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【十三階層二区画】現実逃避したくなるような現実

 修蓮館高校職員室――


「右近……あいつら何なんだよ……」


 鉄馬は自分の真新しい机に突っ伏していた。


「俺が知りてぇよ。ハハハハ、まぁこれからは頼むな」

「てめぇ…あの錬治とかいうガキ。どうなってるんだよ。頭おかしいだろ。普通、再生するからって躊躇なく人の骨おるか?」

「まぁ、折るだろうなあいつは…」

「他のガキどもも並みのチームならエースアタッカーこなせるとかどうなってんだよ」

「錬治の戦闘力なら国内のトップチームのレギュラーメンバーにも匹敵するだろうよ」

「今でそのレベルって絶対おかしいだろ…まだ高二になったばかりでそれだけって」


 体を起こして伸びをしながらコーヒーを入れる。


「あっ、俺にもくれ砂糖もくれよ」

「ちっ、はいはいわかりましたよ先輩」


 紙コップにコーヒーを注ぎ右近にも手渡し応接用のソファーに向かい合って座る。


「報告の資料で読んでたけど正直、体術のレベルでいうなら全員それなりのもんだとおもうぜ」

「だろうね。あの子たちの基準が錬治君や一芽ちゃんとかになってるから、感覚がおかしくなってるけど。けど、体術限定なら一芽ちゃんは錬治君以上のモノをもっていると思うんだよ」

「そいつは思ったけどよぉ。マジあの二人は俺でも手に余る」

「そりゃそうだ。二人とも映像みた限りじゃ、手加減してるからね」

「手加減?」


 少々苛立ちを覚えながら右近へと聞き返した。


「錬治君は解りやすいかな。《チェンジリング》を使用していない。まぁ、本人は面白い手品レベルとしか認識してないのか、命のやり取りか相手が自分よりも多数の時のみしか使用しない縛りみたいなのがあるけど、正直、近接戦闘においてアレを使われたら堪ったものじゃないね」

「なるほどね。確かに位置を入れ替えるてのはシンプルなだけにえげつないスキルだとおもうぜ。正直、戦闘時におけるアドバンテージや応用でいくらでも使えるスキルだ」

「それに手刀を使ってないしね」

「手刀?」

「そう、錬治君の手刀技は、本当の刀剣と変わらない威力がでる。徒手空拳ならぬ刀手空拳とか駄洒落でいってたね。滑ったけど」


 カラカラと右近は愉快に笑う。


「いくら、再生するからって切断されたら再生に随分と時間かかるでしょ?」

「まぁな。はぁ……教官役降りたくなってきたんだけど……」

「そういうなよ。元々、中衛の俺じゃあいつらに教えられるの限界があるし、錬治君と一芽ちゃんは、ほっといても強くなるだろうけどね」

「教官としてそれはどうなんだよ」

「優秀過ぎるだよ。ユニークスキルとか関係なくね。アタッカーの錬治君、一芽ちゃん、源治君、タンクとしてなら光太郎君、岬ちゃん。中衛なら城一君、美穂ちゃん、崇高君に充希ちゃん、後衛ならぼたんちゃん、佐江ちゃん、美千代ちゃん。オールラウンダーの調君に次郎君。この14人の才能は抜きんでているよ」

「否定できないけどよ。はぁ、骨が折れるな」

「折れたら治せばいいでしょ。君の長所なんだからさ」

「笑えねぇよ」


 大人の指導方針の話し合いはまだまだ続くのであった。

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