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【十五階層三区画】シルドフィルの闇森での激闘

な、なんとか書き上げました。

うっかり昨日投稿してしまったけど定期更新を止められないので……ストックできると思ったのに…私って本当にバカ……

 ~激しいファーストコンタクト~


 薄暗い森の中、銀色の閃光が交差していた。


「まさか、あなたも【鉄斬糸】の使い手とは……」

「……別にそういうわけじゃない……使えるから使っているだけ……」


 美穂が、使っているのは魔法で作った水の糸。高度な魔法制御を必要する技術を習得できたのは、美穂と次郎と調だけであり、その中でも美穂は抜群に上手かった。それこそ本家の右近に匹敵するほどに……


「【鉄斬糸・糸籠】」


 メイドは巧みに糸を操り美穂を取り囲むように、周囲の木々を利用し糸を張り巡らせ徐々に範囲を狭めていく。


「これからは、逃げられまい!」


 メイドは、今までこの形に持ち込んで負けたことがあるのは、執事長のベンドルフのみ。故に必殺必勝を確信している。


「……温いと思うの……」


 しかし、美穂にとって()()()()の技としか思えない。


「……この技ならこうすればいいだけ……」

「なにを……!?」


 メイドは驚愕する。なにせ美穂がとった行動は、常識はずれ過ぎる行動だったからである。


 美穂は水の糸を左右に三本作ると周辺の大木を切り刻んだ。


「そんな…!? こんな出鱈目な方法で!?」

「……想定があまいと思うの……」


 糸を使う技というのは多くは周りの地形を利用する。ならば――地形を破壊すればいいという頭おかしい発想をする仲間がいる美穂にとって彼女の戦い方はあまりにもお粗末。


「……とりあえず……こっちからいくの」


 そういって美穂は間合いを詰め殴りかかるのであった。


 少しは離れた場所では…


「大きな音がしたみたいですね」

「そうですね。ところで話聞いてもらえませんかね?」

「ふむ…こちらも聞きたいことがあるのですが、交渉事は有利にたっていたほうがいいですからね」 

「はぁ……やっぱり面倒な事に……」


 老執事ベンドルフはそういってサーベルを構え、調もまた美穂から借りた『神珍棍』をかまえる。


「いきますよ。【ストライク】」


 老執事の鋭い突きが繰り出される。並みの相手ならば、この一突きで致命傷により戦闘不能になるであろう。並みの相手ならばだが……


「やっぱり錬治ておかしいんだな……あいつの突きと比べたら…ハッ!」

「なんと!?」


 ベンドルフは驚愕する。自身の放った突きの先端に合わせて少年の放った突きがぶつかり合う処か威力で押し負ける。


「たぶん、俺、あなたには負けませんよ? そのレベルの剣術でなら」


 そのレベルの剣術という言葉に驚愕する。老いてなお技量は《剣術》レベル9と高レベルの技術を有している自信はある。なのにあいてにならないと目の前の少年は言い切っている。それも虚勢などではなく確固たる自信をもって言い放っている事は理解できる。


「まったくもって厄介ですが、だからと負けるわけにはいきませのでね。少年。悪いが命を取らせてもらいますよ」

「うん、やっぱり負けないわ。オレのダチなら最初から命をとるきでくるんでね」


 老人の誤算があるとすれば、調が普段から相手をしていたのは化け物のような剣術を使う剣士であることと、調自身の実力を把握しきれなかったことであろう……


 老執事とメイドが劣性に立たされているなか、森を駆け巡りながら打撃音が響きつづけていた。


「ハハハハ、最高だな。こんな状況でなければもっと楽しいかっただろうによ」

「そういいつつ楽しんでるし~」


 一芽と人狼は拳と拳を振るいながら縦横無尽に森を駆け巡りながら、人狼は歓喜していた。なにせ自分と互角に戦える存在など久しぶりであり、強さを尊ぶ獣人として歓喜せずにはいられなかった。


 一方の一芽はというと、こちらもわりと楽しんでいた。美穂や調が心配ではないかと聞かれれば心配とは思うがそれでも目の前の相手との戦いが楽しくなってしまっているのであった。

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