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【一階層十一区画】初めての魔法

焼き肉食べたい…

 日本ダンジョン戦記 【一階層十一区画】初めての魔法


 肉、肉、肉、野菜、肉、米、肉


 錬治と銀之助は焼き肉屋に来ていた。


 ホブゴブリン討伐後、ボス部屋の先には帰還部屋と呼ばれる一階層への転移装置がある。それを通って帰還した後、換金を終えて二人は焼き肉屋へと直行した。


 そして、互いに肉を焼きながら、ひたすらに食べ続けている。


 牛バラ、牛モモ、牛ロース、ハツ、タン、ホルモンの牛モリコースに野菜盛り合わせを次々に焼いては食べる。と、いう繰り返し。互いに陣地を構築しそこで自分の最適な焼き加減で頬張りさらに焼く。ちなみにコースは一つで普通の家族なら満足いく量ではあるのだが一人一コースの注文に加えて追加で豚バラ、豚ロースも追加ととりあえず二人とも食欲のままに食べ続けた。


「ところで、錬の字」


 二人が会話を再開したのは、どんぶり飯三杯目を食べ終えたときだった。


「うん? なんだ? 追加の肉か? そろそろ締めに茶漬けを頼もうとおもったんだが…」

「あっ、なら俺も頼むから。すいません鮭茶漬けと梅茶漬けをお願いします」

「おう、ありがとうな。で、なんだ? 締めの話じゃないとすると」

「どんな魔法取るか決めたのかとおもってな?」

「うーん、今回の断片は二つだろ? なら基礎系の魔法くらいかな。さすがに二つ使ってとかは無謀だろうし」


 真理の断片による魔法作成は、ちょっとしたパズルに近い。断片一つにいくつかの設定を込められるが消費量を増やすことで設定の幅を広く複雑に設定することができる。むろんその分の負担が大きくなるので調整は難しく下手をすると使えない魔法になってしまう場合もある。


「だから、作るのは《クリイエイト・ウォーター》と《コーティング》の魔法だな。銀は?」


 《クリイエイト・ウォーター》は水を作り出す魔法であり飲料としても使えるので使えると便利な魔法ラキングでもベスト3に入る魔法である。汚れを落とす《クリーン》やダンジョンないで安全に休める場所を確保できる《セーフティ・ゾーン》などと合わせて人気の魔法である。

 《コーティング》は武器や防具に保護膜を張ることで毒液や酸などによる浸食を防ぐことができる地味な魔法ではあるが対アンデッドや対粘性生物なとにおいては非常に有効な魔法ではある。


「俺は《エンチャント・ウェポン》と《クリエイト・ウォール》だな」


 《エンチャント・ウェポン》は武器に魔力による強化を加える魔法で非実体のモンスターも攻撃可能になる。攻撃方面としては非常に便利な魔法である。《クリエイト・ウォール》は文字通り壁を作る魔法ではあるが術者によって高さや維持時間などの設定ができるので応用範囲が広い魔法である。


 ちなみに、二人が選択している魔法は、どちらかというとマイナーというか堅実派というか一般的には、あまり男子中学生には人気はない。男子中学生によるアンケートで人気なのは火炎系の攻撃魔法で爆発系の《エクスプロージョン》か《ファイアー・ボール》、一点突破の《ファイア・ランス》。燃費と速射性に優れた《ファイア・ブラスト》などのカスタム魔法が人気が高い。


 ただ、狭いダンジョンだとこれらの魔法は使いどころが難しいために、好まれない傾向もあるが、やはり攻撃系統の魔法は人気が高く需要としては回復系魔法が高い。ついで戦闘補助系の防御魔法や、バフ、デバフなどの付与魔法などは使い手が少ないために大手の探検者チームなどからは求人がよく出されている。


「しかし、魔法て面白いな。というかこれパズルだよな?」

「まぁ、組み合わせとかいろいろといじれるみたいだけど、とりあえず今日は帰ろうぜ」

「そうだな。夏休みあけたら受験だし」

「だな。まぁ、今年のドラフト次第だろ」


 錬治と銀之助は帰路についた。



 なお、本日の焼肉代22300円也

地味な魔法のほうがわりと応用がきいたりします。

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