?」


 光太郎の疑問に答えたのは、ぼたんであった。


「それは多分、別の体がいくつかあって、それと入れ替わっているんですよ。嘘に嘘を重ねるとか、嘘八百みたいな能力だと推察します」

『ぐっ、だがなぜ儂にダメージを与えるなど不可能なはず』


 明らかに動揺しているヴェリテ。


「ですから、『否定』したのですよ。わたくしのスキルは≪ネガティブ≫あなたの嘘を否定させてもらったのですよ」

「僕のスキルは≪アンチェイン≫嘘に囚われることなく、君を攻撃できるみたいだね」

『バカな……神を否定し囚われないなどあり得るはずが……仕方ない仕切りなおさせてもらおう。復活させて間もないのでな』


 負け惜しみとしか言えないその言葉だけを残してヴェリテは姿を消すのであった。

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