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【十五階層二区画】流星のたどり着く場所……

 ~流星が降り立った地で~


「つまり、皆さんは異世界からこられたと?」

「そうとしか思えませんね。この国の名前も地名もまったく心あたりはありませんし」


 勇雄は巫女姫ルイズ・ラビーズと会食のあと会談をしていた。


「それで、これからはどうされるおつもりですか?」

「そうですね……この世界に、もしかしたら来ている仲間を探したいとは思っています」

「そうですか……あのよろしければ、この地に逗留されませんか? 教団の情報網を使えば探しやすくなるかと思いますが」

「それはありがたいのですが……無償で何かをいただくのは好ましくないもので」

「でしたら、簡単なお手伝いをいただければと思いますが……」

「そうですね。そのあたりはみんなと話して決めたいと思います」

「わかりました。お部屋をご用意しておりますので、本日はおやすみください」

「ありがとうございます」


 そういって勇雄は立ち上がると全員でお辞儀をすると案内されるまま談話室を後にした。


「ふぅー……なかなか手ごわい方ですね。笑顔でしたけど」

「姫様、お茶をどうぞ」


 鎧を脱いだジョルジュがティーカップを差し出す。


「ありがとうジョルジュ。考えを纏めたいから少し話し相手をおねがいできるかしら?」

「かしこまりました」


 そういって向かい合うように座る。


「彼らは異世界から来たとしても…何者なのかしら? 悪人ではないにしても……ジョルジュはどうおもったかしら?」

「はい、相当に高い教育を受けているかと……食事の所作は、私の知るかぎりどの国とも合致しませんでしたが、不快感を与えない見事なものだったと思います」

「そうね。出されたモノに対しても騒ぐことがなかったわね。かなり良い料理をだしたのだけど」

「はい、それに動きに隙がありません。あの年齢であの練度…国許ではかなり高い地位にいる人物かと」

「そうね。従えていた人たち……その中に聖気を纏っていた人…ヒジリさんといったわね。彼女はもしかしたら交渉役にでたイサオよりも高い地位の人かもしれないわね」

「ご明察かと……それにしても五人であのアイスフェンリルを討伐するなど信じがたい……ヒドラと戦っている時に突然、飛ばされたと聞きましたが……彼らがヒドラ程度に苦戦したとは思えません」

「それで、アイスフェンリルの遺骸については?」

「彼らからは適切に処理してもらえるならとのことですが……」

「厳しい要求ね……とりあえず方針としては、彼らの意見を尊重しながらの国賓待遇で取り計らってちょうだい」

「かしこまりました」


 ジョルジュはそう言って、席を離れた。


「はぁ……めちゃくちゃ厄介な事に……け、けど彼らみたいなのはいないわよね」


 そう言って残りのお茶を飲み干した頃。シルドフィルの闇森では…


 ドガァァァン


 静寂であるはずの夜の森で激しくぶつかり合う音が響いていた。


「くそっ! 追手か! しかも人間を使うだと!?」

「それだけ手が足りないということでしょうヴェルフォス……ベンドルフ様お嬢様は?」

「無事に隠せましたが……しかし、あやつら見た目は幼いがかなりの手練れぞ」


 森に不似合いな装いの老人と女性。そして、逆に森がよく似合う狼男は必死に戦いながら逃げていた。


「いたいしー。ていうか何で殴られたしー」

「……一芽ちゃん傷つけた……許さない」

「いやいや、お前らこの状況、疑問に思えよ」


 一芽、美穂、調は、森に落ちてからいきなり襲ってきた三人組を追いかけている真っ最中であった。


「しっかし、ここどこだよ。みんなはどうしたんだ?」

「むー変な感じはしたのと白い鴉は覚えてるけどー」

「……みんなは多分無事。みんな殺したくらいじゃ死なない……」

「なにくっちゃべったんだよ!」


 狼男の鋭い爪が迫るが一芽がその爪を受け流す。


「あーもう、ここが何処が聞きたいだけなのになんで襲ってくるしー!」

「はぁ? なにふざけたこと言ってんだ! 【狼狼撃】」


 鋭い左右からの連続攻撃を何とかかわすが、その一芽に向かい閃光が迫る。


「……《ウォータープロテクション》」


 その閃光を水の膜で美穂が一芽を守る。

 

「私の【鉄斬糸】を防ぐとは……やりますね」

「……危ない技……ワイヤー?」

「美穂!」


 美穂の頭上から襲い掛かってきた老人が白銀に輝く刃を振り下ろし届く寸前に調が美穂を抱えて横に跳ぶ。


「こいつらマジで殺しにかかってるな……」

「……調、胸揉んでる……助けてくれたのは嬉しいけど……そういうのは嫌」

「うわぁぁぁマジですまん」

「ちょーあーしーの美穂ッちのオッパイ揉むとか万死だしー」

「……一芽ちゃんのじゃない……」

「はぁ……とりあえず、話し合いどうする」

「そんなの簡単だしー」

「……うん、かんたんかんた」

「お前らまさか……錬治式で行く気かよ……」

「「とりあえずぶん殴る」」

「わかったよ…あぁわりい美穂、お前の『神珍棍』かしてくれ流石に素手だと、あの爺さんの相手はしんどい」

「了……あたしはメイドさんと戦う」

「そんじゃーいくしー」


 それぞれの相手を定め散開する三人であった。

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