【十三階層四区画】修学旅行 その1
【十三階層四区画】修学旅行 その1
イレギュラーズの面々はダンジョンを攻略したり、修学旅行の式典のリハーサルをしたりするとあっという間に、時は過ぎ、出発の際に新幹線へと乗っていた。
「はい、とりあえず車両一台貸し切りではありますが騒がないように」
「うむ、貸切るとはやるな」
「そうでもしないと、問題になるし……お前らがポケットマネーで豪華セレブ旅行にするとかいってかなりの額用意しただろ? 一般クラスの保護者から苦情もあったし」
「あれは我が説明して落ち着いたであろう」
「いや、お前『文句があるなら追加料金払って旅行プランを立てればよかろう』とかめっちゃ挑発しただろ」
今回の式典にはおよそ20の選抜チームが参加することになっている。その日程に合わせて全員で立てたプランは本日は昼食は下関でフグを食べ、島根県で水族館見学を終えてから温泉旅館で一泊してから、式典会場となる出雲大社へと向かう事になっている。
「えー、とりあえず他校と揉めないように。揉めた場合は、とりあえず鉄馬が腹を掻っ捌いて詫びることになります。以上」
「いや、以上じゃねぇですよパイセン、なに勝手に人の腹を掻っ捌くことにしてるんですか」
「詫びはハラキリて決まってるだろ」
「なら、あんたも斬れよ」
「やだよ。痛いから」
そんな漫才を繰り広げながら、道中は快適な旅となった。
なお、移動が新幹線となったのは飛行機の国内線チケットは燃料高騰の為に10年前の3.5倍ほどとなっている為、新幹線での旅となった次第である。
何はともあれ、珍しくトラブルなく目的地に到着し右近は安堵したが、イレギュラーズ全員がそろった時の異様なまでの存在感に気づかない程度には、感覚がマヒしていたりする。
「式典の集合時間は10時30分。それまでは自由時間。適当に観光してろ先生たちは、挨拶回りとか、いろいろと面倒な事があるから大人しくしておけよ」
そういって解散する。
「ケケケ、さてととりあえず…」
「土産屋だな」
「基本だな……」
「うむ」
「……行く」
「美穂ッちいくならあーしも」
後で、周る時間もないのでとりあえずお土産の確保にと、全員で土産屋へと足を運んだ
「美穂ッちなにみてるの?」
「……暗黒邪龍神剣キーホルダー……これは必須」
「アハハハ、なんでこういうキーホルダーてあるんだろうねー」
「ペナントはどれにすべきか……」
「ケケケ、提灯もいいよな」
購入してしばらくしたら後悔するお土産品を見て回る。
「これは…!?」
錬治が手にしたのは、修学旅行。男子生徒が欲しいもの№1の木刀である。
「ちゃんと出雲大社と彫られている…よし、買おう」
即買いである。
「ありがとうございました」
「いい買い物をした」
満足気に木刀を店外で、見つめていると
シュッ――
風を切り裂くような鋭い突きが錬治の手元を襲う。
「おっと」
その突きを宙返りをしながら避けると手に持った木刀を構える。
「へー、やる~僕の突きを避けれる人なんて久しぶりかも」
少々小柄というか華奢な少年とおもったが年は同じだろうと錬治は判断し油断なく
「いきなり何すんだよぉ。俺じゃなかったらケガしてるだろ」
「ハハハ、面白い冗談だよね。僕が木刀狙ったの解ってるくせに、丁度暇してたんだ。相手してよ尾張錬治君」
名前を呼ばれて錬治の目が鋭くなる
「てめぇ何者だ……何で知ってる?」
「うーん、何でて言われても、まぁいいじゃないか、僕は沖田相馬。よろしくねっ!」
鋭い三段突きを放つ沖田。錬治はそれを歩法で避けて間合いを計る。
「沖田で三段突きて…シャレてるじゃねぇか、今の突きも普通の奴なら一突きしか認識できなかっただろうよ」
「うわぁ~これも避けるとか、ならこれはどうかな【散弾突き】」
「【瞬閃・三式】閃隼」
相馬の放った無数の突きに対して錬治は最速の一突きで対抗する。カンッと木がぶつかり合うと互いに後方に跳ね退き互いにニヤリと笑う。
「いいね。やっぱり君、いいよ。最高だね」
「ふっ、こっちも久しぶりに戦い概がある野郎と戦えていい気分だ」
「じゃーいくよー」
二人が再び激突しようとした瞬間
「ちょっと待った!」
二人の間に何かが落下し土煙をあげ、そして
「なにやってんだよ沖田。騒ぎ起こすなって言われてるだろ」
相馬は、背後から現れた人物は腕をしっかりと握り
「バカなんですか…貴方は、こんな往来でやり合うとか頭おかしいんですか? あっおかしかったですね」
錬治の背後に現れた人物は、錬治の首に冷たい物を当てていた。
「アハハハ、ゴメンね。銀君。凄く痛いんだけど」
「そりゃ、折るつもりで握っているからな」
冷や汗を流しながら一応、抗議をしてみる相馬だが相手は取り合う気はないようであり、錬治の方はと言えば
「当たってるんだが…幸」
「当ててるのよ。久しぶりの再会で少しは成長してるかと思ったら…なにやってるの? 錬治」
「まぁーなんだ。久しぶりだな」
「えぇ久しぶりね」
よく知る少女に、挨拶をする錬治であった。
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ようやくここまでこれた…




