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【一階層一区画】探検者カード授与式

主人公が登場します。

【一階層一区画】探検者カード授与式



 2031年4月8日 日本国某所中学校



『ダンジョンの産声から10年たち、今やダンジョンから産出されるものは、世界を大きく変えました』


 面倒な演説だ。校長の話はいつも長いが確かに変わった。


 世界情勢は大きく変わり、アジアだと中国が軍区ごとに反乱を起こして分裂。その機に台湾と香港が独立、ロシアでもクリミア半島にての独立、朝鮮半島は、逆に統一という形になった。ヨーロッパではギリシャはダンジョンの恩恵で経済を立て直しがおきた。


 そんなわけでもどの国も国家事業として、ダンジョン探索を行っている。特に世界第一のダンジョン保有国である日本としては力をいられずには、いれないとかいう内容を話している。


 はっきりいって、早く探検者カードが欲しい。


 俺だけでなく全員が同じ気持ちだ。


 なにせ探検者カードを受け取れるのは、14歳以上と日本の「探検者基本法」では習得できない決まりになっている。


 これは、危険性だけでなく14歳未満だとギフトスキルと呼ばれる探検者カード習得時に得られる【スキル】が《早成》が必ず付くことになる。スキルの等級は、日本だと一応一等級が希少で一万に一人三等級が一般的で10人に一人くらいの割合の分類になっている。が、大体一等はスーパーレア(SR)、二等レア()、三等がノーマル()という言い方をする。それで件の《早成》はレアスキルになるのだが、この場合はプラスにならない。なにせギフトスキルはノーマルなら3つ、レアならレア1つとノーマル1つ、スーパーレアなら1つという法則があり《早成》のスキルで枠を取られればおのずとスーパーレアは手に入らない。そして《早成》の効果だが…



 《早成》

 分類:二等

 効果:レベルアップに必要な経験値が半分になる。ただし、ステータスの上昇が半分になりスキルの習熟が困難になる。

 習得条件:14歳未満の人間が探検者カードを入手した際に習得される。



 これが日本迷宮協会が公開しているスキル情報だ。

 実際、このスキルを持っている人は日本ではわずかにいるが、それも迷宮出現一年以内に触れた人でハズレスキルとして知られている。ノーマルスキルと言われているが中には《農業》《調薬》《畜産》《採取》《採掘》と地味ではあるが、生産効率を上げるものや連携をスムーズにする《指揮》や《〇〇探知》といった何かを探知する系統のスキルはダンジョン攻略を優位に進めることができるスキルとして人気が高い。パーティーを組むことが推奨されるダンジョン探索でこれらはスキルを持っていればあぶれることはない程だ。そして日本では、中学三年になると行事として探検者カード授与式が行われる。

 なにせこの時に手に入るスキルによって将来の進路が決まる。昔は、受験があったのだが現在はスキルによってほぼ進路がきまる。出現するスキルもノーマルスキルは基本的にその人の適正にあったものが出現しさらに成長すれば大きな利益を得ることができる。


『それでは一組から順に開始します。並んでください』


 先生方が誘導をしていく、一喜一憂する声が聞こえる。

 生徒数はそれなりにいるダンジョンができてから、好景気が続き結婚や出産が増えたことも影響しているのだろう。希望としてはレアが欲しいとは思う《早成》は別として《経験値アップ》や《ドロップ率アップ》といったスキルは人気がある。


「「「「「うぉぉぉぉぉぉ!?」」」」」


 歓声があがる。


 何事かと思えばすぐに話が回ってきた。どうやら同時に3人のSRが出たらしい。


 一人は…



 小田 勇雄(おだ いさお)

【スキル】

 《ブレイブオブロード》

 効果:《経験値獲得2倍》《スキル習熟》《ドロップ率アップ》を獲得する。任意のカテゴリーの武器スキル一つと真理の破片を一つ手に入れる。クラス:勇者を選択することができるようになる。



 チートだな。勇者への道か…しかも特殊クラスの前提スキルみたいだな。ちなみにクラスとはレベル10に達すると解放される機能で能力値の向上や固有スキルを獲得できるらしい。あぁ、そういえば小田て生徒会長だ…運動もできるし成績も優秀だし人生勝ち組か?


