【十三階層六区画】修学旅行 その3
【十三階層六区】修学旅行 その3
選真教の襲撃を受けて、ギリギリで対応した錬治と城一。とりあえず総理を椅子に座らせた後、参加していた各学校のリーダー及び教師を集めての会議を行う事になったが…
「はっきり言わせてもらうが、我は議論をしない。提案は3つ、一つ、ここを拠点として防衛する。一つ、非戦闘員や戦闘可能者をここに誘導する。一つ、あの光の柱を破壊する。どうやらシンボルを破壊すればいいらしいのでな」
「あの……救援を待つというのは……」
「それは無理ですね。総理お伺いしますが、近隣の県や他の主要施設などでも散発的に事件が発生しているのではありませんか?」
「あぁ、その通りだ。警察や自衛隊を動員して対処しているが鎮圧には時間がかかるらしい、それに探検者の派遣を求めたが、そちらも準備に時間がかかる。すまないが日没までには厳しいだろう」
「じゃあ、ボクはここを守るよ」
勇者である、勇雄が防衛に手をあげると
「うちらも、そうさせてもらうよって、あんじょうよろしゅう」
12のチームが防衛にまわると表明。
「では、京都剣心組は、誘導と可能なら破壊にも動きます」
「それならこちらも」
機動力に自信があるチームは批難誘導と破壊に…
「すみません…あの…うちのチームから二名既に破壊に向かったとの話が……」
「確か、東京の」
「ヴァルキリーガーデンの二階堂です。なので、わたくしたちもこれから急ぎ後を追います」
「了解した。ちなみに我がイレギュラーズの半数は破壊に残りの防衛にまわることになっている」
会議は、意外とあっさりと話はまとまり作戦は開始された。
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会議開始直後、イレギュラーズの錬治、源治、光太郎、美穂、一芽、次郎、調は既に動き出していた。
そんな錬治を追う様に、銀之助と相馬も駆けていた。
「いいのか錬治、独断専行じゃないのか?」
「城一が上手くまとめるだろぉから、多分、問題ないはず」
「ハハハハ、いいね。いいね」
三人は駆けながら、刃を振るいモンスターや障害物を排除していく。
「しかし、選真教だっけか…あいつら何考えてるんだ?」
「さぁ? 狂信者の考えることはわからねぇよ」
「そういえばモンスターにも襲われてなかったよね? なんかカラクリがあるのかも」
そんな会話をしている錬治たちに向かって火球や石礫が飛んでくるが、あっさりと切り払う。
「よけられたね。エル」
「よけられたよ、アル」
選真教の衣服に身を包んだ双子が錬治たちの前に立ちふさがるが…
「うるせぇぇぇぇ」
錬治は構うことなく片方に跳び蹴りを浴びせて数メートル吹っ飛ばし、その反動でもう片方に思いっきりボディーブローを叩き込み、少し浮き上がったところで、左アッパーカットで追い打ちし、今度は右から地面事叩き割るかのように拳を振り下ろした.
「アルをいじめるな!}
先ほど吹き飛ばされた片割れが、棍で殴りかかってくるが、錬治はあっさりと躱す。
「はぁはぁ…エルありがとう。選ばれないヤツはこれだから…」
「そうだね。ぼくたち二十四将にこんなことするなんて酷い奴だよね」
錬治は態勢を整える待ってから
「とりあえず、質問だお前ら敵か?」
「そうさ、ぼくらは十二聖の配下の二十四将さ」
「そうだそうだ。新世界の大幹部だぞ」
「あっそ、とりあえずいろいろと聞くのはボコボコにした後で聞かせてもらうぜ」
「ふっ、ぼくらのスキル《シンクロ》の恐ろしさをしるがいい」
「しるがいい」
軽い舌戦の後、二人の少年。エルとアルの猛攻撃が始まる。ぴったりと息の合ったコンビネーションは確かに脅威になりえたであろうが、今回は相手が悪かった。
「普段なら遊ぶところだがぁ、今回は急ぎぃなんでなぁ」
錬治の《チェンジリング》の前ではコンビネーションは無意味になる。位置を入れ替えるというスキルは、近接戦闘ということなら、このスキルは間違いなく反則級の強さを発揮し、コンビネーションは崩され、錬治に容赦なく殴り続けられる。
何故なら、錬治は怒り狂っているのである。無関係に人を巻き込み、くだらない理由で楽しい一時を狂わされたことに、なによりもその、身勝手すぎる思想に深く深く静かに怒りを燃やし、その愚かな行為をした連中が目の前で舐めた態度をしてきたのである。怒らない理由も、手加減をする理由もなく、一切合切の躊躇も、容赦もなく、二人をぶちのめすのであった。
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テンションがヤバイくらいにのっていていつもよりも筆の進みが良き、バトルを書くのが楽しすぎます




