表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/293

【一階層十区画】三回目のダンジョン

必殺技てロマンがありますよね。

 日本ダンジョン戦記 【一階層十区画】三回目のダンジョン



 夏合宿を終え、錬治は銀之助と共に再び小鬼のダンジョンへとやってきていた。


「それで錬の字今回の目的はどうするよ?」

「五階層にいるホブゴブリンを倒して魔法を手に入れるでどうだ? どうせ必要になるし」


 ダンジョンには実績ボーナスが存在する。その一つが階層突破によるボーナスで5階層突破で真理の欠片が一つ手に入る。


「魔法あると確かに受験楽だな」

「いや≪金剛力≫あるんだからお前は悪くても推薦だろ」

「一級スキルて評価が厳しいんだよ! 潰しきかないし」

「リンゴは握り潰せるのにな」

「よし、お前の頭蓋骨を握り潰せるか試そう」


 少々緊張感がないようではあるが、最短でのルートを選び二人はどんどんと進む。道中は前回もでてきたゴブリンばかりである苦戦することもなく進んでいく。


「ところで、錬の字なんで当身中心なんだ?」

「あぁ、ちょっとな俺の≪チェンジリング≫の幅広げるためには触れなきゃいけないからな。その練習だよ」

「なるほどな。いろいろと考えてるんだな」

「ある種の反則スキルだからな頼りにするのはあまり気が進まないが…それでもこれも俺の力だ。ならば使いこなせないのは気持ち悪いからな、それに【アーツ】まで引き上げたし」

「なんだ、お前もかよ」


 新しいおもちゃを楽しむような顔を浮かべて二人は疾走する。先頭を走るのは銀之助である。


「まけねぇぇぇ」

「はははは、≪金剛力≫で脚力強化してるんだ負けるかよ」

「なにを≪チェンジリング≫」

「あぁ、てめぇきたねえぞ」


 まだ、二人とも子供である…


 道中はふざけたこともしながらも二人は突き進む、子供ぽい処はあるものの二人とも同年代と比べるとかなり感性の違いがある。


 例えば「油断した」などという事を二人が言うことはない。二人の師から子どもの頃から「油断したなんて甘えだ。相手の実力を見誤った自分が悪い」や「不意打ちが卑怯? 不意打ちも見極められないやつが悪い。敵に逃げられるそいつが間抜けだ。隠し武器が卑怯? 馬鹿が、隠し武器使う修練詰んできてるヤツに、それを使うなてのは、そっちのほうが卑怯だろうが。世の中には自分よりも強いやつか弱いやつかのどちらかだが卑怯卑劣でも生き残る為なら最善を尽くすのは当たり前。弱いやつが強いやつに勝つために百の中の一つの勝利を手に入れるために策を練ってなにがわるい。要は勝った時に自分が満足した勝ち方をしたいなら自分がそれをできるようになりな」は錬治の祖父哲一の言葉である。


 そんな二人が道中に不意打ちをすることはあっても、不意打ちされることはなく。割かし順調に五階層までおりることはできた。


 五階層はワンルームエリア。通称ボス部屋と呼ばれる仕様になっており大きめの簡素な扉が立ちはだかりそして、扉を開けた先にはボスモンスターと呼ばれる通常モンスターの2倍から5倍程度の強さをもつモンスターがいる。ちなみに、ボスモンスターにかかる補正は迷宮の級が上がるごとに大きく一級と三級では同じ五階層でも強さが大きくかけ離れておりそれが制限の理由となっている。


「さてと、鬼がでるか蛇がでるか…」

「いや、鬼だろ」

「慣用句にツッコむのは野暮だぞ錬の字」

「うむ、知ってる」


 二人で左右の扉をあけると中は円形の闘技場のような場所になっており壁には松明が灯されていた。


 中央にいるのは、二メートルほどの大きさでゴブリンとは異なり、筋肉が盛られたその姿は鬼といってもいい。その鬼は厚手の肉切り包丁を右手に左半身に革鎧を身につけていた。


「あれがホブゴブリンか…」

「鬼みたいだけど…そういえばオーガっているんだろ?」

「あっちはもっとでかいらしいけどな」


 取り巻きのゴブリンは10匹。手には棍棒や槍、剣、手斧を構えてギラギラと目をかがやせている。


 ぐぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおお


 ホブゴブリンがよく響く叫び声をあげるとゴブリンたちは一斉襲いかかる。


「さてと、じゃぁいくぜ」

「おうよ」


 軽く掌底や蹴りを当てながら前進する錬治


「銀、任せた!」

「おうよ」


 一番近くにいたゴブリンを掴むと一本背負いの要領でホブゴブリンに向けて投げ飛ばした。飛んできたゴブリンに対してホブゴブリンはハエでも落とすかのように肉切り包丁で叩き落して一瞥もくれずに余裕をもって闘いを眺めていると、右足に痛みが、はしり足元をみると一匹のゴブリンがなにが起きたかわからないようにきょろきょろと周りをみている。そのゴブリンにホブゴブリンは足の痛みのいら立ちをぶつけるように脳天に肉切り包丁を振り下ろしそのまま地面を叩きつけた。


「錬の字感想は?」

「思ったよりも硬いな骨まで絶つつもりだったんだが…けど切れないわけじゃない」

「なら、答えは簡単だな」

「「切れるまで斬る」」

「じゃあいくぜアーツ【ミスディレクション】」


 アーツはスキルが最適化されたものであり、複数のスキルが合わさって派生するのが普通ではあるが例外として特級、一級スキルの場合、より先鋭化されて派生する。


 アーツ【ミスディレクション】その効果は30秒間以内なら何度でも連続して≪チェンジリング≫を発動させることができる。使用後三十秒間は≪チェンジリング≫が使用できなくなるという欠点があるがそれよりも恩恵は大きい。


 錬治は触れた対象が生きている必要すらない…死体という物体ですら自分自身は入れ替えられる。

 背後に転移して斬りつける。渾身の力で斬りつけてから≪チェンジリング≫で安全圏に転移。だか遅いもっと早くもっと早くもっともっと早く斬りつけ続けられ。ついに、よろける。ホブゴブリンとそして、そのタイミング合わせて


「銀、任せた!」

「応!」


 俺と銀の位置を入れ替える。見せてくれよ銀


「いくぜアーツ【比叡一閃】」


 アーツ【比叡一閃】金剛力の強化を足に集中して爆発的な脚力による瞬発力生み出しその力を込めた突きをホブゴブリンは何とか肉切り包丁で受け止めるがピキピキという音とともにに刀身が折れる。そして、銀之助は止まらず更なるアーツを発動させる。


「アーツ【霧島連斬】」


 アーツ【霧島連斬】金剛力の強化を腕に集中して爆発的な膂力による連撃は右腕、胴、左足を深く斬りつける。

 が、ホブゴブリンも負けじと左腕で殴りかかける。アーツの連続使用により体の動きが鈍くなった銀之助には避けれないであろう。ただし、一人でいた場合ならであるが


「≪チェンジリング≫悪いな銀、美味しいところはいただくぜ」


 錬治のそれはただの剣術。アーツでもなく単純な今までずっとずっと鍛錬を積み重ねて造りあげた錬治の剣、地面を力強く蹴り迷いなく抜き打った刀はホブゴブリンの首を切り落とすのだった。

錬「なんか、銀のほうが必殺技が派手じゃね?」

銀「いや、反則度ならお前がヤバいだろテレポートしまくりって…」

作(やべぇ、銀之助のほうが主人公ぽい…というか錬治のスキルがやべぇ…もっと制限かけておけばよかった)



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] 刀じゃなくて剣なの?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