【十九階層三区画】塩料理対決・調理風景
会場の熱気が包まれたころ、会場に両陣営の料理人が入場してきた。
「えっ……あの方たちって」
「アハハハハ、元裏暗黒美食グループ四天王とかいう人たちだよ」
「いえいえ、確か、フランス領事館の料理人の北城奏斗にイタリア、シチリア島の名店のスーシェフの炎東慈アズモさんですわ」
佐江の家柄上、こういった情報には詳しかったりする。
「ケケケケ、おいおい、それに混じって、次郎に岬かよ」
「容赦ないでありまな」
「はぁ~けどよ。あいつ本気だすかなぁ」
「どうでしょう? わたしの記録では一度も見たことないですよ」
「アハハハハ、だよね。さぁー錬治君。解説してくれたまえ」
「はぁ? なんでっ…ちょっと待て……幸?」
「へっ? あっ、そうそう錬治君の幼馴染の幸ちゃんも参加してるよ」
「充希……お前、わざと黙ってたろぉ?」
錬治の本気の殺気に流石の充希は冷や汗をかいた。
「えっと……ごめんね?」
「はぁ……まぁいいよ。オレで答えられることならな」
どかっと座り直して不機嫌に頬杖をつく。
「むー、でも塩ギルドの人多い……」
「そうだしー、人数制限とかしなかったの?」
「うーん、そこらへんは無しだったよ。なんか担当料理ごとだからって理由だったかな?」
小首をかしげる。
「多分、料理のレシピを秘匿しあってるんだろうなぁ」
「そうなの?」
「あぁ、わりとレシピて秘匿されたり、地方限定だったりしてて、特別なレシピて気づかないパターンがあるけどよぉ」
「ほへー」
「実際、イタリア料理とかはペッレグリーノ・アルトゥージが書いたイタリア全集でレシピが共有されたことで発展したて経緯があるんだよぉ」
全員がなんで知ってるんだよ。そんなことという目を向ける。
「それにしても。まぁ……ふぅーん。なるほど、すげぇな。流石、は一流の料理人だな」
「……錬治……お前、剣術以外にも興味あったんだな」
「まぁ、旨いもの好きだしな。嫌いな食べ物ないぜ? あっ、流石にウジ虫のチーズは勘弁だったな」
ちょっとドン引きである。
「それにしましても。塩ギルドの方々はまとまりがありませんわね」
「それどころか、けん制しあってるでありますよ」
「あー、ところどころ周りから見えない調理してますね」
「ケケケケ、何してるのかよくわからねぇ」
「大体の流れから何作ってるかはわかるけどよぉ……あいつらめちゃくちゃだな」
塩ギルド代表チームの料理過程をみながら錬治はため息交じりにあきれていた。
「コース料理なのにあれじゃ、味がばらけるなぁ」
「そうですわね。否定できませんが……どうやら完成したみたいですわね」
そうこうしているうちに完成された料理がサーブをされていた。
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