 それで二人目は



 羽柴 真誠(はしば まこと)

【スキル】

 《セージオブエッグ》

 効果:魔法使用時の消費MP(精神力)を減少させる。《魔力成長率アップ》《識別》《助言》のスキルをえる。クラス:賢者を選択することができる。真理の断片を5枚獲得する



 二人目もチートだな。しかも生徒会長書記だな。知的系イケメン。一部女子(腐女子)から会長との掛け算の話題がでてたな…それは、おいといてSRスキルは、ピンキリだがクラススキルの前提スキルだと剣王の《マスターオブソード》と拳王の《マスターオブフィスト》が知られており勇者を獲得した人間は、アメリカ、台湾とイギリスとロシアに一人ずつくらいしかいないし賢者もアメリカ、フランス、カナダ、北中国に数名と勇者ほどではないが、かなり少ない。


 最後は



 三河 聖(みかわ ひじり)

【スキル】

 《ザ・ホーリー・ヴァルゴ》

 効果:治癒系統・光系統魔法の消費MPを減少させる。〈光弾〉〈小治癒〉〈光壁〉魔法を得る。《解呪》のスキルを得る。不死系のモンスターに対しての攻撃と防御が増加する。クラス:聖女を選択することができる。



 はい、三人目のチート来ました。

 そして副会長ですか。ゆるふわ系美少女だな。聖女…バチカンとロシア、インドの三人が有名だがこれも希少職。校長と教頭があわあわしているな…まぁ、そうだろうSRスキルが出ただけでもトップニュースになるんだ、それが三人。しかも最上級の分類だ。さてと、俺の順番が来るまでにもドラマはあった。

 例えば竜の力を扱えるという《ドラゴンナイト》。炎と氷を操る《サラマンダー》などのSRスキルが一クラスから二人か三人でるという既に俺のクラスからも出ていて最後の受け取り組の俺の番になった。さてと、俺のスキルはと…



 尾張 錬治(おわり れんじ)

 レベル:1

 生命力(HP) 100/100

 魔法力(MP) 100/100

 [ステータス]

 体力:A

 攻撃:S

 防御:C 

 敏捷:S

 器用:A

 感覚:A

 魔力:E

 精神:S

【スキル】

 《チェンジリング》:半径30メートル以内の触れた対象物同士の場所を入れ替える。ただし、固定されているモノは入れ替えられない。向きなども自由に入れ替えられる。



 よし、落ち着け尾張錬治。

 ステータスの項目は大体レベル×10で基準が出るんだよな。レベル1なら最低のFは1でEが2、それからDが3か4で、Aなら9か10てだったな。Sは、大体11以上がそう表示されるけど詳しくは《ステータス鑑定》がないとわからないんだっけ? 数値高いのは伸びやすいていうし…

 いやぁ、今まで鍛えてたから悪くないステータスだよな…と違うそうじゃない。

 スキルには、実はもう一つ種類がある。それは特級に分類される、ユニークスキルとよばれ希少性どころかオンリーワンと呼ばれるスキルで同じスキルを持つ人間はほぼいないとされている。

 そもそもスキルの分類は、探検者カードにスキルサーチ機能がありそれで分類を調べることができる。

 そして、でてきたのがこれだ。

 ユニークスキルは実は使い勝手難しいスキルとされ使いこなせば強いが癖があるというものだ。

 あっ、スキルサーチは所持者0のスキルは表示されないから、あらかじめユニークスキルを調べるのは不可能ではあるのと細かい効果は表示されないのはありがたいな。


 そして、この日「奇跡の世代」と呼ばれる伝説の始まりの日になった。

…この時まさかこのスキルが予想以上にチートスキルだと思っていませんでした…どうしてこんなスキルにした過去の俺…

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[一言] クラス全員異世界に召喚される話じゃあるまいし、SRとれた三人が生徒会長、副会長,書記で全員知り合いってちとご都合すぎませんか? 読む気が一気に半減したんですが。 それとyuuaさんのおっし…
[気になる点] 「半径30メートル以内の触れた対象物同士の場所を入れ替える」 と書かれているけど、本当にこの説明文で合っているのか??? この説明文だと、よくある範囲内の任意の対象と自分を入れ替える事…
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