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【十八階層十二区画】不可逆の破壊

遅くなり申し訳ございません。

 体半分が崩壊したサビクを光太郎は見下ろしていた。


「クックックッ。どうしたトドメを刺さないのか?」

「ケケケケ、強がるなよ。もう崩壊してるじゃないか」


 それでもサビクは余裕であったが、異常に気付き始める。


「再生が始まらない……だと?」

「ケケケケ、そりゃそうだぜ。今のアーツはそういうアーツなのさ。大蛇の大群のとき厄介だったからよォ。その時にちぃーと手を貸してくれた存在の力を参考に作ったアーツが【アブソリュート・ブレイカー】なのさ」

「馬鹿な………神を殺すなんてできるはずが……」


 動揺しながらも力を集中して蘇生しようとするも、崩壊は進んでいく。


「ワイのスキルの効果は、できないからこそできるという逆説的なスキル。だからこそ、てめぇを破壊できる」

「そんな……嘘だ」

「てめぇが何者かなのかは知らないが、まぁ、あれだ。戦い自体は楽しめたぜ」


 その言葉が届くころにはサビクは塵へと変わり果てて、何も残る事はなかった。


「ケケケケ、さてと帰るか」


 巨人の手斧を拾い上げると、カイザー・バッファローと共に担ぎながら街へとゆっくりと歩き始めるのであった。


 光太郎が街に帰ると、街の広場では大宴会が開かれた。


「よかったのか…食材にして」

「ケケケケ。なんだケイローンか」


 『天弓』のケイローンが焼かれた肉をもって話しかけてきた。


「なんだとは失礼だな」

「で?」

「お前が戦ったのは…サビクで間違いないのか?」

「ケケケケ、そうだぜ?」


 すこし、寂しそうにケイローンは光太郎の隣にすわると「そうか」と呟き話し始めた。


「サビクは……10年前はアイツも闘技者だった」

「そうなのか?」

「あぁ……『蛇節』のサビクと言ってな。だが、邪神との戦いの際に行方不明になったんだが……こんな形で再会するとは思わなかった」


 どう返していいのか分からなったが、それだけいうとケイローンは席を外すのであった。


 宴会は続いいるが、光太郎はソニアを背負いながら静かな青い小鳥亭へと帰ってきた。


「ケケケケ、誰だよこいつに酒のませたの」

「コータローさん聞いているんですが! いつになったらわたしのきもちに気が付くんですかぁ」

「はいはい」


 そういって暴れるソニアをベッドへと乗せた。


「コータローさん!」

「あぁん? ムグッ」


 光太郎の唇に柔らかい何かが押し付けられる感触と共に何かが口に流し込まれるのであった。

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