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【十三階層十六区画】修学旅行 その13

赤城次郎 スキル《デッドコピー》の所有者。相手のスキルを劣化複製するスキル

 ~粗製乱造~


 ガラクタを寄せ集めて人の型に固めた物体の集まり。次郎が見た光景を素直に表すしかなかった。


「なんスか? このガラクタは?」

「ノン。これは吾輩のア~トゥ。吾輩は十二聖の一人『屑操(くずぐり)』チミも吾輩のア~トゥにしてさしあげますよぉ~」


 現れたのはスーツ姿の老紳士が慇懃にお辞儀をする。


「それはお断りっスね【シャドーコピー】っス」


 ガラクタの兵隊が次郎へと襲い掛かる。それに対して、分身を作り出し対抗する。


「結構、パワーがあるっスね。しかも…」


 一体を蹴り飛ばすとあっさりと崩れ落ちるが、直ぐに元に戻る。


「フォフォフォ。ど~うですかぁ? ど~うですかぁ?」

「鬱陶しいっスね」


 悍ましい姿で人の形を模してはいるが、動くたびに形は微妙に変わり、くっ付いたり切り離したりと厄介きまわりない。


「ど~うですかぁ? ア~ティスティックでしょぉ~」

「ならこうするっス〈マグネット・フォース〉と〈アイアンサウンド〉」


 磁力を扱う魔法により木偶人形どうしが固まり、さらに砂鉄が固める。


「こんな感じのオブジェでどうっスかね?」

「うぅぅんなんたるぅ屈辱。お仕置きです【瓦礫の串刺し公】」


 瓦礫の杭が次郎を襲うがバク転をしながら避ける。避ける。


「ふぅ、危なかったっス。けど、美穂っチと似たような攻撃っスね。こっちもみんなで反撃っスよ」

「「「「おぉぉ」」」」


 分身による連携攻撃。【シャドーコピー】は次郎そのもの、故に完璧な連携攻撃。さらに分身体をブラインドにしてもろともに火球や氷の槍が屑繰を襲う。


「ぬほっ、ハッ、【瓦礫の壁】」


 瓦礫を壁に加工して、盾にする。


「あぁ、このタイプっスか……なら、あの技でいくっスかね」


 次郎は深く腰を落し半身に構える。


「【偽りの英雄(フェイクヒーロー)】っス」


 このアーツは、次郎のスキルを面白がって、城一や錬治などがいろいろと考えて編み出したアーツである。


「なんであ~るか?」

「こいつはみんなで編み出したアーツなんすよ」


 そういった瞬間、屑繰の視界から次郎が消えたと思った瞬間。右わき腹に鋭い痛みを受けたと思った瞬間吹っ飛んだ。


「単純な身体強化+隠密+古武術のブレンド技っス。テンポを上げていくっスよ」

「ぐっ、この【瓦礫の墓標】であ~る」


 屑繰のスキルは《スクラップ》。ゴミなどを操作するスキルなのだが、欠点として発動までにある程度の溜が必要としている。屑繰はなんとか阻害しようと瓦礫で柱をつくるがその程度では阻害にはならない。


「それじゃダメっスよ。あんたは接近戦が苦手なのは、もうわかってるっス。俺っちは錬治っや城一と違って相手の全力を出させて勝つとかはおもってないっス」


 次郎は一番になることに固執しない。故に、確実に勝てると踏んだ領域で戦う。なんでもできる二番手である次郎ならではの戦闘哲学である。

 

「派手な魔法もあるっスけど一応、殺さない前提なんでボコボコにするから覚悟するっスよ」

「なめるなであ~る」


 ガラクタを寄せ集めてハンマーにするも、あっさり躱されて顎にアッパーカットをくらう。そこからは次郎の猛ラッシュが開始される。空を見上げた屑繰の頭部に左右からの連打。なんとか反撃しよとしたでたらめに振り回した腕を弾き右わき腹に三連だを受けて悶絶。もはや最初の気取った様子もなく子供のように暴れる屑繰を次郎はひたすら打ちのめしていく。

 

「あんたらは、やっちゃいけない事をやったことを自覚しておくっスよ」


 徹底的に打ちのめす次郎であった。

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