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【十六階層六区画】兇剣

 ~本物となまくら~


 砕けた剣が舞い散る中、錬治は既に動いていた。


「姿も拝ませてもらうぜ」


 シャッン―――


 鈴のなるような音と共にマントが飛散し、その姿を露わにする。


「ドワーフ?」


 現れた姿に錬治は思わず口にする。


「あやつは……まさかワルブス!」

「クククク、そうだギムリ! お前たち兄弟に英雄の座も神匠の座も奪われた俺だ! そして、俺は力を得た兇創のワルブス。こいつを始末したらすぐにお前を俺の造った剣でズタズタにしてやる」


 百にも及ぶ禍々しい剣を取り出し構える。


「どうじゃ! 俺の作品は! まっていろギムリ!」


 そう言い放つと百にも及ぶ剣を繰、錬治へと襲い掛かる。


「はぁ……なまくらはなまくらだな。城一の造った剣のほうが出来がいいし、何よりも……【瞬閃・一式】隼斗」


 一瞬で50の剣が砕ける。


「技の切れがアイツの十分の一もねぇ」

「ならばこれはどうだ禍剣『エビルツリー』」


 今までにない程の禍々しい剣が辺りの剣を呑み込み、歪な形広めていく様は剣というよりも枝が伸びていくようでもあった。


「見てくれだけなんだよ……【刃雷轟閃・壱式】春雷」


 あっさりと歪な剣を剪定する。


「ほらな? そういえばちょっと前に似たような技を使う奴と戦ったけど……間違いなくソイツのほうがあんたの数段上だったぜ? ソイツは力をちゃんと技に昇華してたからな」

「ダマレダマレ! 【兇剣飛天】」


 不気味な剣が出現し襲いかかるが…


「だから見せかけなんだよ! 技を使うまでもねぇ!」


 刀を数度振るだけで、やはり簡単に砕ける。


「あんたはつまらない。本気で相手をする価値もないし勝ちもない」

「ふざけるな! 俺は兇創のワルブスだぞ! 神に選ばれ神の座に就くことを許された俺を、たかだかヒュームのガキが!」

「終わらせるぞ。【裏隼嵐(うらしゅんらん)】」


 錬治の【刃雷轟閃】は基礎となるのは身体強化アーツの【雷身】となっている。それに自顕流の剣術を加え形になっている。つまるところシンブルな迄にあくまでも通常の剣術の延長線上にあるのが【刃雷轟閃】なのである。


 対して【裏隼嵐】はこれに錬治のユニークスキル《チェンジリング》の派生系アーツ【ミスディレクション】が加えられた、いうなられば、錬治以外には不可能な奥義といっていい。ただし、錬治としては、あまり多用する気がないお遊びで作った技でしかない。


「なんだ!?」


 驚くワルブスに気にすることなく。錬治は六文銭を投げる。完全にネタとして城一や光太郎と悪乗りしながら考えた【裏隼嵐】は六文銭を投げるところから始まる。


 硬貨と錬治の場所の入れ代わり。それだけのシンプルさだが、それ故にワルブスは反応ができない。


 腕を、足を、指を、胴を、頭を切り落とされる。くさっても神の座にいるワルブスは即座に再生するが再生させた先からどんどん切り落とされ、青い血をまき散らす。


 自身で作り出した剣を盾にしようとるすがあっさりと、斬られ。見下しているはずの人間に手も足もでないどころか無様な防戦というよりは、一方的に切られ続けそして、ついには限界が来た。


「バカな俺は神に……こんな……でたらめなことが……」


 体がボロボロに崩れ始めたワルブスはまるで悪い夢をみているのでは思いながら塵へとなり果てるのであった。

評価や感想、ご意見など時間がありましたらどうかお願いいたします。


ワルブスと金忌羅能力の違いは

金忌羅【金遣い】 金偏のある物品を作成する。

ワルプス【兇創】 呪われた武具を作成する。

となります。


強さ的にはワルブスのほうが上ですが、技術面でいけば金忌羅が確実に上になります。

なお、城一と戦った場合は城一がどちらにも圧勝することができます。

ワルブスの有効利用するなら本来は直接戦闘に参加させるのではなく、後方で武具作成させたほうが有益でした。もっとも錬治という規格外の相手でなければ負ける事はほぼなかったです……

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― 新着の感想 ―
[一言] 相変わらずのチート能力で安心するわぁ だいぶ反則じみたワープ能力に妖怪首置いてけインストールしてんだもんなぁ… ファンタジー定番狂ったドワーフ何故か最前線に立つ説 まぁ良いキャラしてることも…
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