【十三階層十一区画】修学旅行 その8
すみません。今回は短いです。
【十三階層十一区画】修学旅行 その8
時をほんの少し戻り、調が光の柱にたどり着いたとき目の前には今まで以上の地獄が広がっていた。
一面には老若男女の区別がなく飛蝗に群がられた死体が転がっていた。
「おえぇぇ…なんだよコレ…っ!?」
咄嗟に《ナイトバロン》の仮面を被ると仮面にバッタが群がってくる。
『仮面が齧られて…まずい。このバッタ只のバッタじゃない?」
仮面に亀裂が入り、仮面が割れる。
「嘘だろ? 仮面が破壊されるとか今までなかったのに…ヤバイ《鉄鬼》」
《鉄鬼》の仮面を身に着けて全身を鎧で身を包むが、バッタの群れは増えるばかりである。
「も、もたねぇ…くそ、鉄鬼の仮面でも無理なのかよ」
バッタの群れがドンドンと突撃して打ち上げていく。
「これは…」
「【昇連蝗打】君を葬る技だよ」
調は空高く舞い上がり地面に激突する。
「げほっ……」
「凄いね。まだ生きているのか…うん? 君は……」
こうして調はピンチである。
(はぁ……ヤバいな。マジで嫌になる……なんでこう面倒な事になるかな……こいつを使う気はなかったんだけど…)
調は、覚悟を決めた。
「それでどうだい? 入信するかい」
「答えは……Noだよ。《マスカレイド・ダブルフェイス》」
欠けた《ナイトバロン》と《鉄鬼》二つの仮面を同時に被ると、一つの仮面になる。
「なんだいそれは?」
「《ナイト・オーガ》とでも名づれるかな」
調は合掌をし魔力を高める。
「【シャドウ・ストライク】」
その言葉と共にバッタの影から鋼鉄の球が飛び出しバッタを次々に打ち抜いていく。
「これは……」
「影×鉄てところだな」
「やるねじゃない。けど《アバドン》」
蝗骸の周りに無数の魔法陣が浮かび上がると、無数のバッタが飛び出してくる。
「さぁ、2ラウンド目にいこうか」
「そうはならないよ。【ハーフチェンジ】《フェイスレス》」
仮面の半分、鉄鬼の仮面が無貌の仮面面へと変わる。だが、無貌の面が浸食を始め徐々に《ナイトバロン》の仮面を塗りつぶしていく。
「同じ手は、そう何度も使わせない【シャドウ・テンタクル】」
今度は影が触手のように伸びると次々にバッタを捕食していく。
「……やるねぇ。いいだろう。こちらも切札をきらせてもらおう。【アバドン・メタモルフォーゼ】」
蝗骸の姿はまるで、バッタと人が混ざり合った姿へと変わる。
「それが本気ならオレもいくぜ《インセクト》」
調は、甲虫の仮面を身に着ける。虫のような鎧を身に纏い。二人は示し合わせたかのようにゆっくりと近づくのであった。
最終局面が始まる――
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