【一階層十二区画】ドラフト会議の結果発表とレベリングレクリエーション
あの二人が再登場いたします。
日本ダンジョン戦記 【一階層十二区画】ドラフト会議の結果発表とレベリングレクリエーション
8月31日。三年生の一部、生徒大体十分の一くらいが、体育館に呼び出されていた。突然というわけでなく1週間前に連絡が、きており錬治も銀之助も呼ばれていた。
「今日の集まりなんだろな? 進路のことていってたけど」
「ドラフト会議終わってだとは、思うけど多いよな今年」
集められてはいるが、いくつかのグループで適当に集まりしゃべっている。錬治も銀之助もそれなりに仲の良い友人とも話しては、しているが自然と二人になることが多い。
「だからよ。今日は事前に説明しないといけないから個別の面談なのよ」
「幸? なんでお前が?」
話しかけてきたのは、大隅幸、生徒会の会計を務めているのだが、めがねとショートヘア―の髪型のせいで、あだ名は『いいんちょ』いろいろと小柄と小ぶりなところが悩みの種のクール系女子であり錬治と銀之助とは幼馴染になる。
「錬、私が生徒会の会計なのは覚えてる?」
「そういえば…けど、なんでそのお前が進路の関係するんだ?」
「私のギフトスキルが《マルチタスク》と《マネジメント》だったのよ。だから、いろいろと手伝い頼まれるの」
「どっちも事務系スキルかよ…」
「便利で助かるわよ。会長たち関連の調整を生徒会だからて私にくるし…生徒に任せる普通?」
「まぁな、それで忙しいのにどうしたんだ?」
「錬と銀之助君へのスカウト先の資料渡しにきたの後、二人のどちらかに頼みたいことあったし」
「ふーん、というか俺らにもスカウトあったんだな」
「今日、呼ばれたのは全員スカウトがきている人ばかりよ。今年は一級スキルの人数が多かったからスカウト枠拡大とかあったらしいわよ。一級もちは全員スカウトかかってるし二級スキルもちでも学校推薦に枠が特別措置で枠が増えてるそうよ」
幸は二人に封筒を手渡し銀之助と錬治はさっそく封筒をあける。
「おっ、俺、京都だ。錬の字は?」
「鹿児島の受験免除の特待枠だとよ」
スカウトでも最低限の学力試験と面接試験はされる。スキルが優秀でもやはり人間性などは、軽視されることはないし、学力も勉強についていけずドロップアウトとされたら学校側としても困るのである。
なので受験免除の特待枠はかなり希有である。
「おぉ、楽でいいな」
「まぁな。本家もあるし問題は…あ~あのバカと会う以外は問題ないか」
ちょっと嫌なヤツのことを、思い出して頭をかるく抑えながら答えた。
「それで、幸頼みてなんだ?」
「錬か銀之助君、どちらか生徒会パーティーに参加してくれないかな? 実は、今年の秋のレベリングレクリエーション。生徒会は特別強化てなるんだけど、ほら私はスキルとしては普通だから外れて六人編成でいくそうなんだけど、そのメンバーにとおもって」
勇者スキルの補正がかかるというのは、非常に美味しい話である。そして、この二人に話が来るという事は役割としてはアタッカーとして求められているという事である。
「そういうことなら…銀、お前が受けたほうがよくないか? 俺は受験免除の特待枠だし、通常のレベリングでも十分にいけるし」
「おっ、いいのか? 幸ちゃん、俺で問題なければ俺が受けるよ。会長の実力とかもしりたいしな」
「しまったな。それなら俺が受ければよかった。いずれ会長とも戦ってみたいしな」
「あんたねぇ…強い人と戦う以外に興味ないの?」
「基本ないな」
はぁ~と分かりやすいほどの、深いため息を吐き額に手を当てながら幸はあきれたように
「…なんでこれで錬が、女子に人気あるのかわからないわね…それと私よりも普通に成績もいいし」
実は、そうなのである本年の学校七不思議の一つ、尾張錬治がなんか脳筋ぽいのに学年三十位以内にいる。という半ば怪奇現象扱いの事実である。その他にも坂田銀之助が、意外と家事スキルなどが高いや文化祭に現れた正体不明の美少女。生徒会の正体不明の会計。放課後に響く謎の叫び声。悪事を働くと謎のマッチョが現れて1週間後行方不明になったら筋トレマニアになって戻ってきた。謎の組織マッチョメンが存在する。というものである。
「じゃぁ、候補として銀之助君を上げておくから、多分、明日の始業式のあとのホームルームで班とかは決まると思うからよろしくね」
そう言い残して他の生徒に資料を手渡しにいった。
9月の第二週の金・土・日を利用して行われるのがレベリングレクリエーションである。
10年ほど前は、体育祭が中学でも行われていたらしいのだが、ダンジョンによるステータスの上昇により三年生が参加した場合、公平性を保つことが難しくなったために、中学校では開催されなくなって久しい。なお、高校での体育祭はそのステータスを最大限にいかした競技となっており非常に盛り上がる。
