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【十四階層十五区画】レイドバトル その15

 ~分不相応~


 腕が宙を舞う。これで何度目になるのか、ビビュラーバは数えるを止めて目の前に迫る害虫を駆除せんと即座に腕を再生させる。


「この!」

「【竹籠二重・摩尼車】」


 竹に囲まれたと即座に籠の形をとると二重に囲むと内と外の籠は回転しながら狭まりそのままビビュラーバを細切れにする。


「ふじゃける…」

「遅いと言わせてもらいましょう否定できませんよね?」


 頭部のみになったビビュラーバに加えられるは乱打の嵐。佐江の鉄扇が唸りをあげる


「『拍手割碎』」

「ぐぎゃぁ」


 無様に地を這いつくばりながら体を再生するが、そこまで猛攻がとまることはない。


「【重貪縛撃】」


 勇雄の斧が何度も振り下ろされるたびにその体が重くなっていくのを感じる。


「ボクの斧は『グレブレイブ』には特性があってね。相手を殴るとその強さに応じて物理的に重さを与えることができるんだよ」

「こんなバカなことが……私は太古の神の肉体を手に入れて……」


 よろよろと立ち上がりながるが膝に矢が刺さり再び地に伏せる。


「確かにそうかもしれないでありますが、あなたでは、力量不足、分不相応。いまのあなたは琵琶湖の水をおちょこですくってなくそうとしているのとかわらないでありますよ。あなたの力はその器にとっては大砂漠の砂の一粒程度。それこそその器が勝手に暴れてた方がまだ脅威であったでありますよ」

「たかが人間が……なめた口を…神に」


 そこまでいって口が裂けて再び頭が口から上からが吹き飛ばされる。


「なんども言わせるなよ。たかだか神てだけで勝ってるとおもってるのがあめぇんだよ」


 錬治が切りつける。


(なぜ、なぜ神たる私が……己オノレおのれ)

(そりゃそうだ。従属神の下っ端風情がオレの抜け殻で暴れたってかてるわけねぇだろ)

(なっ…!?)

(何を驚いてやがるのか分からねぇが。神なら念話くらいで驚くなよ。それにしても好き勝手に使ってくれやがって……まぁ、おまえさんの始末はこいつらが、つけてくれるだろう。けど、出し惜しみはさせね。おまえみみたいなのは絶対に後で面倒になるからよ。強制的にさせてもらうぜ)


 ビビュラーバは自分の中に何かが注ぎ込まれるを理解しそしてこれから自らに起きることに恐怖した。


 強制的な神力の解放。


 神の権能。それを支える神が神たる根源の神の力。それこそが神力。


 それを失えば神でなくなり、消滅するしかない。


(いやだ! いやだ!)


 暴走した神力は器となった八岐大蛇の本体の抜け殻に染みわたり、その姿を現す。


 腕は太い大蛇へと変わり上半身は女の姿に乱れた着物姿。下半身は蛇。ラミアと呼ばれるモンスターに酷似した姿になるが顔は鱗で覆われ、瞳は理性は感じられず不気味に鬼灯色に輝きを放つ。


(さぁ、最終局面だぞ。人の子よ。その力見定めさせてくれよ)


 その念だけを残し、何者かは再び深い闇に沈むのであった。

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