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【十六階層三区画】混沌の魔物

 ~異形のバケモノ~


 バケモノから、底知れない不気味さと気持ち悪さしか、錬治たちは感じなかったが、それと同時に全員が本能的に『危険』だと察知した結果……


「【刃雷轟閃・弐式】迦禽穿孔!!!」


 錬治、最大最強の一撃を放つ。


 ――ギュォォォオオオオオ


 バケモノは絶叫を上げながらも、触手を振り回し辺りを破壊する。


「うそやろ!? 錬治はんの迦禽穿孔を受けても平気とか、どんだけやねん…うーん、けどあのモンスターなんやね?」

「以前、授業で習ったことは否定できませんが……思い出せませんわね」

「……いまは集中しろ……あの錬治の一撃に耐えきるバケモノであるのは間違いない」

「そうですわね。では、皆さん散開」


 触手を避けながら戦うも、再生速度、増殖速度により一進一退。硬さはないがゴムよりも柔軟であり、一撃、一撃が重く周囲の太い木ですら一撃で破壊するほどである。


「【パワースラッシュ】! 大丈夫かお前ら!」


 ギムリが駆け付け、触手を斬り飛ばす。


「ギムリさん、このモンスターご存知ですか」

「サエ! こやつは、スポーンじゃ。邪神の下僕じゃ。まだ、下位のベビースポーンじゃが時間がたつとドンドンやっかいになるんじゃ」


 佐江はポンと手を叩き思い出した。


「そうです。スポーンです。ダンジョンで極稀に出現するワンダリングモンスターです」


 スポーン種はその不気味な雰囲気もありながら、その攻撃には呪属性という厄介な属性をもっており、その効果はダメージを受けると治りが悪くなるどころか、古傷なども悪化させるという厄介極まりない効果をもつモンスターである。


 その解説を聞いたギムリは


「いや、その効果を持つのは『カオススポーン』じゃなベビーは再生力がやっかいなんじゃよ」


 触手を切り払うギムリだが、触手の数が一本から二本、四本、八本と増え続け押されていく。


「ぐっ、なんちゅう速度じゃ。ワシもなまっておったか」

「【チェンジリング】ハァァァァ【瞬閃・乱式】乱れ隼オラオラオラオラ!」

「な、なんじゃ!?」


 錬治がギムリと入れ替わると、同時に触手を切り払った。


「【刃雷轟閃・()()】四季巡り瞬迦千刀。いくぜ!」


 錬治の切札である刃雷轟閃とは


 ()()『刃雷轟閃・壱式』春雷

 ()()『刃雷轟閃・弐式』迦禽穿孔

 ()()『刃雷轟閃・参式』千秋烙

 ()()『刃雷轟閃・肆式』刀雷


 この四つであり、伍式とは、その4つが連なる完成形。


「はぁぁぁぁぁぁ」


 抜刀。それと同時に雷光が触手を全て切り落とし、雷光が傷口に留まり再生を妨害する。だが錬治の攻撃はとどまらず、刺突を繰り出すと雷光が刀に纏わりつきスポーンを貫き、そのまま納刀すると刀身に残っていた雷光が飛散し皮膚を切り裂き、再び光速移動からの抜刀、再び雷の刃が降り注ぎ切り刻む。


 目にもとまらぬ早業どころか目にも映らぬ早業。


「こいつで終いだ。【刃雷轟閃・終の一番】万年桜」


 雷が弾け、まるであたり一面が雷の花びらが舞う様は、まさに桜そのもの。桜の花びらは爆ぜ続けスポーンは桜の花びらに包まれてやがて花びらと同じく爆ぜて消えた。

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