【十三階層十二区画】修学旅行 その9
腱鞘炎気味で短めになってしまいました。
今回から本文のサブタイトルは別のものをつけることにしました。
~恐ろしき才能~
ガンッ――
到底、人体がぶつかり合った際に発することのない音が二人のファーストコンタクとなった。奇しくも、同じ右ハイキックどうしのぶつかり合い。異形のバッタ人間――蝗骸とカブトムシを思わせるフォルムの仮面を被っり甲虫のような外殻で覆われた――調。明らかな異形の二人の激突の余波だけで周りの建物は揺れ砂ぼこりが舞う。
「やるじゃないか」
『そうかい!』
調はそのまま跳び回し蹴り、蝗骸は水面蹴りを放つ。
二人の攻防は続く、調が後方宙返りからの蹴りを放てば蝗骸は、オーバーヘッドキックで対抗し、二人の蹴り技の応酬からクロスレンジでの拳での格闘戦へと移行する。
もしも、格闘技マニアがいれば垂涎物の格闘戦が繰り広げられている。その激闘は徐々に傾き始めていた。
「ぐっ…この」
蝗骸の攻撃は空を切るのに、調の攻撃は確実にヒットし始める。
「なんなんだお前は!」
焦りからなのか大振りの右ストレートを放つ蝗骸に対して、冷静に繰り出したアッパーカットは腹部にあたり3メートル程吹き飛ばす。
「さあな」
調は駆け出し間合いを詰め、繰り出される拳の弾幕に蝗骸は手も足もでない。
「こんな…はず……では……」
「まぁ、あれだアンタはその姿にならずに逃げまくればよかったと思うよ?」
膝をつきながらも蝗骸の戦う意思は衰えていない。
「そんな事…できるわけないだろ……【アバドン・レギオン・ストライク】」
起死回生の一撃。夥しい数の飛蝗と共に調に襲い掛かる。
「そうくるよな。【スコーピオン・ソード】」
調の手に現れた禍々しい長刀を水平に構え、刀身を指で弾く。
「【ノイズギフト】」
青紫色の煙が渦巻き、飛蝗たちがどんどんと朽ち果てていく。
「なんだと……」
「はぁ…最初からこうしておけばよかった。不意打たれて焦ったけどな」
蝗骸の体もボロホロになっていく。
「これで止めだ! 【デッド・ホッパー・アクセルキック】」
「ぐあ…」
「どりゃぁぁぁあああああああああああああ」
スライディングキックから、打ち上げるようにして蹴り続け空中に舞い上がる。
「《マスカレイド・ダブルフェイス》《インセクト》+《鉄鬼》=【インセクト・オーガ】。フィニッシュだ! 【メテオ・ホッパーキック】」
重量の増した調の重い一撃を受けた蝗骸は地上に落下しながら光の柱の中心めがけて蹴飛ばされた蝗骸の体は、砕けながら光の柱の中核と共に砕け散り生身の姿をさらけ出し倒れ伏した。
「生きてるみたいだけど…まぁいいか。こっちは終わったし……やべぇ…反動がきやがった……」
パタリと調も倒れるのであった。
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