【十一階層六区画】穏やかに過ごす面々
今回は短めです。
【十一階層六区画】穏やかに過ごす面々
源治は愛車のホンダ・XR230に股がり、自宅へと帰宅した。
「…ただいま」
「応…」
出迎えたのは源治の父、緑郎が自分のバイクを整備しながら出迎えた。
父親の隣にバイクを停めると源治もバイクの整備を黙々と始める男二人。
「学校は楽しいか…」
「…あぁ…」
「そうか…」
それから機械の整備する音だけが二人の間に流れる。
「源治! 帰ってきたなら家に入って来なさい! あなたも正月くらいは、バイクをいじるの止めなさい!!」
玄関が開き、一人の女性がお玉片手に怒鳴りつける。その気迫に負けて
「う、うむ…」
「了…」
部屋の中に入った二人は正座させられ二時間程説教されてから、雑煮を食べたのであった。
崇高は弓道着に着替えて、道場の掃除を終えてから瞑想をしていた。
「崇高よ。新年あけましておめでとう」
「お爺様、新年あけましておめでとうございます」
崇高の祖父。正鶴は向き合う様に胡坐をかいた。
「精進しているようだな」
「ありがとうございます。日々、自分の未熟さを知る日々を過ごしております」
「うむ、それは僥倖。弓の腕はどうだ?」
「ご覧に入れるでありますよ」
そういって、放った矢は正鵠を射抜いていた。
「見事なものだ。さてと、皆待っているから着替えてきなさい」
「解ったであります」
この後、崇高は親戚や実家の道場の門弟などの挨拶で三が日を過ごすことになった。
ぼたんは、自宅へと帰り趣味で集めていた、探検者の記事のスクラップノートの整理をしていたのだが、ついつい懐かしく読み始めてしまい。様子を見に来た母親に怒られてしまった。
「仕方ないよ…《ホワイトブック》【サモン・ドッペル・サーバント】ハウスキーパーと掃除をお願いしますよ」
召喚されたメイド姿のサーバントは頷くとテキパキと掃除を開始した。
「最初からこうしておけばよかったよ」
この後、母親に再度見つかったが、サーバントで家中の掃除をすることになる、ぼたんであった。
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