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【十三階層二十二区画】修学旅行 その19

  ~ 剣々轟々 ~


 錬治が向かった先に広がってたのは、夥しい剣、刀、釖、釼、鎩が突き立てられた死体や壁に打ち付けられた死体の山だった。


「こいつは随分と悪趣味だなぁ」

「オイオイ、違うだろ坊主、いい趣味ていってくれよ」


 奇抜。その一言でしか言い表せない選真教との装いとは異なる男がそこに立ってた。


「……あんた選真教か?」

「あぁ、一応な。十二聖の一人。金忌羅(きんきら)だ。よろしくな坊主」


 金忌羅と名乗ったその男、頭から足先まで奇抜で奇妙、左半分を坊主にしているのに右は髪を腰まで伸ばし、顔は左半分を女のような化粧をしているかとおもったら右は化粧をしておらずピアスを鼻に2つ、唇に4つ、瞼には3つ耳には8個をつけ、左半身は肩から腰まで露出させ右半身は女物のでありながら地獄絵図が描かれた着物を着ているかとおもったら下半身はレザーパンツと編み上げのブーツと悪趣味でしかな。


「悪趣味だな。この光景もその格好も」

「おいおい、傾いてるていってくれよなぁ。いかしたファッションだろ?」


 そういいながら金忌羅は、その辺にある剣や刀を無造作につかむと


鎩戯一釖流(さつぎいっとうりゅう)の金忌羅だ。まぁ、簡単に死なないでくれよな」


 無造作に投げてくる。錬治は剣を躱して、鞘で刀を打ち払うと同時に前にでるが金忌羅も同じく前に踏み込みと両手には五寸釘が握られ再び投擲してくる。


 錬治はジグザグに動き躱し、抜刀するが後方に跳んで金忌羅は回避する。


「おっさん、一刀流て言わなかった?」

「あぁ、だがよぉ。刀は振ってねぇだろ?」


 そういって右腕を振るうと着物袖から鎖が伸びて錬治を捉えようする。


「手品師かよあんた!<エアロ・ミスチヴァス>」


 鎖の動きに反応し足元に作った旋風によって、軌道を変える。


「タネも仕掛けもあるんだよっ。ほら、オマケだ」


 再び五寸釘を投擲し、鎖の環を通して鎖の軌道を修正してくる。


「ちっ【瞬閃・一式】隼斗」


 抜刀し鎖を切り裂き切り落とす。


「おぉ、やるねぇ。じゃー、本番といこうかね」


 いつ取り出したのか分からないが、既に右手には刀が握られていた。


「【一文字斬】」


 鋭い太刀筋はそのふざけた格好とは裏腹に鋭く、命を奪うには十分な威力もあり、素早くしゃがんで躱した錬治ではあるが、錬治の髪の毛が数本、宙を舞った。


「へぇ、避けるとか、やるじゃん」


 そう言いつつ今度は、いつ握ったのか分からないが左手に握った長刀が振り落とされる。


「やられるかよぉ」


 錬治は前に力強く踏み込み、左わき腹に膝蹴りを叩き込み吹き飛ばす。


「ちっ、【瞬閃・三式】閃隼」


 最速の突きで追撃するが。


「【釼々郷豪(けんけんごうごう)】てか」


 金忌羅は笑みを浮かべながら手にした刀を地面に突き刺すとあたり一面が刀剣の平原となって錬治の動きを止める。


「さぁ、さぁ、これからがオレの本領発揮だ」


 この軽薄で奇抜な男、未だ底を見せてはいないと認識する錬治であった。

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