話を戻してこのレクリエーションはレベリングの以外にもいくつかの目的がある。まずは進路について、探索者という職業は出来高になるのだが、いくつかの形態がありそれらを理解することで将来的な進路をきめるのが一般的だ。
まずは生産者型探索者、これは特定のダンジョンを周回して特定の素材を回収するタイプの探索者で、素材確保のために企業単位で行っている。
次に駆除型探索者、これは依頼を受ける形でモンスターを間引きしたり、住宅街などに出現した三級ダンジョンを破壊することを主に活動している探索者である。こちらは自治体などに雇用される公務員といった雇用形態になっている。
そして、冒険者型探検者。ダンジョンの深い階層を目指し新素材やモンスターの情報を入手する活動が、メインの探検者だ。完全に出来高なので収入は安定しないが、実績があれば企業などからの臨時の依頼などもある。また探検者協会から定期的に依頼がでている。さらにアンブレラと呼ばれるドローンを利用しダンジョン内の様子を撮影、動画編集を行いDムービーと呼ばれるサイトに投稿、再生回数によって収入をえる人も少なくない。
他としては教導型探検者は、そのスキルを活かしてダンジョン攻略のノウハウを教えたりして収入を得ている。わりと安定した収入もあり安全でもある。趣味型探検者だとレジャー感覚で低階層を探検する探索者で収入などではなく少しのスリルとストレス発散にダンジョンに行くエンジョイ探検者である。
さてと。今回の探索メンバーは…
「ハハハハハ、また、よろしく頼むぞ」
「また、よろしくーねっ?」
以前も同行した手甲をつけてタンクトップ姿の金田剛と金属製の盾をもった十町守里に加えて
「今日はよろしく」
タイトなボディースーツにジャケットを羽織った幸を加えた錬治の含めての四人となっていた。
「よろしくな。ところでステータスて公開したほうがいいのか?」
「数値はなしでも問題ないけど、使えるスキルとかは知らないと連携もなにもないでしょ?」
「そうだな」
「フハハハ、では、吾輩から公開しようではないか、みよこの鍛え抜かれたステータス!」
金田 剛
レベル:10
クラス:ボディービルダー
生命力 100/100
魔法力 100/100
[ステータス]
体力:S
攻撃:B
防御:A
敏捷:D
器用:B
感覚:D
魔力:A
精神:A
【スキル】
《付与魔法》Lv3 《格闘》LV5 《脳筋》Lv3 《ポージング》Lv5
《ボディービルド》Lv3 《レスリング》Lv2 《ボクシング》Lv1
【魔法】
<アタックアップ><スピードアップ><フィジカルアップ>
<センスアップ><マジックアップ><レジストアップ>
<ライトアップ>存在感が上昇する。
<クリイエイトウォーター>
【アーツ】
【バンプアップ】筋力が増大し攻撃力と防御力が上昇する
【ガードポーズ】その場からの移動と攻撃ができなくなるが防御力が上昇する
「「……」」
「どうだね?」
よし、いろいろとおかしい。
まず、クラス:ボディビルダーてなんだよ! 付与魔法あるならエンハンサーというクラスが普通だろう!? さらに《脳筋》てなんだよ! 明らかに前衛しかもタンクという構成おかしいだろ。いや見た目通りだけどイメージ通りといえばそうだけど…
「ふむ、スキル《脳筋》は体力と防御力の合計の10%+Lvが魔力ボーナスとして加算されるスキルだ。どうだね素晴らしいだろ?」
ヤバい名前よりも効果は、インチキ的だった。十町さんがまともであることを期待しよう
十町 守里
レベル:12
クラス:タンク
生命力 100/100
魔法力 100/100
[ステータス]
体力:B
攻撃:D
防御:A
敏捷:D
器用:B
感覚:C
魔力:B
精神:B
【スキル】
《盾術》Lv2 《衝撃緩和》Lv3 《強打撃》Lv1 《防御》Lv2 《ヘイトコントロール》Lv2 《カバーリング》Lv2 <シールドバッシュ>Lv2
【魔法】
<インパクトショット>Lv2:無属性の光弾を放つ。射程50m
<チャージ>魔法の威力を止めた時間に比例して上昇させる
【アーツ】
【カウンターインパクト】盾で攻撃を受けた際に盾より自動でインパクトショットを発動させる。
綺麗にまとまっているというかこれは固定砲台かな…
「盾は鈍器…大艦巨砲主義は素晴らしい……マウスになりたい」
マウスは戦艦じゃなくてドイツの超重量戦車だろ。
さて、真理は欠片すべてをインパクトショットの強化に回しているのか、《盾術》や《強打撃》は進化したスキルだし《衝撃緩和》も進化寸前とかなりダンジョンに潜ってないか?
