【十九階層四区画】塩料理対決・王国側の料理 前菜~スープ
「さぁ、皆様、本日の料理勝負は王国が誇る料理人と新進気鋭の傭兵団フソウとの料理対決となります! お題は『塩』前菜・スープ・魚料理・メイン・デザートの五品になります! それでは王国側からさせていただきます。サーブです」
声量を拡張するマジックアイテムで司会者を務める紳士によって信仰され行く。先行の王国側から料理が提供される。そんな中で出された前菜は……
「ありゃーザワークラウトじゃないか?」
「えぇ、そうですわね」
ザワークラウト。つまり、キャベツの塩漬けだ。それにカリカリに焼き上げたベーコンが添えられていた。
「こちらは塩ギルドからの前菜はツインド領の特産品の中でも最高品となっております。そして、審査していただくのは、まずはドワーフの英雄・ギムリ様。そして、エルフの英雄・エンディミオン様、最後に王国一のユニークスキル《神の舌》を所持する美食家・サンロード・グレートクレパス様です。また、同じ料理を国王陛下及び、傭兵団フソウ代表ジョウイチ・シンドウにもサーブされます。それではこちらを用意していただいたツインド領の料理長のシューターニュさまより説明を」
「おほん、本日、ご用意したのはミスリルキャベツのザワークラウト。このキャベツは硬くて食べれませんが、塩漬けにすることで、適度な歯ごたえと最高の旨さを発揮するのです」
運ばれた前菜をギムリはパクリと食べると
「くぅぅぅ、こいつはエールと合いそうじゃわい」
「確かに、ワインなどとも合いそうですね」
「わかっとるやないか、こいつはいい仕事してるで」
なかなかの高評価からスタートされ、それを見守る貴族や塩ギルドの重役からは余裕の笑みすらうかがえる。我々の料理のすごいのだ。前菜ですらもという圧倒的な自信が伝わってくる。
「さぁーつづきましては、トメィスゥ領の名物サラダです。こちらを調理されましたトメィスゥ領のリゾルト料理長からご説明を」
「フフフフ、今回は斬新なアイデアを盛り込んだチャレンジングなサラダをご用意しましたのでどうぞご賞味ください」
そういって運ばれてきたのは、真紅に輝くトマトが一つ載せられた皿だが……
「ほぉ、こいつはルビートマトやないか、それをオーブンで焼いただけでサラダちゅうは……」
そういいながらサンロードが、ナイフを差し込むとトマトからトロリとした白濁したものがあふれ出た。
「これは……やるやないか。南部で食べられているライスをミルクで煮込んだものやな。そいつをくりぬいたトマトに流し込んでチーズと共に焼き上げた逸品とは、革新的な品や」
「はい、詰め物は恥ずかしながら私の名前からとってリゾットとしました。ルビートマトのリゾット詰めこちらが私のサラダとなります」
出された料理に国王も驚きながら初めての品に、頬緩ませる。それとは対照的に淡々と食べている城一の姿に、貴族たちはニヤニヤと笑みを浮かべ虚勢を張っていると確信していた。その様子を遠目でみていた錬治たちはといえば……
「いや、米てサラダになるのか? 錬治」
調の質問にたいしては
「日本なら主食だけど、ヨーロッパなら野菜料理や付け合わせなんだよ米て」
「へー、そいつは知らなかった」
「ちなみに、塩ギルドが使っている塩は岩塩みたいだな。トマトにも塩が振って余計な水分は抜いたてとこか?」
「なんでわかるんだよ……」
「塩の色だよ。それに俺らの世界でも海水からの精製塩よりも、世界的にみると岩塩が塩の生産の主流なんだよ。日本は岩塩が取れないけどなぁ」
「いや、せやからなんでそんな知識あるねん……」
そうこうしているうちに出されたのは。小鳥が一羽丸々入った黄金色に輝くスープ
「黄金鶉のスープでございます。このルージュ・ゴルジュ会心の一品でございます」
「これもまた贅沢な一品やで。なにせ一羽で金貨10枚はする黄金鶉を一羽まるごとなんてほんま贅沢やし、なによりもコルソールの黄金スープだけでも最低金貨3枚やこりゃー傭兵団の人は一生食えへん料理やな」
かなりの嫌味な言い方ではあるが、城一は気にせず口をつける。
「ねぇねぇ、錬治くんあのスープどうおもう?」
「あ? ただのコンソメスープだな。むろんちゃんと処理されてて普通に旨いだろうけど、行程かくしてたけど、ダブルコンソメでリッチに仕上げてはいるけど…」
「フフフフ、それにしてもあの料理で大丈夫なのでしょうね?」
「ケケケケ、まぁ今は旨く食えるんじゃねぇ?」
いよいよ、王国側からメインの料理へと続い行くのであった。
評価や感想、ご意見など時間がありましたらどうかお願いいたします。
料理内容考えるのて、わりと大変……




