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【十八階層二区画】ショーマンシップ

 小さな闘技場がわれていた。


「どりゃー!」


 光太郎は大柄で肥満気味の男をパワーボムで叩きつける。


「うぉぉぉぉ」


 上半身裸で拳を突き上げて光太郎は雄たけびをあげる。



「すごい! すごいですよ。これで九連勝ですね」

「であるな。見事なショーである」

「とっても……上手」


 それを見守るクレアたちは喜びながら周りを見渡すが、観客は熱狂していた。


 光太郎がやっていたのはプロレス。相手の攻撃をあえて受けてからの、派手な投げ技や、大ぶりな打撃を繰り出し、手拍子をして場をもりあげ、派手な技を披露していた。


「さぁ、次は十戦目! 本日はこの人が参戦だ! なんと闘技場ブロンズランキング! 76位のエイジーだ! ニュービーのコータローは、どのような戦いを行うのか!」


「へへへへ、坊主。覚悟しな」

「ケケケケ、まぁ楽しもうやぁ。おっさん」

「オレはまだ22だ!」


 そう叫びながら、殴りかかってくる腕を、胸筋で受け止めると、相手の腕と自分の腕を絡めながら倒れこみ、相手を巻き込むように投げ飛ばすアームホイップで投げ飛ばす。


 そこからすかさず光太郎は立ち上がると闘技場を囲む柵をけりあがり、そのままムーンサルトプレスへとつなげる。


「ちっ!」


 エイジーは転がりながら避ける。


「おっと!?」


 避けられてしまい、隙だらけの光太郎に顔面に向けて蹴りが放たれる。


「ケケケケケ! こいや!」


 光太郎の顔面に蹴りが叩き込まれると会場はさらにヒートアップする。


「いくぜ!」


 こんどは足を掴むと、きりもみ状に飛ぶ。変則ドラゴンスクリューで相手を再び地面に叩きつける。


 うぉぉぉぉお!――


 会場から歓声があがる。


「やってくれるじゃねぇか」


 足を痛めたのかエイジーは、少しぎこちないが、それでも殴るのをやめない。


 そして、光太郎もその殴り合いに答えて、殴り合う。


 会場のボルテージはMAXになる。


「ケケケケケ、決めさせてもらうぜ」


 ガッツリと組み合うと、光太郎はパイルドライバーを決める。


「グハッ」

「ウィィィィイ」


 闘技場に光太郎の十回目の勝利の雄たけびがあがった。


 チャリンチャリン


 子気味良い音がなる革袋でお手玉をしながら、闘技場から街へと続く道を光太郎は上機嫌に歩いていた。


「ケケケケ、儲かった儲かったのか?」

「はい、銀貨20枚は大金ですよ?」

「そうであるのか?」

「よくわからない鳥が……一羽で銅貨50枚だったから……多分……麦の袋……たぶん10キロくらいで……銀貨1枚だった」

「ケケケケ、銅貨100枚で銀貨一枚てだから大金だろ。ところであんたらなんか用かい?」


 立ちふさがるように屈強な男が三人ほど道を、ふさぐようにたむろしていた。


「ここを通りたいのなら通行料払いな。そうだな銀貨20枚でどうだ」

「安全と比べたら格安料金だろ?」

「おっと、抵抗はしないほうがいいぜ? 安全に生きたいのならな」


 ニヤニヤと笑みを浮かべ、ソニアは恐怖で震えている。


「ケケケケ、なんだ喧嘩売ってるのかよ。剛。こいつもっておいてくれ。ちぃーと、遊んでやるよ」


 そういって銀貨が入った袋を剛に投げてわたす。


「おいおい、渡す相手が違うだろ」


 男の一人が馴れ馴れしく肩に手を回す。


 ゴキッ――


 その腕を躊躇なく光太郎は折った。


「ぐあっ……てめぇ…ガァッ」


 間髪入れずに今度は膝を蹴り砕く、後頭部を掴み地面へと、叩きつけた。


「ケケケケ、うっせぇな。仕掛けておいて反撃うける事を考えねぇとか、甘いすぎだろ」


 追い打ちにもう一度、顔面を地面に叩きつける。


「てめぇ」


 武器を抜いて斬りつける。


 ガキッン――


 だが、光太郎を斬りつけた()()折れた


「随分となまくらじゃねぇか。ついでにてめぇの粗末な剣もおってやるよ」

「へっ!?」


 混乱する男の股間を蹴り上げぐちゃりと、股間のクルミが潰れる音が聞こえた。


「ひっ…!?」


 それを見て逃げ出そうとしたが、一瞬で襟首を掴むと吊り上げる。


「さぁて、いろいろと聞かしてもらおうじゃないか?」


 光太郎は獰猛な笑みを浮かべ吊るし上げるのであった。 

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