【十二階層一区画】修行
【十二階層一区画】修行
バチバチ…
錬治から漏れる電撃が空気が弾く音が訓練場では聞こえていた。
「ケケケ、どうよ?」
「なんとかぁ、一分は維持できるようになったな」
「そいつは動かない状態でだろ?」
「戦闘だと5秒だな」
「ケケケ、まだまだってことか、しかし、その修行法なんて誰に聞いたんだ?」
「ちょっと魔法オタクの知り合いに、ユニークボスの素材と引き換えに教えてもらった」
「教えられるソイツて何者だよケケケ」
一方では…
「錬治は大変そうっスね」
「いや、お前何気に右手と左手で別属性の制御してるよな?」
「できそうだからできたっス。心友は上位属性使えるじゃないっスか」
「あれは《マスカレイド:フォックス》を使用したときだけだからな…まぁ水と地属性とは相性がいい感じだな」
「わりと自分はどの属性もいけるッスね」
魔法の制御を易々こなすのは次郎だけ、他の面々は苦戦を強いられていたが、それを見守る右近は…
「良かった…この課題もあっさりクリアーされたらと思って胃が痛くて昨日は寝れなかった…」
「けど、次郎さんは、とんでもない事をしていると予想しますよ?」
「渡瀬。いいか? つらい現実からは、目をそらしていいんだ」
「そもそも上位属性て、かなりの難易度でしたと記録してます」
「ふっ。お前ら全員が規格外すぎるんだよ! なんで普通を通り越してこう異常に習得速度が速いんだよ! 大体、上位属性の他の特殊属性を自在に使いこなすとか頭おかしいだろ……」
「城一さんとかは、先日の敗北が相当悔しかったと予想しています」
「あぁ…新藤は負けず嫌いだからな…いや、全員そうなんだけど…」
因みに、イレギュラーズの得意とする属性は、特殊属性が多いのだが、その現実からも右近は、目を逸らしていた。
数日後、ほぼ全員の新技が訓練所で炸裂した結果…頑丈なダンジョン素材で作られた訓練場が半壊するという悲劇が起こる事は、右近はこの時、想定しないでいるのであった。
一方、同じ頃……
統一朝鮮民主主義人民共和国。仁川軍港には統一朝鮮軍の総戦力の70%が集結していた。
もっとも、航空戦力は、部品不足と燃料不足の為にほぼ使用できないために、もっぱらは韓国軍の軍艦と陸上兵器が隊伍を組んで今か今かとその時を持っていた。
「諸君、我々が統一を果たして5年。優秀である我が民族の結束により今日、この日、憎き日本の人もどきどもを駆逐する時が来た! 偉大なる書記長さまは勝利を確信し、進軍を宣言する」
この日、日本へと向けて隣国からの悪意ある刃が向けられるのであった。
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ようやく、戦記らしい展開に……どうなる日本!




