【十四階層十七区画】八岐大蛇事変報告書
~八岐大蛇事変~
10月に行われた次世代を担う学生を多く集められて、大友総理も参加した式典は選真教が襲撃それにより出雲大社周辺にて大多数の死傷者をだすテロが行われる。これを鎮圧する為に自衛隊・警察が動くも多数の妨害により出動が遅延。
その事態にその場にいた、多くの少年少女がたちあがり、選真教鎮圧へとのりだし、さらに迷宮浸食により溢れた魔物とも激闘を繰り広げるも突如として出現した八岐大蛇により被害は拡大、市中は破壊される。
急ぎ、遠方にいた『賢者』羽柴真誠『聖女』三河聖を高速ヘリにて現地へと派遣を緊急対策本部は決定し急行する。
荒れ狂う八岐大蛇と激闘が繰広がれる。突如として消失する。のちの調査でブラックホールにもにた現象がおきたと観測された。
死者は5.5万人。行方不明2千人。重傷者7千人とテロ・迷宮災害の規模として類をみない被害となる。
これに対して、野党から与党や自衛隊を批難するが、野党議員幹部やその家族が国外脱出に向けて準備していたことで、世論の批難は野党議員幹部に集中することになる。
多くの悲しみと絶望が刻まれる事になるが日はまた昇る。
なによりも、これにより世界に巻き起こる危機の序章になる事は人類はまだ知る由はなかった。
――――――――――――――――――――――――――――――――
ダンジョン運営神議会極東支部
「ガッデム! あのくされ低級神が!」
美しい女性はおもいっきり机を叩き壊す。
「アマテラス様。落ち着いてくださいませ」
「ウズメ…そうね。それに最大のやらかしたのはあなたよね」
怒り狂っているアマテラスの前に正座させられていたのは…
「あたしもーまさかあの状態から次元転移なんてするとは…」
「このバカヘビ! 確かに被害が多かったけど! 余計な事をしたのが原因でしょ!」
八岐大蛇のコアとなっていた人型の姿というよりも、八岐大蛇その神である。
「そうねぇ。まさかまさかよねぇ」
「あぁぁもうもう、それで……オモイカネ」
「はい、姫様」
蠱惑的な美女が優雅にお辞儀をする。
「そこのバカのせいであちらの世界とこちらの世界の距離が縮まりました。今後、現世に被害がでるかと」
「えぇ…そうねぇ。まさか私の神力まで使って向こうと繋げるとは思わなかったわ」
「はぁ……そうね。神力の保有量ならあなたは多いものね……残りかすだからあの程度ですんだと思いましょ」
「あぁ、それにあいつらのおかげで被害は最小にすんだしな。さすが俺さまの神力を貸してやったかいがあるというもんだぜ」
「【八重垣】のおかげで被害は最小ですんだのは間違いないわね。それでヤタ」
背後に立った白い執事服姿の男に声をかける。
「はい、あちらに渡せたのは88人。なんとか100人未満で抑えました」
「そう、はぁ……もう滅茶苦茶ね……いいわ。他の神々とは私が話をつける。けど、向こうは大丈夫なの?」
「流石に緊急でしたので、一応、可能な限り纏めて転送しましたが何人かは散り散りになってしまいましたが可能な限り善性の強いヒトの多い地へ送れました」
「それは本当によかった。あぁ……よかったよぉぉぉ」
アマテラスはおもいっきり泣きだしひとしきり泣いた後、涙をぬぐう。
「あちらに向かった子達はどうなの?」
「はい、なんとかなるかと…それに《翻訳》スキルも渡せましたし」
「そう…信じるしかないわね」
送られたとはいったい何を指し示すのか……はたして錬治たちはどうなってしまったのであろう?
評価や感想、ご意見など時間がありましたらどうかお願いいたします。
今回で大きな一区切りとなります。いよいよ物語も佳境にはいり、ダンジョンの正体などにも触れていきたいと思います。
多くの方には既に神議会の面々の正体につきましては予想されていたと思いますが、ようやく明言することができました。




