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【十七階層三区画】模擬戦の夜

 ブレス城の夜――


 大広間では夜会が開かれていた。話題の中心はもちろん錬治たちである。


「まぁ、あの仕立て素敵ですわね」

「あれは…真珠? しかも丸い真珠をいくつも使っているなんて…王妃様でも持ってらっしゃらないんじゃ」


 貴婦人たちの目を引いていたのは、佐江と美千代の衣装。


 佐江は桜の意匠が施された着物に身を包み、ピンクダイヤで桜を象った簪を刺したいで立ち。


 美千代は、薄青いマーメイドドレスに真珠を連ねたイヤリングにサファイアとエメラルドで拵えたネックレストといういで立ちだ。


「なぁ、その衣装どうしたんだ?」


 錬治は、何気に佐江たちに聞いてみた。


「ホホホ、衣装札というマジックアイテムですわ」

「細かいのは源治君が作ってくれたんやで」


 視線を源治に向けると


「……《カスタマイズ》で作ってみたら……出来た」


 頬を掻きながらそっぽを向く


「もう何でもありだな」


 ちなみに錬治たちは燕尾服姿に二人とも整髪料で髪を綺麗にまとめている。


「先ほどぶりである」


 そういって話しかけてきたのは巨漢のセイエー・アチャゲス。試合の時とは打って変わってにこやかに話しかけてきた。


「よっ、堅苦しい挨拶は省かせてくれよな」

「ワハハハハ、吾輩も苦手なのでその方が助かるのである」

「……うむ」

「貴殿も話しかけたらどうなのだ? ギムレット殿」

「フンッ、解っている。そのなんだ…ぐっ、今日はいい天気だな?」


 あまりの頓珍漢な物言いに思わず全員が噴き出してしまう。


「笑うな…ただ、そのなんだ…こう砕けた会話とかは苦手だ」

「悪い悪い。それで何か話か?」

「あぁ、投げ飛ばした技についてききたいのである」

「おい、セイエー。技というのは秘伝なものだぞ! おいそれと」

「うん? なんだ、それなら、いいぜ」


 あっけらかんと言い放つ錬治にギムレットは固まってしまい。


「ほら見ろ……うん? いいの……か?」

「うん? 別にいいぜ、アレは俺の国じゃ、知られている技だしな」

「そう……なのか?」

「といってもここでってのは無粋だし」

「そうですわね。それに宴ならば余興も必要でしょ? ちなみに錬治さんは楽器は?」

「ギターならできるぜ?」

「美千代さんは?」

「うち? フルートならできたりするで?」

「い、意外ですわね」

「ひ、酷いなぁうちかて、そういうの嗜んでいたことあるんやで?」

「ちなみに源治さんは?」

「……三味線」

「似合い過ぎますわね。では、曲は……」


 日本で有名なアニメの楽曲を奏で、それに合わせて舞った佐江の前は好評をへて宴に大輪の花を添えることになった。


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