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【十三階層十五区画】修学旅行 その12

  ~本質~


 光の柱の元、美穂は十二聖の一人痩せこけた190cmはある長身の男『懐渇』と激しい戦闘を繰り広げていた。


「ギャハッ! ギャハッ! どうしたどうした。オレの渇きをいやしてくれよ!! なぁ! なぁ! なぁ!」

「【血塊弾】」


 美穂は血の弾丸を放つ。だが……


「ギャハッ! ギャハッ! 《ドライ》」


 血の弾丸が渇き、朽ち果てる。懐渇のスキルは《ドライ》は乾燥させるスキルであり、美穂にとっては相性は最悪であった。


「【断罪ノ大鎌】喰らいな!」

「ギャハッ! 無意味ッ! 《ドライ》」


 大鎌が懐渇に大鎌が当たる前に、朽ち果ててしまう。


「これならどう!【大喰ライノ血鰐】」

「ギャハッ! ギャハッ! そいつも《ドライ》だぁ」


 足元に出現した血の大鰐が一瞬で蒸発する。


「ならこれで……血の雨は流れて川となりけり…川は血の大河とその姿をかえん……顕現するは今世の地獄……【血河衆合】」


 美穂の最大奥義ともいえる【血河衆合】対人に使うには過剰ともいえるその質量であるはずが……


「ギャハッ! 無意味無意味。ほーら《ドライ》」


 それすらも朽ちてしまう。


「ギャハッ! さぁ、諦めな今のがお前の最大のアーツだろ? こっちからいくぜ【ドライフラワー】ギャハッ!」


 突き出してきた掌を咄嗟に右腕でガードすると一気にミイラのように彼始める。


「これは…」

「ギャッハ! 【ドライフラワー】なんてカワイイなまえだけど、ギャハッ! こいつを受けた部分から一気に水分を蒸発させるそいつが《ドライ》の本質なのたさ。ギャハッ!」


 腕をプラプラとさせながら動かなくなった腕を見つめる。


「【ブラッドリジェネレイト】」


 枯れた腕が再生していく。相性が悪いと思っていた美穂だが、血流をコントロールして治した。


「うん……理解した……こっちならイケる」

「おいおい、なんで治せるんだよ? 回復魔法か?」

 

 懐渇の動揺した一瞬で美穂の思考は既に切り替え割っていた。


「行く……」

「なっ!?」


 美穂の選択したのは接近戦。それは懐渇にとって予想外の行動だった。


 なぜなら、懐渇の能力を知ったものは、まず接近戦を恐れて距離を取ろうとする。あえて必死の間合いに飛び込むなど想定の外であったのだ。


「喰らいな!」

「ギャバッ!?}


 今度は懐渇が両腕でガードするが衝撃を抑えきれずに5メートルは吹っ飛ばされた。


「ギャハッ… なんてパワーっハ」

「それだけで終わらせないよ! 【ブラッドバーン】」


 その言葉と共に懐渇の右腕が爆ぜた。


「感謝するよ。あんたのおかげでアチキは理解できた。《ブラッド》の力の本質をね」


 美穂の目が充血して深紅に染まっていく。血を身に纏い血を支配するその姿はまるで伝説のヴァンパイアのようでもあり、恐ろしく強大でありながら畏怖すべき美しさも兼ね備えていた。


 そして、一度、優性に傾いた天秤は覆る事はなく、美穂が圧倒するまでに時間はさほどかかる事はなかった。


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