大隅 幸
レベル:14
クラス:忍者/算術師
生命力 100/100
魔法力 100/100
[ステータス]
体力:D
攻撃:B
防御:E
敏捷:S
器用:A
感覚:S
魔力:B
精神:B
【スキル】
《マルチタスク》 《マネジメント》Lv3 《算出》Lv2 《算術》Lv3
《投擲術》Lv3 《罠感知》Lv3 《罠解除》Lv2 《聞き耳》Lv2
《隠れ身》Lv3 《気配感知》Lv4 《追跡》Lv2 《鍵開け》Lv2
《体術》Lv2 《危険回避》Lv3 《回避》Lv4 《小太刀》Lv3
《忍術》Lv4 《薬術》Lv2 《不意打ち》Lv4 《忍び足》Lv3
【魔法】
<代わり身> <分身> <変化> <風遁・鎌鼬>
<クリイエイトウォーター> <ウォール> <ライトヒール>
<イリュージョン>
【アーツ】
【幻影殺】 【ハイドインシャドウ】 【エコロケーション】
「《マルチタスク》て実は隠し効果があったのよね。クラスが二つ習得できる。これはかなり大きいし、さらにスキルの成長効率の上昇効果まであったのよね。マネジメントには成長を調整することができる効果もあったのよ」
レアとされる二級スキルだが中には、一級スキルを上回るスキルが存在する。それにしてもインチキすぎないか?
「最後は錬治ね。早くみせなさい」
「おう…」
尾張 錬治
レベル:9
クラス:なし
生命力 100/100
魔法力 100/100
[ステータス]
体力:A
攻撃:S
防御:C
敏捷:S
器用:A
感覚:A
魔力:E
精神:S
【スキル】
《チェンジリング》Lv1 《刀術》Lv8 《体術・剛》Lv3 《気配感知・改》Lv1
《軽業》Lv3 《跳躍》Lv4 《歩法》Lv4 《手入れ》Lv5 《直感》Lv5
《走り》Lv5 《抜刀術》Lv5
【魔法】
<コーティング> <クリイエイトウォーター>
【アーツ】
【ミスディレクション】
「「「………」」」
「なんだ? 確かにレベルは低いけどそこまでは悪くないだろ?」
錬治が低いのはステータス上昇による体の変化に慣らすために修練を行い大体1レベルあがる度に1週間は体慣らしに使っていたために低いレベルとなっていたのだが…
「おかしいでしょ。なんでレベル9で魔法習得というか五階層クリアーしてるの普通レベル10くらいよ?」
「フム、確かにおかしいな。スキルの数も多いな」
「……なんでクラスなしでアーツまで使えるのか…不思議」
この四人はっきり言って常識とか普通とか全員かけ離れている。しかし、この常識外れによる二級ダンジョン「蜥蜴の巣」への挑戦が開始された。
大隅幸
普通のサラリーマンの父と専業主婦の母を持つ。父は海外出張が多いが子どもの頃はよくキャンプに連れて行ってくれていた。なんかいろんなサバイバル知識や罠の張り方を仕込まれたりした。なお、なぜか家には様々な仕掛けがあるらしい。
…忍者キャラがだしたかったんや…まさか、あんな悲劇になるなんて…




