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【十三階層十八区画】修学旅行 その15

  ~ 戦乙女のロックンロール ~


 真白と照美のコンビネーションはさえていた。迫る魔物群れは照美の創り出した竹林で分散され、二人に各個撃破され、奪妬(だつと)には、けん制をしながらも戦っていた。


「ンゴンゴ! 【痛いの痛いの飛んでいけ】」


 回復させた魔物が近くの別の魔物を襲い始める。


(この二人…私の天敵!? あのイカレタ子もだけどそれ以上にヤバイのはあのふざけた子ね。あの子が回復させたのは使えなくなるわね。とりこんだら体が腐ることになるとかどんだけなの)


「惚けている場合ではありませよ。【爆竹】」


 【爆竹】は竹を爆ぜさせ破片を浴びせるアーツである。竹の太さで威力も変わる。


「くっ、舐めるな!【スケイルスキン】」


 目の前で爆ぜた太めの竹から飛び散る破片や細い竹を全身を鱗で包み、破片を腕で防ぐ。


「甘いですよ【竹々蛮々(ちくちくばんばん)】」


 照美は既に防がれることも想定して先ほどなげた竹に細い竹を仕込んでおり、それが奪妬の周りで連鎖して爆発が起こし散弾が襲う。


「あぁぁぁ舐めるなぁぁぁぁぁもういい、もういい。切札を使わせてもらうわよ【エキドナ】」


 そういって手をから二体の化け物が産みだされた。


「なにンゴ?」

「……多分、奪ったパーツを合成したモンスターてところですね。エキドナはギリシャ神話で様々な化け物を生み出した上半身美女で下半身がヘビの怪物という伝承ですし」

「あらあら博識ね。えぇその通りよ。いきなさい五号、八号」


 五号は足が腕になっているオーク。八号は腕がヘビの尻尾になっているオーガという混沌から生まれたような化け物である。


 襲い来る化け物に対して二人は


「真白!」

「わかったンゴ!」


 左右へと分かれて跳ぶと


「【バニッシュメント・バス(断罪決行)ター】」


 巨大な閃光が走り化け物を一撃で灰燼と化した。


「何者!?」


 奪妬の視線の先に映ったのは金色の髪をなびかせ、白銀に輝く鎧を身に纏い、片手で握られた長さが2mは太さ50cmはあるグレートソードを振り切った幻想的な少女の姿だった。


 優雅に悠然と自然に歩きながら二人に優しく声をかけた。


「二人とも無事かしら?」

「えぇ、もちろんです」

「遅いんゴ、リーダー」


 優しく微笑みかけながら二人に少女は歩み寄る。


「会話が可能なモンスターとは珍しいですね」

「一応、人間ですよ。選真教の十二聖の一人の奪妬と名乗っていましたから、あの姿はスキルであの姿になってます」

「なるほど。では、私はヴァルキリーガーデンのリーダー『戦乙女』二階堂鈴蘭と申します。降伏されますか?」


 大剣を向け問うが奪妬は余裕の笑みを浮かべ


「舐めるんじゃないよ小娘。たかが一人増えたくらいでいいきに……」

「では、もう一人増えたらいかがでしょうか?」


 ゾクリ――


 耳元で聞こえた声に悪寒が走り同時に首には痛みが走った。


「ぐっこの…」


 声が聞こえたと思った方向に力任せに腕を振りますが何にも触れる事はなかったが、次に目に映た光景に驚愕する。


 それまでいなかったおかっぱ頭の少女が一人増えていたのである。


「幸ちゃんさっきは教えてくれてありがとうンゴ」

「いえ、間に合ってよかったです……」


 認識された少女は、大隅幸。尾張錬治の幼馴染の希薄な少女である。


「全員揃っい踏みですね。リーダー」

「えぇ、とりあえずは、光の柱を破壊する為に彼女を無効化しますよ」

「わかったンゴ」

「了……」


 意気揚々とする少女たちに奪妬はイラダチを隠せない。


「ふざけるんじゃないわよ! 仲良しこよしがしたいならあの世でしてなさい」


 奪妬の姿は異形化が止まらない。美しい顔は崩れ目が八個にさらに眼球は複眼に代わり髪も蛇へと変化していき,耳もコウモリのような耳に代わり腕も三対六臂ともはや人としての原型をとどめていない。


「〈ファイアーボール〉」

「〈サンダーボルト〉」

「〈ウィンドカッター〉」

「〈ストーンバレット〉」


 さらに、増えた腕の手のひらには口が付いており、その口から次々と呪文が唱えられ火球、電撃、風の刃、岩の弾丸が襲い掛かってくる。


「【セイクリッド・シールド】」


 それらの攻撃は鈴蘭が光の盾で防いでみせる。


「【籠女】」


 続いて照美が竹の檻で閉じ込める。


「邪魔よ!」


 その檻も一瞬で破壊されるが


「甘いです【爆竹】」


 破壊された檻の竹が爆ぜて破片が襲うが、今の奪妬とっては鬱陶しいだけのそれを無視して照美へと襲い掛かる。


「そうはさせないンゴ。【牛さんあっぱー】」


 真白は両腕を上に突き出しながら屈伸から飛び跳ねて殴りかかるも片腕て攻撃をガードされるが、ガードした奪妬の腕がみるみる黒く変色しながら腐り落ちそうになるが腕を切り落として難を逃れた。


「はぁはぁ…なんなのこいつら!?」


 呼吸が乱れ猛攻をしなだと思った瞬間


「まだですよ」


 既に意識から消えていたいた少女の声で再び、その少女を認識できたがもう遅かった。


 幸は細い竹を数十本と的確に、目や口へと投げつける。それが口内や眼球に命中すると同時に


「今です。照美さん」

「了解【連鎖爆竹】」


 無防備な場所での至近距離での爆発に、奪妬は、痛みで完全に止め。その瞬間を狙い。


「【バニッシュメント・ディバイン・バスター】!!!」


 先ほどよりも数段上の威力の閃光の一撃を奪妬に浴びせる。その一撃で奪妬は吹き飛びうずくまった。


「やったんゴ!?」

「真白…それはフラグよ」

「フラグです」


 真白のお約束の一言に照美と幸はツッコミをいれるが


「「ぐげぇぇぇぇけえぇぇぇけぇぇぇぇぇけぇぇぇぇ」」


 お約束通りに奪妬は不気味な声をあげながらバネ仕掛けの人形のように跳ね起きるのであった。

評価や感想、ご意見など時間がありましたらどうかお願いいたします。


お、収まりきらんかった。

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