【十五階層十七区画】おいでませドワーフの里
~ドワーフの里での生活~
宴会が明けた朝
「あー頭が痛いですわね。さすがに、この痛みを否定はできませんね」
楽しそうに笑みを浮かべながら寝所としてあてがわれた家から外にでるとそこには
「「「「ふんふんふん」」」」
半裸のドワーフと錬治と源治が汗だくなりながらスクワットをしていた。
「なんですのコレ?」
「最初は、いつもの錬治っちと源治っちの筋トレやったんやけど、なんかドワーフのおっちゃん達が集まってきて、筋肉鍛えるて説明しんや…そしたらな」
「みな迄言わないでください。美千代さん……別の意味で頭が痛くなってしまいました」
別の頭痛になやませられる。
「それにしても、錬治さんたちと随分と意気投合してますわね」
「昨日、途中から抜け出して相撲教えて仲良くなったそうやで」
「なにをしているかと思いましたら……」
なお、この時に伝わった相撲にドワーフたちはドはまりし、相撲文化が根ずくことになるのだがそれはまた別の話。
さて、日ごろの日課ともいえる鍛錬を終えた錬治は、ドワーフの里大鍜治場へとやってきていた。
「ギムの爺さんきたぜぇ」
「ガハハハハ、ようきたなレンジ」
出迎えたのはドワーフの戦士・ギムリットと、ロックギガンテスと戦っていたドワーフの戦士。さらに里長のジルリットと鍛冶頭のカムリにドワーフの英雄・ギムリが出迎えていた。
「昨日もおおたが儂がギムリじゃ」
「鍛冶頭のカムリじゃーて。それでみせてくれるじゃろ?」
「あぁ、いいけどよぉ。大切に見てくれよな?」
「誰に向かって口をきいておるじゃーて。ほれみせぇはよみせぇ」
「おいおい。兄者よそう、せかさんでもいいだろ」
「なんじゃと! そもそも剣を見せてもらわんとお前さんも戦えんのだぞ!」
「なっ、小僧! はよお前の剣を出さんか!」
「おっ、そうだったおっさんと俺も戦いてぇしな」
「おまえらのぉ……工房を壊すでないぞなもの」
喧嘩と鍛冶と酒が死ぬほど好きなドワーフと錬治であった。
「そいじゃー、こいつが俺の刀の『白波』だ」
「カタナのー」
カムリが小槌で軽く叩く。
キーン……
「こいつぁ……小僧まさか、鍛造か!?」
「流石、ドワーフ。すげぇな音だけで解るのか」
「そんなことによりも質問に答えんか!」
その剣幕に錬治が珍しく気圧された。
「お、おう。そうだぜ」
「かぁぁぁぁ、コレをヒト族でこいつを打つかーよぉぉぉ。種類の異なる金属を重ねてんだな……しかも芯には、かなりの強いモンスターの素材が使われてるな。いい腕してやがる。あんがとなすげぇいいもんを魅せてもらった」
「そいつはよかった」
「こいつを少し研がさせてもらっていいかのー?」
「いいのか?」
「おう、任せろ」
「じゅー頼まぁ」
「よし、話は終わったな! よし、じゃー早速やろうぞ」
「よし、やろう」
「おまえらなぁ……ちゃんと外でやらんか!」
そう言われて、二人は外の平場へと駆けだした。
「ここは…こういう仕組みだ」
「ふむふむ」
なお、工房の片隅で、機械の仕組みをドワーフたちに源治は説明していた。
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