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【十九階層二区画】塩料理対決・序

 神剣の譲渡式。


 かなり厳かに行われらしい。らしいというのは錬治たちは、その場に立ち会うことはなく、実力はあろうとも国としては異国の人間でありそれは仕方がないことともいえる。


 そんな中で行われた御前料理試合。その様子をみようと錬治たちは、会場に用意された貴賓席へと来たのだが…


「あれって城一だよな?」

「そうですわね」


 国王と神剣を受け取ったとされるこの国の姫と思わしき人物の隣に、その姿を確認した友の姿に笑みを浮かべるが……


「岬がいねぇな? あいつが城一から離れるとかあるのか?」

「そうですわね。けど、次郎さんもいませんし」

「アハハハハ、岬ちゃんは、対決に参加するからね。けど姫様もやるよねぇ?」


 上から聞こえた声に、見上げるとそこなはプカプカとういた充希がそこにいた。


「ひ・さ・し・ぶ・り」

「まぁ、充希さん。ご無沙汰しております。いろいろとお聞きしても?」

「う~ん。面倒だからパスで、あとで岬ちゃんにきいてよ」

「ですわよね。そうしましょう」


 再会の挨拶とかるく近況だけを話すことになった。


「ケケケケ、つまり城一が姫様にほれられて」

「岬ちゃんと三角関係てことなん?」

「うーん。どちらかというと同盟かな?」

「どういうことだ……?」

「ほら、異世界だしこの国って一夫多妻も多夫一妻もめずらしくないんだよね」

「あぁ……そういうことかよ」

「でありますな」


 全員が察して、うんうんと頷いた。


「ところでなんで、料理対決なんだ?」

「あぁ、多分、国威発揚だろ?」

「そうですわね。料理というのはその国の力を示すものでもありますから」

「そーなの?錬治ッチ」

「なんでオレに聞くんだよぉ」

「だって料理関係なら詳しいじゃん」

「はぁ…まーいいや。親父とお袋の受け売りだが料理てのはその国の歴史や文化の集大成みたいなもんなだよ。食材や調理法、マナーまでの成り立ちがわかるから、その国のことを知りたければその国の食事場を調べればいい」

「ふーん。けど、なんで塩がメインの料理対決?」

「そりゃ、塩は塩ギルドが独占管理してたみたいやからやろ。その市場に城一はんが喧嘩売ったのを平和的に解決するもくてきやろうな」

「ハハハハ、うん、正解だよ。それに派手なお祭りにすればみんなに気が付いてもらえるしね」

「塩は大事ですからね。武田信玄も塩を封じられ困りましたし」

「ケケケケ『敵に塩を送る』の語源だろ。上杉謙信が塩をおくったてやつ。フェアなやつだぜ」


 そんな賑やかに話をしていると、やがて料理人たちが入場してくるのであった。

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