【十三階層十区画】修学旅行 その7
今回は、新キャラができます。
【十三階層十区】修学旅行 その7
選真教と戦っているのは、イレギュラーズだけではない。
「てるちゃんまつンゴー」
「付いて来るなら、急いで下さい。置いていきますよ」
「ンゴー酷いンゴー」
駆けているのは、ヴァルキリーガーデンの二人。小柄で少しホワホワした感じの少女、玄間真白と竹やりをもった長身の少女、大塚照美。
迷いなく光の柱を目指して駆けていた。
「ところで、てるちゃん、てるちゃんなんで光の柱をめざしてるンゴ?」
「こういうのは大体、あそこにボス的なのがいると思います。あと、テロリストなので殺しても不慮の事故ということで処理されると思うんですよ。うっかり殺してもいいですよね。不慮な事故なら仕方がないですよ」
「なんか不穏なこと言ってるンゴ!?」
そんな会話繰り広げながらも、ゴブリンの小集団を壊滅させたりしながら確実に光の柱に近づきつつあった。
「待ちな。ここから先はこの選真教二十四将の一人…ぐがっ」
「邪魔です【爆竹】」
立ち塞がろうとした、男を照美は躊躇なく竹やりを太腿に差して離れると同時に竹やりが爆ぜた。
「スプラッタな衝撃映像ンゴ。アレはよかったンゴ?」
「はい、100点満点で5点の雑魚です。正直ダメダメです。名乗る暇があったら攻撃します」
「てるちゃん。変身ヒーローの変身シーンの時に攻撃しちゃう人ンゴ」
「当たり前です。ボスが変身する待つとか合体シーンで攻撃しないほうが頭おかしいですね」
再び駆けだそうとする二人。だが……
「ハハハ、同感だね。あいつはバカだとは思っていたが無防備に近づくなんてなんセンスだよ。同じ二十四将として恥ずかしいね」
二人から少し離れた場所に男が十数名が姿を現しその一番奥の男が笑う。
「僕は二十四将の一人『調伏』彼らがお相手するよ。お前たち適度に痛めつけて差し上げなさい。そのほうが後が楽なのでね」
パチンと指を鳴らし、それを合図に一斉に男たちが襲い掛かる。
「エッチなことされるンゴ。同人誌みたいンゴ!」
真白が叫ぶと
「マ゛マ゛オ゛イ゛ジメ゛ル゛ナ゛」
血管が浮かび上がり筋肉が異常に膨れ上がっり皮膚が赤黒くなった男が襲い掛かってきた男を捕まえると口に手を突っ込み強引に顎を引き裂き、腕をねじ切り、ひたすら暴れまくる。
「なっ、『暴骨』どういう…いや、理性がないのか……何をした」
暴れ狂う『暴骨』とよんだ男から目を離し目の前の二人を睨みつける。
「【痛いの痛いの飛んでいけ】てしてあげたンゴ」
「はぁ?」
あまりの回答に困惑する調伏は、固まってしまった。
「ところでいつまでボーとしてるンゴ?」
可愛らしく小首を傾げる真白から、照美へと視線を向けると
「あなたも不合格で赤点です【スピアバンブ】」
照美から調伏に向かって地面にヒビが走る。
「なっ…!?」
何かに気づきその場を離れようとした調伏の足元から生えた無数の竹が調伏の手足を貫く。
「まったくお粗末ですね」
「あっ、この子も限界ンゴ」
そういうと暴骨と呼ばれていた男は糸の切れた人形のようにぐたりと倒れこみ筋肉がしぼみ始めどんどんと老化していく。
「置いていきますよ」
「待ってほしいンゴ」
もう、興味が無くなったのか再び駆け出し光の柱を目指すのであった。
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「くそっ……ついて……ねぇ…」
いち早く、光の柱へとたどり着いた調は、ボロボロになっていた。
「君は頑張ったよ。この蝗骸に一撃入れただけでも誇っていい。それにここに来るまでに二十四将も数人を一瞬で戦闘不能にした、その戦闘力実に惜しいよ。どうだい? 今からでも入信しないか? この僕十二聖の伍が推薦すれば二十四将になれるよ?」
頬をさすりながら余裕たっぷりに、金糸の刺繍が施された白ローブ姿の細見で長身どこか虫のような印象を与える十二聖の一人蝗骸と名乗る男は調に一歩、一歩ゆっくりと近づいていくのであった。
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